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木の基礎知識 マルトクショップ「もくもく通信」

「リペア2」下地を整える・・サンディング術

2017年8月31日

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材の傷み、再塗装時の下地処理

サンディング術

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材の表面が傷んできたら、無垢・集成材の見せ所

表面が傷んだり、小さな傷が発生したり、多少凹んでも

修復できるのが天然木のいいところ。

テーブル天板を想定して、下地の整え方をお伝えします。

 

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「サンディング」基本の基本

木工作業につきもののサンドペーパーがけ、いわゆるサンディング作業は、避けては通れない技術です。手法は、人の数だけありますが基本の基本を紹介させていただきます。あとは、ご自身でやりやすいように工夫すれば作業も楽しいものとなるでしょう。

サンディング作業に近道無し

何事も基本が大切ですが、サンディングも手を抜けば必ず仕上がりに反映するという事です。実際、サンディング作業は手間も時間もかかります。

初めてサンディング作業をすると「いくら削っても一向にきれいにならない」という印象があります。サンディングの手順は以下の通りです。

     《サンディングの手順

     ※サンドぺーパーを当て木*に巻いて使用します。

     1.粗目(80番程度)のサンドペーパーで木地表面をフラットに削る。(下地が傷んでいない場合は2へ進む)

     2.フラットになったら中目(150番〜240番程度)で木地表面を均質に整えます。

     3.木地が整ったら仕上目(240番以上)でけば立ちを無くし化粧磨きを行います。

 

サンディングの力加減

サンディングは、とても根気のいる作業です。力を入れて研磨すると早く出来そうですが、材表面に凹凸が発生しやすいので、全体をフラットに仕上げるには、

「弱い力で何度も往復させて磨く」

ことが基本です。あせらずじっくりと行うのが、きれいに仕上げるコツです。力を入れて磨くと、部分的に削れすぎたりしがちです。弱い力で、表面を滑らすように磨きましょう。

 

サンドペーパーの種類を変えるタイミング

所要時間は、材表面が荒れている場合(傷、凹み、傷み)は1の粗目に時間がかかります。2の中目でのサンディングは、1の粗目サンドペーパーで出来たサンディング痕を取り除く作業です。木地表面が均質な状態になるまで磨きます。

最後の3の作業は、2で出来たサンディング痕が消えるまで行います。

サンドペーパーの寿命

サンドペーパーも使用頻度により劣化してゆきます。使用していると材の粉塵の出方が少しずつ減ってきます。抵抗感がなくなる前に新しいサンドペーパーに交換しましょう。

仕上がりは、時間と根気に比例します

手作業でのサンディングは、状態にもよりますが、丁寧にすればするほど時間を要します。初めてサンディングを行う方は、作業イメージを掴むために事前に、まな板やカッティングボードなどを磨いてみると研磨に要する時間と仕上がり具合の感覚が掴めるでしょう。

思い通りに研磨できるようであれば、大丈夫です。もし、時間と手間がかかる印象をお持ちになられたら専門家に任すか、スペースと時間が確保できた折に行うか判断してください。

サンディング作業は、力仕事です。一般的な家庭のダイニングテーブルをサンディングすると、おそらく半日以上~1日は掛かるのではないでしょうか。そのあたりも考慮してご判断ください。

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サンドペーパー:左手前奥80番(粗目、120番、180番、240番(仕上げ用)とサンドペーパーフレーム(市販品)と当て木(サンディングブロック)

 

サンドペーパー(木工用)の番手説明(目安)

粗 目

80~150番程度 荒削り用(粗研磨)

中 目

180〜240番程度 中研ぎ用

仕 上 目

240番以上 仕上研ぎ用(塗装の下地仕上)
超 仕 上 目 400番程度

超(精密)仕上研ぎ用(必要な場合のみ)

※研磨時は、粗目〜中目〜仕上目の順に研磨する。(表の上から下の順に用いる)

手作業での磨き

手作業で、サンドペーパーをかける場合は、サンドペーパーをフラットな面の木片に巻き付けて使用するとフラットに面が出ます。木片の大きさは、手になじむ掴みやすいサイズのものを用意しましょう。

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コグチ、コバも忘れずに磨きましょう。

 

サンドペーパーは、あらかじめ使いやすい大きさにカットされたものや、裏に接着剤がついたタイプ、サンドペーパーをセットして使用する専用工具など様々な商品が市販されています。ホームセンターなど、作業にあったものを選びましょう。

時間とスペースにゆとりを持って行いましょう

サンドペーパーには、木工用、金属用、耐水タイプと様々ありますが、木工用を使用して下さい。
堅めの木材の研磨は時間がかかりますのでゆとりをもって取組みましょう。

ペーパーがけは、かなり埃がたちます。屋外での作業がお勧めです。磨きが済んだら必ず、表面の埃をきれいにふき取ってから塗装にかかりましょう。

木材の特性で、磨いた後しばらく経つと少し毛羽立ちます。メンテナンス用ワックスや塗料でも多少の細かな毛羽立ちは、落ち着きますが、目立つようならサンドぺーパーの番手を上げて(細かい)仕上げましょう。

