2023年7月20日
マルトクショップ ではただ木材をカットして販売するだけでなく、お客様の手持ちの工具や技術に応じて様々な加工も同時にオーダーできる仕組みになっています。今回の更新では、マルトクショップ の加工と市販の脚を駆使してダイニングテーブルを作る方法をご紹介したいと思います。
目次
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マルトクショップ の「木材を使った素敵な作品」コーナーには毎日素敵な作品をご投稿いただいていますが、その中でも常に一番投稿数が多いのがテーブル・机のカテゴリー。居間の顔であるダイニングテーブルはもちろん、リモートワークの普及によってPCデスクの作品投稿も急速に増えました。生活に無くてはならないテーブルですが、既製品の脚を使用すれば意外と少ない工程でDIYすることができます。
これまでマルトクのもくもく通信やyoutubeでは、お客様の手で鬼目ナットを入れて作るDIYの方法をご紹介してきました。でも実際のところ、木工にはつきものの大きな作業音や作業スペースの問題でそうしたDIYが難しい方も。今回はそんな自宅での木工作業が難しい方向けに、市販の脚を使用して「自宅に届いたらボルトで組み立てるだけ」の状態までの加工オーダーをする方法について詳しくご紹介したいと思います。
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届いた木材をすぐにテーブルとして使えるようにオーダーするには、以下のステップがあります。
1、脚を選ぶ 2、完成図をラフに設計する 3、オーダーする 樹種/面取り/コーナー加工/塗装/反りどめ/鬼目ナット
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その後の設計図を描く際に脚のサイズは必須なので、まずはテーブルに取り付ける脚を先に決めた方が作業はスムーズです。昨今のDIY人気の影響もあって、一昔前はそんなにバリエーションの無かった一般DIYユーザー向けの既製品のテーブル脚も、ぐんと商品数が増えました。脚まで木製のテーブルを製作しようと思うとテーブルDIYの難易度はぐっと上がってしまうのですが、こうした脚を利用することで天板の加工だけでテーブルとして使用することができます。
マルトクショップ でもこうしたDIY用の脚を販売させていただいています。マルトクショップ で脚と天板を両方ご購入いただくと、こちらでサイズを把握しているためその後の加工を指定する際に細かい数字をほとんど指定しなくてすむのでより確実に失敗を防ぐことができるメリットがあります。
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他の人の作品を見る:「テーブル」の作品写真一覧
脚が決まって、サイズ等を確認できたらどんなテーブルにしたいのかを紙に書き出して行きます。綺麗な設計図にする必要は無いですが、上記のイラストのように「サイズ」と「脚の取り付け位置」の2点についてはきちんと数字を拾っておきましょう。
テーブルのサイズを考える時に、天板の厚みはどれくらいが良いのでしょうか。マルトクショップ ではお客様からご相談があった場合、一般的なダイニングテーブルやデスクで言えば、反りどめの取り付けが可能で強度や金物とのバランスが良い25〜30mm程度をお勧めしています。
天板が20mm以下の場合、木材が反りやすくなるにも関わらず、固定に短いビスしか使用できなくなり強度面で弱くなりやすくなるので大きなテーブルには向きません。(厚さ20mmであれば奥行きは〜500mm、長辺は〜1000mm程度が限界)そして一般的な反りどめ金物も使用できないので、幅方向に補強ができるタイプの脚など代替えになる何らかの対策を考える必要があります。
35mm以上の分厚い天板になってくると、天板自体の強度や安定性はありますが天板自体がかなり重たくなります。取り扱いが難しくなるのはもちろん、テーブル脚自体の耐荷重量が非常に重要になります。脚の強度や使用する金物をきちんと考慮しないとぐらつきが出やすく危険です。
テーブルのサイズ選びに関しては、今ある家具をベースに考えるか、実際に家具屋さん等に行って実物を見るのが一番早い方法かと思います。一般的なダイニングテーブルで言えば、だいたい1200mm〜1300mm程度の横幅があればダイニングチェアーが余裕を持って2脚置けます。立ったり座ったり、人の動く余白も必要なので余裕を持って設計するようにしましょう。
また、大きめのテーブルを作る場合に心配になる天板の「たわみ・たるみ」。お勧めしている25〜30mm程度の木材を使用した天板の場合、物理的にたわみが出てくるのは2000mm前後。テーブル脚の間隔が1800mm以上になってしまう場合には、中間脚をお勧めします。
細かい部分が決まったら、いよいよオーダーして行きます。オーダーしたい樹種の商品ページを開きましょう。樹種選びにお悩みの場合は、ぜひ下記ページもご参照ください。
1 サイズ入力する(必須)
お好みの樹種が決まったら、まずはSTEP2で考えたサイズを入力します。ここでは家具ではなく天板のサイズを入力するので、厚さ・幅(奥行き)・長さでサイズを入力します。長さの部分が木材の一番の長辺になるようにサイズを入力しましょう。表記するサイズはミリ単位ですのでお間違いなく。
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2 面取り加工の指定(必須)
サイズ入力の次は面取りを指定しましょう。面取りを指定しない場合、木材の表と裏は塗装してすぐ使える状態まで研磨されて届きますが木口・木端はカットしたそのままの状態(研磨は特にせずノコ目等も残っている状態)で届きます。切りっぱなしのカット面はささくれ等もありそのまま使用できる状態ではないので、フレームにはめ込むようなタイプの脚を使う場合を除いて、テーブル天板の面取りは必須の加工であると言えます。
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3 コーナー加工の指定
左:斜めカット/右:コーナーR
