2017年6月15日
~無垢・集成材の寿命は手入れ次第~
木材は、使い始めた日から味わいが滲にじみ出る
木材は、究極のエコ素材です。太古から普遍的に使われており、年月を経ても朽ちずに生き続けています。
神社仏閣などの木造建造物などその多くが世紀を超えて現存していることからその耐久性は推し量ることが出来ます。
無垢・集成材は、少々劣化しても、手入れをすれば蘇り多少の歪みや反りが発生しても使い続けることができます。
状態によっては、治す事も可能です。
自然の木肌がそのまま活きる自然塗料塗装表面(ウォールナット)。硬く絞った布で拭いてきれいに保てます。
金属より木材の方が強い?
木材は、扱い方によっては耐用年数が伸びる反面、処理をした金属に比べ湿度や日照(ヤケ)など自然環境の影響を受けやすいのも事実です。使用に伴う汚れ、擦れ、削れ、へこみなどが発生しやすい繊細な素材でもあります。しかし、メンテナンスをすれば、末長く気持ちよく無垢・集成材を使用していただけます。今回から3回に渡って、マルトク的塗装学の「メンテナンス」についてお伝えします。
木材は生きています
木材は、染みや汚れといった人為的な劣化だけでなく、腐朽菌や害虫、カビにも用心が必要です。その為には塗装がなによりの予防になります。おそらくマルトクのお客様の多くの方は、自然塗料もしくはウレタン塗装を施されている方が多いと思いますが、塗装せずにご使用なら、使用中でも材表面の処理(ペーパーによる研磨等)を施して塗装できるのでご安心下さい。
無垢・集成材は、染み、ヤケ、変色、傷などで状態が悪くなれば、表面を磨くと新しい木肌が出てきます。(サンドペーパーで磨く)
メンテナンス次第で末永く使用できる天然木材
使用し始めたその日から劣化が始まるプリント合板や化粧合板と比べ、使い込めば使い込むほど味わいが深まるのが無垢・集成材の魅力です。
手間がかかる事は、裏返せば愛着がわくものです。程よく手入れされた材の味わいは暮らし質を高めてくれます。無垢。集成材など天然木材の魅力をメンテナンスで、末長くお楽しみ下さい。
木材は、経年変化(劣化)で色が変わる
樹種により多少の差はありますが、経年による色の変化が発生します。色が濃くなる樹種や、逆に色が薄くなる樹種もあります。
人も紫外線で日焼けするように、木材も日焼けしやすい樹種や、逆に経年変化で色が薄くなる樹種などあります。
こういった変化も、自然素材ならではの深みです。経年変化をぜひお楽しみ下さい。
経年変化しやすい樹種:メープル、クリ、オーク、チェリー、パイン、ウォールナット、アッシュ、チーク等
塗装の種類に関係なく、水拭きが基本です
日常の手入れは、水で固く絞った布地で拭くだけです。
汚れが目立ったら、希釈した中性洗剤で固く絞った布地を用いて汚れを落とします。しつこい汚れに対しては、ぬるま湯を用いましょう。中性洗剤で払拭した場合は、必ず柔らかい布で洗剤成分を拭き取っとおきます。
日常は、水で固く絞った雑巾で拭くだけできれいに保てます。(自然塗料塗装のウォルナット材)
食品・調味料、飲料、画材などの汚れは、すぐに拭きとれば、汚れがきれいに除く事ができます。汚れたまま放置すると染みになりますので、汚れたら早めの処理が大切です。
木材は、湿度にとても影響を受けますので換気のよくない場所や、湿気のある場所でご使用なら換気しましょう。換気しにくい場合は、扇風機等で緩い風を当てて換気をしましょう。
自然塗料塗装材は、塗装表面が汚れたらクリーナーを用いたメンテナンスが有益です。水拭きだけで落ちなかった汚れには専用クリーナーで払拭しておくと安心です。
メンテナンス用クリーナー剤は、塗料メーカーから販売されています。OSMOカラーの「オスモワックスアンドクリーナー」や、WATCOの「ワトコワックス」など市販されています。
一般的な「住まい洗剤」などは自然塗装の木材には不適切です。使用しないでください。
各塗料メーカーから販売されている専用のクリーナーで補修ができます。マルトクショップでは、OSMOカラーを使用していますので「osmo color ワックスクリーナー 」が最適です。
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無塗装について
無塗装材は、一旦汚れや染みが出来るとかなりサンドペーパーをかけないと元には戻りません。僅かな染みがやがて目立つ染みになってきます。材の保護の意味でも末長く、木肌の味わいをほぼそのまま楽しめる自然塗料(クリアー)がお勧めです。
現在、無塗装でご使用の方はこの機会に自然塗料塗装をご検討されてみてはいかがでしょう。
中性洗剤について
木肌への影響を最低限に抑える為に、中性洗剤の利用を紹介しています。
中性洗剤には、洗濯用やシャンプーなどの種類がありますがキッチン用の中性洗剤をご使用下さい。
希釈割合は、洗剤の使用説明をご参考下さい。
アルカリ性の洗剤の使用は禁止!
住宅用洗剤や液体石鹸、キッチン洗剤の多くは弱アルカリ性のものが多く出回っていますので、必ず「中性」の洗剤をご使用下さい。
洗濯用石鹸の中には漂白剤などが含有しておりますので、必要最小限の成分のもがベストです。
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