 

サンドペーパーは、必ず若い番手(粗い番手)から使用するのが原則

仕上げ順に始めは粗目の120~150番程度のサンドペーパーで下研磨をします。材表面に傷やへこみがある場合は、80番の粗目番手から始めるといいでしょう。

次に180~240番程度のもので仕上げます。仕上がりに満足が行かなかったら400番程度の細かい番手で仕上げる必要があるかもしれませんが、一般的には240番で充分かと思います。

マルトクでは、出荷時の材表面は240番のサンドペーパーで磨いています。

研磨時に発生する粉塵対策も必要です。健康の為マスクをご使用下さい。

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電動のハンドサンダー(左)だと作業が早いですが、時間はかかりますがサンドペーパーでも出来ます。当て木にサンドペーパーを巻き付けて使用します。

サンディングの仕方

基本は、板目と同じ方向に研磨します。特に、粗目のサンドペーパーを使用するときは鉄則となります。板目に対し直角に研磨すると材の表面が荒れてしまいますので、必ず板目に沿って研磨してください。

仕上げ用の細かい番手のサンドペーパー(240番以上)ならその心配はありませんので、効率のいい方向で研磨しても大丈夫です。ただし、力は入れずに軽く行ってください。

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電動サンダーのススメ

材表面の研磨~磨きはとても時間のかかる作業です。状態にもよりますが、家庭用のダイニングテーブルでも電動サンダーを使用しても1時間以上かかる場合がありますが、手で行うよりも遥かに早く仕上がります。

無垢・集成材との長い付き合いを考えるなら、電動サンダーのご購入をお勧めします。家庭用なら、ホームセンターなどで「ミニサンダ」「マウスサンダー」「サンダポリッシャ」といった名称で数千円~販売されており、研磨以外にポリッシュ(磨き)作業にも使用できる機種もありますので、よく検討されるといいでしょう。

 

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当て木*(あてぎ):木工用語で、木材を材を傷めないようにあてがう木の意味です。マルトクでは当て木にサンドペーパーを巻き付けてサンディングに使用しています。あらかじめサンドペーパーに接着剤がついたものもありますが、サンドペーパーの裏に両面テープを貼って当て木に固定すると使い易くなります。

当て木のサイズは、手の大きさに合わせて準備しましょう。マルトクでは厚み20㎜~30㎜で、幅、長さは、かまぼこ板程度の大きさです。大きさは、好みです。重要ポイントは、水平面であること。凸凹があると、サンディング時に材表面がフラットに仕上げられません。

 

研磨の参考動画

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(マルトクショップ動画)

作業工程紹介動画 4:40あたり

https://shop.woodworks-marutoku.com/movie/

 

 
 
 
 
 
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リペア1「無塗装材に自然塗料を塗る」

2017年7月31日

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自然塗料なら、道具をそろえなくても手軽に塗装できます。

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2回にわたり、自然塗料の塗装についてお伝えします。

自然な風合いを活かし、材を保護する自然塗料は、手軽に塗れるのでお勧めです。

無塗装で、無垢・集成材お使いの方は、この機会にぜひ塗装にチャレンジしてみませんか?

次回は、第2弾「リペア2 再塗装で材を蘇らせる」をお届けいたします。

 

 

塗装作業の準備

風通しの良い、広い場所で作業を行いましょう。塗装準備から完了するまで数時間要します。完了後も、一昼夜置いて塗料を馴染ませます。作業中は、塗料の飛沫が飛ぶ可能性があるので、周囲を養生してから作業に適した服装で行いましょう。

塗装前に下地を整える

まったく塗装がされていない場合はもちろん、再塗装の場合も事前に塗装面をサンドペーパーで磨く必要があります。(詳しくはリペア編でもご紹介します。

塗装面積にもよりますが、手によるサンドペーパーでの磨きは時間がかかります。半日~1日を要する場合がありますので、時間にゆとりをもって取り掛かってください。

   (準備するもの)

 

  ・耐油性手袋(使い捨て、ラテックス製、ニトリル製など)

  ・布地(ウエスもしくは、白い綿布)けばが立たないものをご使用下さい。

  ・塗料(OSMOcolorやWATOKOオイルなどの自然塗料

  ・バケツ(使用済み用具処理用)


 

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【塗料使用時に必要なもの】左から:耐油性手袋、自然塗料、布地(白っぽい綿布)

 

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塗装前準備

マルトクショップでお買い上げの無垢・集成材は表裏両面を240番(細かい仕上番手)のサンドペーパーで仕上げていますので、新たにサンドペーパーをかける必要はありませんが、けば立ちや、表面がざらっとしているようなら、240 番程度のサンドペーパーで磨きます。

