2011年7月20日
家具材として圧倒的な人気を誇るブラックウォールナット。チョコレート色の濃淡に複雑なグラデーションが最大の魅力です。言葉が不要なほどに貼り上がりには風格と高級感が漂います。
クルミ科で決して硬くはないが、サラリとした質感は手からも品の良さが伝わってきます。心材部と辺材部では結構な色の差はあるものの、全体的に眺めると落ち着くから不思議です。
この材ほど植物性油との相性のいいものはありません。塗料が浸透することによって、時間の経過に合わせ茶、こげ茶、黒とそれぞれの色合いが深みを帯びて美しさに磨きをかけています。
チーク、マホガニーと並んで世界三大銘木とも称されていて、年代を問わず幅広い層からの支持を集めています。
原産地の北米ではその感触と美しさから、西部の開拓時代の昔から銃床に使われていました。
その美しさを欲するあまり、鉄を打ち込むと色が濃く美しさが増すという迷信から、釘や銃が打ち込まれていることもあり、製材時に刃物を傷めることもあるが、そのエピソードもこの木にふさわしいものです。
時に大きな節も取り込みますが、一般的にはデメリットと思われる癖も「唯一の個性」に生まれ変わります。
2011年7月 6日
ネジの締め付けなどの基本工具は、やはりドライバーなのですが、小型のカラーボックスなどを制作する場合でさえ、いちいち人力でやっていては大変で作業効率もグンと落ちます。
そこで重宝するのが、「電動ドリルドライバー」です。
「電動ドリルドライバー」はドリル機能とドライバー機能の2つを併せ持っていて、先端のビットを変えることによって、穴あけ作業とネジの締め付け作業の両方が行えます。
これに対して、ドリル機能だけのものを「電動ドリル」、ドライバー機能だけのものを「電動ドライバー」と呼びます。
どれも形状がよく似ているので、ホームセンターなどで購入する場合は注意が必要です。
「電動ドリルドライバー」の大きな特徴は、クラッチが内蔵されており、指定トルクに達するとビットが空回りするようになっていることです。これはネジなどを締め付けていて、あらかじめ指定した力(トルク)以上になると、クラッチが切り離されてドライバーが空回りするようになるということです。
これにより、締め込み過ぎでネジ山を痛めたりすることを防いでくれます。
「電動ドリルドライバー」は、あらゆるシーンに幅広く使えるマルチな工具ですので、これから日曜大工を始めたいと思っている方などには、最初におススメする電動工具といえます。
2011年7月 4日
ミズキ科ミズキ属の落葉樹で、20m程の高さに成長します。
鹿の角状に分かれた枝ぶりが特徴。
同じミズキ科の仲間としては、クマノミズキや庭木として人気のあるハナミズキ、ヤマボウシ、サンゴミズキ、サンシュウなどがあります。
ミズキの名前の由来は、樹皮を傷つけたり、枝を折ったりすると多量の水が滴り落ちるという特性からきています。
ミズキの木は、冬を過ぎて日が延びるにつれ、樹皮の吸い上げはなはだしくなるため、こういう現象がおきます。
こうした現象は、カエデ類などにも共通してみられるが(メープルシロップ)、カエデ類には樹皮中に相当の糖分が含まれているのに対して、ミズキでは糖分の含有はきわめて少ない。
花は白色の小花だが、扇状に咲くと一面が白くなるほどです。秋には赤い果実が熟して、野鳥やヒヨドリが集まり、種子を遠くまで運んでくれる。英名の「dogwood(ドッグウッド)」は、この樹皮を煎じた煮汁を使って犬を洗うと皮膚病が治るという話にちなんでいるみたいです。
日本では、材面が白く美しいことから、ろくろ細工や寄木細工、象眼や椀物、白箸などにも利用されています。
また、材の白さから、アイヌ民族ではこの木で特別に神に敬意を表するときの語弊(神への捧げもの)を作った。これは天国では銀に相当するもののようです。
ミズキの材そのものは肌目が精で、木理は通っています。やや硬め。あまり大きな材が取れないことと耐朽性が高くないことから建築用材としては不
向きとされているが、心材と辺材の色の差がほとんどなく、しっかり乾燥させてから使えば家具材としては有用です。
2011年6月17日
どんな方でもドライバーを使用した経験があるのではないでしょうか。
ドライバーは最も一般的な工具で木ネジなどの締め付けや取り外しに使用します。
一口にドライバーといっても色々な種類がありますが,大きく分けると+(プラス)と-(マイナス)の2つに分けられます。
どちらにもサイズ(番手)があり,使用するドライバーのサイズ選びを間違うとネジ山をなめてしまう事になります。ネジ山をなめてしまった時の絶望感といら立ちといったら,経験した人でなければ分かりませんよね(笑)。
ドライバーのような簡単な工具にも使用方法にコツがあります。
それは「垂直にあてて押しながら回す」です。ネジ山は斜めに溝を切ってあるため,構造上なめやすくなっています。
まずは,ネジに対して垂直にドライバーをしっかりとあてましょう。この時にドライバーのサイズがネジと合っているかを確認します。プラスドライバーでいえば,よく使われるサイズはNo.1~3くらいだと思います。
そして,「押しながら回す」のです。この「押しながら」というのがネジ山をなめない最大のコツになります。
押す力と回す力の配分は「押し7:回し3」と言われるくらい,押しが重要になります。
錆びついたり硬いネジを外そうとする場合は,「押し8:回し2」と押す動作にかける力を大きくしていきます。
これを意識すればもうネジ山をなめることは無くなるでしょう。
2011年6月14日
一般的にはオークとひとくくりにされて市場で流通されることが多いですが、国産の水楢の他に、ロシアからも大量にオークが輸入されています。
また馴染みは薄いものの、北米やヨーロッパではホワイトオークやレッドオークも人気があります。
ホワイトオークは、ウイスキー樽として有名ですが、これは導管の中にチロースという成分を含んでいるため、非透水性が高く耐久性に優れている特性によるものです。ナラに比べるととても重たく乾燥も難しいですが、重厚な雰囲気はナラを超えます。
乾燥中のねじれや割れの発生率も高く、歩留まりも決して高いとはいえず扱いにくい木だといえますが、階段板や棚板など荷重を受ける用途に使用すると力を発揮します。
また、レッドオークは、その名前通り色合いが赤味を帯びていることに由来します。他のオークに比べると乾燥も容易で、反りやねじれの発生も比較的少なく、もともと赤味が強いため生地の色調を生かすクリアー塗装が多い昨今の傾向の中で避けられがちですが、加工性や着色性も良く、虫の被害もオークの仲間の中では少ない方です。
ホワイトオークに比べて導管が大きく通っているので、樽などには適していません。赤味の強い床材を求める方は少ないので、主に内装材や家具に使用されています。
同じオークでもその特徴によって用途は適材適所です。