2011年7月20日
家具材として圧倒的な人気を誇るブラックウォールナット。チョコレート色の濃淡に複雑なグラデーションが最大の魅力です。言葉が不要なほどに貼り上がりには風格と高級感が漂います。
クルミ科で決して硬くはないが、サラリとした質感は手からも品の良さが伝わってきます。心材部と辺材部では結構な色の差はあるものの、全体的に眺めると落ち着くから不思議です。
この材ほど植物性油との相性のいいものはありません。塗料が浸透することによって、時間の経過に合わせ茶、こげ茶、黒とそれぞれの色合いが深みを帯びて美しさに磨きをかけています。
チーク、マホガニーと並んで世界三大銘木とも称されていて、年代を問わず幅広い層からの支持を集めています。
原産地の北米ではその感触と美しさから、西部の開拓時代の昔から銃床に使われていました。
その美しさを欲するあまり、鉄を打ち込むと色が濃く美しさが増すという迷信から、釘や銃が打ち込まれていることもあり、製材時に刃物を傷めることもあるが、そのエピソードもこの木にふさわしいものです。
時に大きな節も取り込みますが、一般的にはデメリットと思われる癖も「唯一の個性」に生まれ変わります。