コグチ、コバは、マルトクショップ出荷時に仕上のサンドペーパーはかかっていませんので、塗装前にはぜひ整えておきましょう。けば立ちがあると、塗料がきれいにのりません。

 

塗装の手順 (1枚もの天板の場合)

1) 塗料をよく吸う木口から塗ります。

2) 塗料を足しながら、木目に沿って表面を均一に塗ります。液溜まりが出来ないようできるだけ薄く伸ばします。

オイルを塗ると、木そのものの木目や色が引き立ちます。

3) 1回目の塗装が終わったら、15分〜30分後、テカリが残っているようなら、汚れてない布地で余分な塗料をを拭きとります。

4)1時間程度乾燥させてから、2回目の塗装を行います。塗料は1回目よりもさらに薄く塗ります。

5)1時間程度乾燥させた後に、再度きれいな布地でよく拭きます。

塗料が付着した布などは、放置しておくと自然発火(※1)する恐れがありますので、使い終わったらそのつど水に浸して処分して下さい。

 

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塗装は、布地に塗料を含ませて塗り込みます。液だれ、液溜まりが起きないよう、少量ずつ塗料を使用します。

 

塗装の順番

効率良く、きれいに塗装する為に裏面から表面の順に塗装します。まずは、塗料を吸いやすい木口(コグチ)を先に塗り込みましょう。最後に表面を塗装することで作業がしやすくなります。裏面を塗るのは、ソリ予防の為です。

表面を2度塗りするなら、裏面は1度塗で大丈夫です。通称「裏捨て塗」と言われる最小限の塗装法です。

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塗装の順番:番号順に塗装。コグチ→コバ→裏面→表面の順に塗ります。

自然塗料を塗装をする

塗装は、DIYで行うなら自然塗料がお勧めです。蜜蝋やカルナバロウなど使用する場合でも下地は自然塗料です。
内装材用の自然塗料は「OSMOカラー」や「WATOKO」がポピュラーですが、塗料店、ホームセンターで様々なタイプが市販されていますので一度ご覧になるといいでしょう。併せて、専門家に詳しく塗装の方法を聞くと共に必要な材料や用具を揃えましょう。

 

無塗装で使用していた材への塗装

無塗装でしばらく使用されたテーブル天板なら、使用痕はもちろん、食品油脂や輪染みなどが出来ている場合があります。目立たない薄い染みでも塗装すると際立ってきます。塗装する際は必ず表面を一皮むく感覚でサンドペーパーをかけましょう。

電動工具があれば短時間に作業ができますが、手作業でも時間はかかりますが可能です。塗装は、この様な下処理を行ってからしましょう。下地の良さが仕上がりに反映します。

汚れがある天板のサンドペーパーによる下地磨きは、粗目のサンドペーパーから順に数字の大きな番手のサンドペーパーで仕上げましょう。

 

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サンドペーパー:左から粗い順に80番、120番、180番、240番(仕上磨き用)

 

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サンドペーパーは適当なサイズにカットし、握りやすい大きさの木片に巻き付けて使用するといい

 

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研磨、塗装の参考動画

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(マルトクショップ動画)
https://shop.woodworks-marutoku.com/movie/

 

 

 


 

【塗装時の注意】

・(洗浄液など販売されていますが、薄め液としては使用できませんので注意してください。

※1)自然塗料がついた刷毛や布地は、空気中に放置すると自然発火の恐れがありますので、充分水につけてから処分しましょう。詳しくは、塗料の説明書きをよく読んで安全に作業して下さい。

◎塗料メーカーサイト(Q&A

OSMO

http://osmo-edel.jp/osmocolor/faq/

塗料が付着した布地の「自然発火」等、取扱の注意が詳しく記載されています。
 
 

 

【メンテナンス用クリーナー】 カルナバワックスエマルジョン 0.5L

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再塗装する目安は、塗装面の塗料の色が薄くなってきたり、専用のクリーナーでも汚れが落ちない場合に塗装します。 

カルナバワックスは、水性のメンテナンス用ワックスです。通常の木部のお手入れは水拭きで充分ですが、汚れが目立ってきた際にご使用下さい。

塗装面の汚れを落とし、自然な艶を引き出します。1Lのぬるま湯にカルナバワックスエマルジョンを30~40ml注ぎ、堅く絞った布で拭いて下さい。 【用途】メンテナンス用【成分】水、カルナバワックス、脂肪酸、天然乳化剤

汚れが目立ってきたらワックスを使用して下さい。

【マルトクショップ】

https://shop.woodworks-marutoku.com/products/coating/item/toryo037.php

 

 