面取り加工よりも必須度は高くないですが、テーブル天板にお勧めしたいのがコーナー加工です。面取り加工は木材を四角形と考えた時の「辺」の部分に施す加工ですので、天板の角部分には特に加工をしません。そのままでももちろんお使いいただけるのですが、直角90度の尖った角に体をぶつけると痛くて危険ですので、小さなお子様がいらっしゃるような方の場合には強めにおすすめしたい加工となっています。コーナー加工はR加工と斜めカットがありますので、お好みの方に指定を入れてください。
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4 塗装の指定
自然塗料のカラー比較サンプル
木材に塗装をすることで、木材を汚れやダメージから守ると同時に、木材の水分バランスを整え反りにくくする効果があります。せっかくの家具を長く快適に使うためには、デザイン上の特別な理由等がない限り塗装をすることをお勧めします。マルトクショップ では水や汚れに強いウレタン塗装と、メンテナンスしやすく木の手触りを楽しめる自然塗料での塗装をオーダー可能です。
自然塗料はDIYでの塗装も比較的簡単にできますので、コストパフォーマンスを重視する場合は塗装を自分でして行ってみるのもお勧めです。
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5 反り止め加工の指定
反り留め加工を施した無垢材の天板
反り止めは木材が「反る」のを防ぐために入れる金物のこと。天板サイズの木材であれば、使っているうちにまず反ってくるので、ロの字脚、トの字脚などの木材の幅方向に連続して固定する脚を使用される場合には、脚が反りどめの役割も果たすので特に反りどめ加工は必要無いでしょう。
問題は、四つ脚タイプなどの1本1本が独立した脚を使用する場合や、その他固定せずに使う場合。ただ四つ角に脚を固定しただけだと木材に少しでも反りが出た場合にぐらつきの原因となりますので、そうした場合にはこの反り止め加工は必須の加工になってきます。
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6 鬼目ナット加工の指定
鬼目ナットとは、木地に埋め込んで使うタイプのナット(ネジやボルトの相手材)のこと。鉄脚のボルト位置に合わせてあらかじめ木材に仕込んでおくことで、鉄脚をドライバー1本で簡単に付け外しできるようにしてくれるので、インパクトドライバーをお持ちで無い方やDIYできる環境が無い方にもお勧めしたい加工です。取り付け自体は比較的簡単ですし、天板にビスで直接鉄脚を固定してしまってもテーブルとしての使用には問題無いので、インパクトドライバーをお持ちの方は無理に指定する必要はありません。
鬼目ナットのオーダーの際には、正確な取り付け位置の指定が必要です。(下記リンク参照)この取り付け位置の数字を拾い出す自信が無い方は、マルトクショップ で取り扱っている脚を天板と合わせてご購入いただくことをお勧めします。マルトクショップ 内の商品につきましては、細かい指定は無く「天板の端から長さ方向○○mmの位置に鉄脚の外側がくるように」のように備考欄で指定していただくだけで、対応した位置に鬼目ナット加工をしてお送りします。(指定については脚の注文ページをご覧ください)
電動昇降脚も取り扱い開始しました(写真はお客様作品)
ここまでオーダー指定を入れたらあとは到着を待つだけ!ご注文確定後からのオーダー製作となるので、一般的なECショップよりもお時間をいただいてしまいますが、お客様一人一人のこだわりに合わせてプロのスタッフがカットと加工を行わせていただきます。
塗装と鬼目ナットも合わせて加工オーダーしていただいた場合には、届いたその日に組み立てできる状態になっているはず。鬼目ナットに合わせたサイズのボルトも添付してお送りしますので、プラスドライバーと脚だけをご用意いただければ届いたその日にお使いいただけるはずです。
鬼目ナットの組み立て風景→鉄脚のテーブルを作ってみよう(後編)
鬼目ナットでは無くビスで固定する場合はサイズが重要
木工用のビスには複数サイズがありますが、サイズ選びの一番のポイントは天板に合った”長さ”です。具体的には天板-5mm前後のビスを選ぶのがポイントです。ビスにはある程度規格があるので、
厚さ25mmの天板なら長さ18mm or 21mm
厚さ30mmの天板なら長さ24mm
程度のビスが適しているでしょう。天板が薄くなってくると、使えるビスも短くなるので当然強度も弱くなります。毎日食事や重量物を載せたり、寄りかかったりして斜めの力がかかったりするテーブルは意外と強度の必要な家具なので、生活スタイルに合わせて天板の厚さは考慮しましょう。
また、ビス留めの際には必ず下穴を開けるのが板の余計な損傷を防ぐポイント。ビスの直径-1〜2mm程度のビットを使って、ビスの長さの半分程度の下穴をビス打ちの前に開けましょう。
参考動画: 鉄脚のテーブル をつくってみよう!
DIYは楽しいしコスト削減になるとは分かっていても、テーブルのような大きな家具のDIYは場所の確保も必要な上、天板の単価が大きい分不安もあるもの。今回はフルオーダーで届いたら使える状態までのオーダーをご紹介しましたが、例えば自信のない部分であったり、自分にとって費用対効果が釣り合っていると思う加工だけをオーダーするだけでもDIYの難易度がぐっと下がって楽しくなります。
「テーブルを作ってみたい、でもなぁ・・・」
と躊躇している方の、ハードルを少しでも下げることができればと思います。
また、株式会社マルトクではマルトクショップ 以外にも家具のオーダーメイド事業も行っています。どちらもWEB上でオーダーを完結させることのできる上、こだわりのデザインが揃っていますのでご興味のある方はぜひ覗いてみてくださいね。
「 DEY ( DEsign Yourself = 自分自身でデザインする) 」オーダーメイド家具。幅・長さ・奥行き・樹種などの要素を自分自身で自由に簡単にデザインすることができます。
学習机や本棚など、用途に合わせたシンプルな家具をお探しならこちら!m3PRODUCTと同じく、家具の樹種やサイズを自由に設定して注文することができます。