マルトクショップの塗装

新規に無垢・集成材をご購入の際は、ぜひマルトクショップの塗装も併せてお申し込み下さい。自然塗料塗装はもちろん、メンテナンスが容易なウレタン塗装も承っています。

リペア2「自分で自然塗料を再塗装する」(再塗装の手順)

https://shop.woodworks-marutoku.com/mokumoku/2017/08/xx.html

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マルトク的「塗装学」その6 ウレタン塗装材のメンテナンス

2017年6月26日

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ウレタン塗装材のメンテナンス

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塗装被膜の存在も気づかないような自然な風合いのウレタン塗装(クリアーツヤ全消し)

 

ウレタン塗装材、日常の手入れは、固絞りの布で拭くだけ

使用環境や使用状況により大きく異なりますが、耐水、耐熱、耐傷、耐汚れに優れているウレタン塗装は、比較的柔らかい樹脂による塗膜を形成していますので、木材との密着性も高く塗膜の浮きやヒビが入りにくい塗装です。

自然塗料塗装に比べ、撥水性に富み汚れも付着しにくい特性があります。ウレタン塗装の樹脂塗膜は、自然塗料塗装のように塗り直しなしで使用できる期間が一般的に長いといわれています。

経年劣化やヒビ、やかんの直置きなど熱による塗膜面の変色が発生した場合は、塗膜を剥がし再塗装をするが必要になります。しかし深い傷やヒビ、熱いものに注意して使用していただければ安心して使える優れた塗装です。

 

汚れたときの掃除法

柔らかい布に希釈した中性洗剤を含ませ固く絞って払拭します。その後、ぬるま湯で固く絞った布で洗剤成分をふき取ります。最後に、乾拭きして水分を除きます。化学ぞうきんは、ウレタン塗装面に影響を与えますので使用しないでください。

 

ウレタン塗装は、溶剤や熱に注意

アルコール、ベンジン、シンナー等の使用は、絶対避けてください。ウレタン被膜を溶解します。熱にも影響を受けますので、熱いやかんや鍋、湯呑みなどの直置きは避けてください。
紫外線等にも樹脂膜が反応し日焼けしますので、ご注意下さい。


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ウレタン塗装材に食品、画材汚れを施し1時間後に除去する実験。(手前は、中華調味料:豆板醤)

 


汚れ落としの実験

ウレタン塗装を施した無垢材の天板に、食品汚れと画材による汚れを除去する実験を行いました。

汚れのジャンル 汚れの素材
 食品汚れ  コーヒー、中華調味料(豆板醤)
 画材汚れ  油性ペン、色鉛筆、墨、水彩絵の具

 

【実験概要】

実験要領:汚れを付着させてから1時後に拭きとり、希釈した中性洗剤を布に含ませて払拭する。

実験材:ウレタンクリア―塗装(ツヤ全消し)無垢板

実験用具用材:中性洗剤(水で希釈したものを用意)、メリヤス生地、ティッシュ、消しゴム、(注1)ベンジン、エタノール、ウレタンスポンジ

実験は、マルトク工場内にて6月上旬から中旬にかけて常温で行いました。

 

実験 ウレタン塗装材の汚れを落とす

 

中性洗剤だけで、一部を除いて汚れの大半は落とせます

ウレタン塗装は、樹脂被膜で覆われているので希釈した中性洗剤で拭きとると油性ペンの汚れ以外は落とせます。


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写真左:ウレタン塗装した無垢材を汚した。写真右:希釈した中性洗剤で汚れの半分(赤点線内)を払拭した。

 


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汚れをティッシュで取り除き、希釈した中性洗剤で数回拭きとると油性ペン以外の汚れは、かなり落ちた。

引き続き払拭すると油性ペン以外の汚れはほとんど落ちた。

コーヒー


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写真左:コーヒーをこぼし1時間後にティッシュで拭き取り、水拭きすると元通りになった(写真右)

油性ペン


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希釈した中性洗剤での汚れ落としには限界があります。数分間払拭した時点でも油性ペン跡が残ります。

 

油性ペンの汚れは、手ごわい

油性ペンの汚れも、しばらく拭き続けると徐々に跡が薄くなりますが、完全に除去できないので他の方法を探りました。


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写真右:ウレタン塗装面の油性ペン跡。写真右:希釈した中性洗剤で拭き取るも簡単には消えません。消しゴムをかけても変化なし。

 

条件付き、禁じ手の除去法

ウレタン塗装は、溶剤に弱い

ウレタン塗装は、樹脂成分の塗装です。ベンジンやアルコール(エタノール)などの溶剤は化学変化の起因となりますので、絶対に使用しないでください。

今回は、実験という事もあり、あえてこれら溶剤を用いてみました。(お願い:真似はしないでください)


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写真左上:ベンジンを用いても結果に変化はありません。写真中:アルコール(エタノール)でもほとんど変化なし。写真右:希釈した中性洗剤を含ませたウレタンスポンジで軽く擦ってみるとあっさり消えました。(実際には細かな傷がつきます)

 

使い込んだツヤ全消しのウレタン塗装材ならば禁じ手も?

どうしても油性ペンの汚れが落ちず気にななるようなら、条件付きですが、前述で使用を控えるように書いたウレタンスポンジを使う方法もあります。

条件は、年季の入ったウレタンツヤ全消し塗装であれば、希釈した中性洗剤を含ませた「ウレタンスポンジ(上写真右)」で、軽くこするとあっけなく油性ペンの汚れが落とせます。

ただし、目視では、よく分かりませんがウレタン塗装面に細かい傷が入ります。(光沢のあるウレタン塗装材には使用しない事。ウレタンツヤ全消し塗装であっても、無傷の材には使用しないでください。塗膜が曇るばかりか、かえってその部分だけが目立ちます。

 

以上 実験終わり

 


 

まとめ

 

ウレタン塗装のメンテナンスは、基本水拭きだけ

表面が被膜で覆われているウレタン塗装は、水拭きだけで日常のメンテナンスは完了します。

しつこい汚れには、希釈した中性洗剤で払拭するだけで、かなり汚れが落とせ(というか、汚れにくい)ウレタン塗装のすばらしさを再認識しました。

 

衝撃と熱がウィークポイント

しかし、衝撃や熱で出来た被膜の変色や変質は、一旦塗装被膜を剥がさないと修復が出来ません。日常は、できるだけ丁寧に取り扱うことが求められます。
ウレタン塗装は、被膜が中の木材を保護していますので、被膜のみの傷なら木材内部に水分等の浸透が発生しないので、多少の傷は見過ごしても大丈夫ですが、木材に達する傷は早急な対応が必要です。

細かい傷であれば、ウレタン塗装用のタッチアップ(塗料)を筆で塗る方法もありますが、修復部位が目立ちますので技量が求められます。必要な場合は、塗料を扱っている店でご確認下さい。塗り直しは、DIYでは難しい作業ですのでプロにご相談ください。

 

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(注1)ベンジン、エタノール、ウレタンスポンジ:これらの溶剤や研磨スポンジは、メンテナンスには相応しくありません。材を痛めますので使用しないで下さい。今回、実験を前提に使用してその有用性と無効性をお伝えするため特別に使用しました。あしからずご了承願います。

 

マルトク的「塗装学」メンテナンス

マルトク的「塗装学」その5 自然塗料塗装材のメンテナンス

2017年6月15日

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自然塗料塗装材のメンテナンス法

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自然塗料塗装材の汚れ落とし実験をしました。

実験用に無垢のビーチ材を用意し、左半分に自然塗料塗装を施し、右半分は無塗装のままで、食品や画材などの汚れをつけたものをきれいにする内容です。

材の左半分に自然塗料を塗装した材で汚れ等の実験を実施

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実験対象材:左半分を自然塗料(クリアー)を塗装したビーチ材、右半分は無塗装の材を用意して実験をしました。

 


 

汚れ落としの実験

無垢材の半分だけ、自然塗料を塗装し、無塗装面での汚れの落ち具合いも比較観察できるようにしました。

今回、汚れの素材に選んだの以下の通りです。手垢は、水拭きと希釈した中性洗剤で落とせるのであえて検証は行いませんでした。

 

汚れのジャンル 汚れの素材
   食品汚れ

 コーヒーしょうゆ、ケチャップ、中華調味料(豆板醤)

   画材汚れ

 水彩絵の具、色鉛筆、墨、油性ペン

 

【実験概要】


実験要領:いずれも、汚れを付着させてから1時後に汚れを拭きとり、希釈した中性洗剤(注参照)を布に含ませて払拭する。

実験用具用材:中性洗剤(水で希釈したものを用意)、メリヤス生地、ティッシュ

実験は、マルトク工場内にて6月上旬から中旬にかけて常温で行いました。

 

実験    汚れを落とす

(試験材の左半分を自然塗料塗装を施しています。)

[食品汚れ]

コーヒー

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写真左:コーヒーをこぼして1時間放置。写真中:無塗装面にかなり拡がったコーヒー跡を、水拭き後希釈した中性洗剤で汚れを払拭した状態。自然塗料塗装を施した材の左側は、かなり汚れがとれましたが、無塗装部分は、染みが残りました。

 

しょうゆ

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写真左から:しょうゆは、拭き始めは跡が残りますが水拭きした後に希釈中性洗剤で拭くと徐々に跡が分からなくなりました。

ケチャップ

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写真左:ケチャップを対象材の上にこぼす。写真中:1時関すると無塗装面で目立って水分が拡がった。写真左:希釈した中性洗剤で払拭するとほぼきれいになった。よく見ると無塗装面側では、うっすら色素が残った。

 

豆板醤(とうばんじゃん:中華料理調味料、油と唐辛子等配合)

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写真左:中華料理の調味料「豆板醤」をこぼし1時間放置。写真中:汚れをすくい取った。油分は1時間程度ではほとんど染込み確認はできませんでした。唐辛子の色素沈着は若干残りました。写真右:希釈した中性洗剤を含ませた布でふき取った。洗剤だけで汚れが落ちない場合は、サンドペーパーでの研磨が必要です。

 

[画材汚れ]

水彩絵の具、色鉛筆

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写真左:上から水彩絵の具(ビリジアン色)、色鉛筆(赤色)で汚し、1時間放置。写真中:水拭き後、希釈した中性洗剤で拭きとる。左半分の自然塗料塗装部分は水彩絵の具がまず最初に落ち、更に払拭すると色鉛筆も消え始めた。当初より目立たなくなった。(写真右)

 

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写真左:墨で材を汚す。写真中:水拭き後、中性洗剤で固く絞った布地で拭く。写真右:拡がった汚れをティッシュ等で拭き取りながら希釈洗剤でふき取る。無塗装部分は、墨の色素が沈着した。

 

 墨は、昔から表札などで使用されており定着の良い成分です。今回も実験で無塗装部分の墨汚れが、ほぼ残りました。しかし自然塗料塗装が施された左半分は、墨の成分は材に吸収されず希釈中性洗剤でかなり落とせました。

実験では、円を描くように払拭したので、無塗装部分では汚れが拡がってしまいました。余分な水分や汚れは随時ティッシュペーパーなどで除去しながら拭くといいでしょう。最終的に、拡がった墨汚れ部はそれなりに汚れが落とせました。

墨汚れの除去のコツは、汚れた部分のみ集中的に払拭し、汚れていない部分に拡げない事がコツのようです。

 

油性ペン

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写真左:油性ペン跡は、材左半分の自然塗料塗装部分は、中性洗剤で1分程拭くと写真右のように若干薄くなります。続けるとインク跡は薄くなりますが同時に塗装面の塗装色も若干薄くなります(写真右)。

油性ペンのインク跡の除去には限界があります

力を入れるよりも、汚れが付着していない布面で汚れを布地に移す気持ちで拭き取ります。余分な水分はティッシュなどで随時拭き取りながら、汚れが拡がらないようにします。

跡が消えない場合は、塗装面ごと削るサンドペーパーでの研磨が必要です。

自然塗装の場合は、 水、中性洗剤で固く絞った布地で拭きます。完全には消すことが出来ませんがかなり薄くなります。油性ペン跡はインクの浸透性も高く中性洗剤では汚れ落ちに限界がありました。

 

禁じ手の溶剤を使ってみました。※材が傷むのでご使用しないで下さい。

実験なので、禁じられているベンジン、アルコールを用いた実験も行いました。無塗装の材を用いて、油性ペン跡の汚れを除去できるか試してみました。(あくまでも、これらの溶剤を用いても木地を痛めるだけで汚れが除去できない事をお伝えするためにあえて実験しました)

 

ベンジンやアルコールでも油性ペン跡は消えない 

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写真左:ベンジンで油性ペンを用いて無塗装材に直接落書きをしたを拭いてみましたが、瞬時に揮発し溶解もせずほとんど変化しませんでした。(無塗装材にて実験)写真右:アルコール(無水エタノール)を吹きつけると、滲みはしたものの消すことは出来ませんでした。(無塗装材にて実験)

 

以上 実験終わり


 

手垢汚れ

手垢が目立つようなら、希釈した中性洗剤で堅く絞った布で払拭してください。拭いた後は、乾拭きして水気が残らないようにしましょう。くれぐれも、ベンジンやエタノール(アルコールもしくは、エタノール配合のウエットティッシュ等)の使用は避けてください。

 

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自然塗料塗装材のメンテナンスまとめ

 

自然塗料の塗装を施した材のメンテナンスの容易さも素晴らしいものでした。


ただし、自然塗料の効用を維持するためには定期的に専用ワックスや自然塗料の塗布が必要ですが、そういった手間を惜しまない方には、お勧めの塗装方法です。

今回、汚れを除去する実験のなかで水だけで落とせないものか試してみましたが、材の片面だけに水分が吸収され若干ですがソリが発生しました。汚れを除去する際は、汚れをすくい取れる場合は下敷き様のものですくい取り軽く水拭きした後、希釈した中性洗剤で汚れを落とすのが最も効率が良かったです。

自然塗料塗装面の汚れを払拭すると、その強度によって若干塗装が薄くなる場合があります。汚れの度合いよっては、サンドペーパーがけをして自然塗料塗装をしたほうが良い場合もあります。ご使用の度合いによってご判断下さい。

 

メンテナンス用、自然塗料専用ワックス(カルナバワックスエマルジョン)

水性のメンテナンス用ワックスです。通常の木部のお手入れは水拭きで充分ですが、汚れが目立ってきた際、お試し下さい。塗装面の汚れを落とし、自然な艶を引き出します。(マルトクショップで取扱っています)
https://shop.woodworks-marutoku.com/products/coating/item/toryo037.php

 

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自然塗料を塗装しておけば、メンテナンスが容易です。(写真は、半分だけ自然塗料クリアーを塗装した実験検証後の無垢材です)

自然塗料を塗装していない部分のみ汚れが残っている。

 

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無塗装について

無塗装材は、一旦汚れや染みが発生すると、払拭だけでは取れなくなります。染みの除去はサンドペーパーがけが必要です。そういった状態を避けるため、材の保護。末長く木肌の味わいを楽しむために自然塗料(クリアー)がお勧めです。

現在、無塗装でご使用の方はこの機会に自然塗料塗装をご検討されてみてはいかがでしょう。DIYでできます。

 

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ご購入後、末長く満足していただける為にお役に立てればと思っています。
ご意見や、アイデア、すご技など教えていただけると嬉しく思います。
 
 
続編「ウレタン塗装材の日常メンテナンス」を予定しています。
 

 

▼マルトク的「塗装学」その6 ウレタン塗装材のメンテナンス▼
https://shop.woodworks-marutoku.com/mokumoku/2017/06/5-2.html

マルトク的「塗装学」その3 塗装の注文ポイント

2017年6月14日

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塗装発注の注意

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用途や目的に相応しい塗装

マルトクでお受けできる「塗装」は、「ウレタン塗装」と「自然塗料塗装」の2種です。ダイニングテーブルや汚れが発生する用途なら表面に塗装被膜を形成する「ウレタン塗装」がメンテナンスも容易で輪ジミや汚れの対策になりますし、台拭きも楽です。

自然塗料は、材の表面に被膜を形成しませんが水をこぼしてもすぐに拭きとれば問題はありません。自然塗料が材の中に染み込んでいるので木の風合いや肌触りはそのままです。天然木を五感で味わうなら自然塗料がお勧めです。

 

塗装は、下地処理も忘れずに発注して下さい。

塗装の仕上がりの善し悪しは、下地処理が大切です。指定サイズにカットしただけの材の角は鋭くなっており、角が鋭利だと塗料が馴染みません。角の鋭利な部分を処理することで使用時も安全で、塗装もきれいに仕上がります。マルトクショップでの塗装を注文する際には、忘れずに「面取り加工」項目のチェックを忘れずに選択してください。

面取り加工は、ご意向がなければ「糸面+磨き」を指定する

塗装下地処理の為に面取り加工は必須です。特に面取り加工の希望がなければ「糸面+磨き」を選択してください。ご希望の面取り加工があれば、何れかを選択すれば塗装が可能です。その他の面取加工は下記をご参考下さい。いずれの面取り加工で塗装はできます。

(マルトクショップ:面取加工参考形状について

https://shop.woodworks-marutoku.com/shared/data/pop/POP3.html

マルトクショップ 面取り加工一覧

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面取加工参考形状(材の断面図)塗装にはいずれかの材の角加工が必要です。分からない場合は、面取加工の指示を「糸面+磨き」を選択してください。

 

 ウレタン塗装について(クリアー、カラー)

  • ウレタンクリアー塗装:文字通り透明のウレタン塗装です。ツヤ全消し仕上げです。塗装後の色は、水拭きした後のような少し濃い濡れ色となります。
  •  ウレタンカラー:ウレタン塗装の半透明カラー仕上げです。ご注文の際、色見本になる参考資料(URLでも可)が必要ですが繊細な指定通りには仕上がりません。

マルトクショップのウレタン塗装と自然塗料の比較

  ウレタン塗装                              自然塗料塗装                                  
塗装法

樹脂膜で木全体を吹付塗装

(材の水分量をほぼ一定に保持する)

木に塗料を手塗りで浸透させる

(木が呼吸するので、湿度変化する)

撥水性

水を弾く(輪ジミ出来にくい)

水拭きだけで汚れがとれやすい。

染みが出来る可能性がある。

(汚れたらすぐに拭きとる事が必要)

耐久性

 

劣化がゆるやか

経年で色が褪せる
光沢

光沢ナシ(ツヤ全消し)

自然な風合い
 メンテナンス 

補修は専門家に委ねる

家庭でもできる

コスト

自然塗料と変わらない

ウレタン塗装と変わらない
匂い ほぼ無臭

木の香りと、自然塗料の香りがする。

(経年変化する。)

使いやすさ

 

拭きとりが容易

汚れたらすぐに除去する
表面硬度

固い

木地のまま

 

マルトクショップでの「塗装」は、すべて両面塗装です。

両面塗装の記述がない場合でも、塗装はすべて表裏両面塗装を施します。「裏捨て塗り」を選択された場合も両面塗装とし、裏面のみ「捨て塗り」と称す工程の少ない塗装を行うもので、両面塗りよりも若干費用が安くなっております。

マルトクショップの塗装一覧

マルトクショップでは、下表の塗装を選択できます。

マルトクの塗装指定 内容
なし 一切塗装を施さない(料金は発生しない)
ウレタンクリアー両面(ツヤ全消し) ツヤ消しのウレタン塗料を表裏両面に塗装する

ウレタンクリアー裏捨て塗り

(ツヤ全消し)

ツヤ消しのウレタン塗料を表裏両面に塗装。裏面は省工程の塗装
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自然塗料クリアー両面 自然塗料の透明色を表裏両面に塗装する(木地色が少し濃くなる)
自然塗料クリアー裏捨て塗り 自然塗料の透明色を表裏両面に塗装する(裏面は省工程の塗装、木地色が濃くなる)

自然塗料カラー

(ダークブラウン)両面

自然塗料のダークブラウン色を表裏両面に塗装する。(半透明色)

自然塗料カラー

(ダークブラウン)裏捨て塗り

自然塗料のダークブラウン色を表裏両面に塗装する。(半透明色)

自然塗料カラー

(ミディアムブラウン)両面

自然塗料のミディアムブラウン色を表裏両面に塗装し、裏面は軽度の塗装をする(半透明色)

自然塗料カラー

(ミディアムブラウン)裏捨て塗り

自然塗料のミディアムブラウン色を表裏両面に塗装し、裏面は軽度の塗装をする(半透明色

塗装依頼時は、必ず面取が必須です。(最低でも面取加工の「糸面+磨き」を指定してください)

 

裏捨て塗り

「捨て塗り」は、材の湿度の均衡を保つ為に塗るもので、ソリの対策にもなっております。(反らない訳ではありません)表面の塗装を希望の場合は「両面」もしくは「裏捨て塗り」の何れかの選択となります。

塗装のご注文をいただきますと、自動的にコグチ、コバも塗装いたします。

 


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塗装は裏表両面、コグチ、コバも塗装することで材を守ります。

塗装の費用

マルトクショップでの塗装料金は、以下の通りです。(価格は変わる事があります)

・ウレタン塗装、自然塗料の塗装料は:塗装面積1㎡あたり5,000円です。

(裏捨て塗りの場合は、自然塗料、ウレタン塗装のいずれも若干安くなります。)

 

(例)無垢タモ材を例にテーブル天板を塗装すると以下のようになります。(2017年4月時点の参考価格)

     項目      内容 サイズ 料金
材料費 無垢タモ

厚さ30×幅800×長さ1,400㎜

37,380
加工料 面取加工

ABCD面 それぞれ「糸面+磨き」

1,330
塗装料 自然塗料クリアー両面

(表面と裏面 、コグチ、コバの総表面積)×1㎡あたり5,000円

12,710
      合計 51,420

樹種にふさわしい塗装を選ぶ

クリアータイプの塗装でも、材に塗料が染み込むことで樹表面は色が濃くなります。ちょうど水拭きしたようなイメージです。樹種によって塗装後の色の変化は様々です。特に色が付いた塗料を塗るとなおさらです。例えば、ウォールナットやブラックチェリーなどにダークブラウンの塗装を行うと、せっかくの材の雰囲気が封じ込められます。そういった変化を逆に使う方法もありますが、カラー塗装の場合は注意が必要です。

 

天然材の寿命はメンテナンス次第

塗装面の劣化は、ご家庭でもメンテナンスの出来る自然塗料を選択するのも懸命です。

天然木も長く使用していると表面が経年劣化します。日焼けや汚れ、傷など免れません。ウレタン塗装は比較的寿命が長いと言われていますが、一旦ダメージを受けると専門家でしか修復できませんが、自然塗料ならご家庭で容易に塗装することができます。ホームセンターやDIY用具のお店で販売されている自然塗料と布地があれば塗装できます。
 

天然木は、サンドペーパーで磨けば新たな材が露出し真新しくなります。無垢材や集成材は手入れさえすれば長年使用できる優れた材なのです。次回のもくもく通信で、メンテナンス法を紹介いたします。

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※ご覧のブログに使用しています画像は、ご覧のモニターにより色味が変わる場合がございます。あしからずご了承の程よろしくお願いいたします。

***

次回は、引き続き「塗装」続編として、メンテナンス法を予定しています。

 

 

▼マルトク的「塗装学」その4 無垢・集成材の寿命はメンテナンス次第▼

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マルトク店長からのご挨拶


中島弘樹

マルトクショップは、木材(無垢材・集成材・積層材)のフリーカット販売・床材(フローリング材)の通販専門店です。
無垢材・集成材をお好みの寸法にカット、木材のサンプルを送料無料でお届け、施主支給など、お客様のニーズにあわせたプランをご用意しています。