2017年6月14日
無垢材、集成材を塗装せずに使用すると、木材の水分量の増減が著しく、反り(そり)の要因となります。塗装することで木材内部の水分量の保持に繋がるといわれており、汚れや反りに対しての予防(反り発生の軽減)となります。塗装しても使用環境によりソリを無くすことで出来ませんが、無塗装よりもはるかに効果的な予防策となります。
先にも述べましたが、マルトクショップで取り扱っている塗装は「自然塗料塗装」と「ウレタン塗装」の2種です。
初めて無垢材、集成材を購入するときに、どのような塗装が最適なのか迷いませんでしょうか?
そこで今回は自然塗料塗装とウレタン塗装の違いについて解説します。
植物油と植物ワックスをベースにした塗料で、塗膜を作らず木部の内部に浸透する調湿性に富んだ塗料です。塗膜を作らないので、木地の質感が活きます。マルトクショップで扱っているカラーはクリアー・ミディアムブラウン・ダークブラウンの三種類です。
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下の写真は自然塗料塗装を色別に塗り比べてみました。左から、無塗装・クリアー・ミディアムブラウン・ダークブラウンを塗装しています。
自然塗料塗装はDIYでの塗装、メンテナンスができるのも大きなメリットです。独特の臭いがあるので換気が必須であることと、スペースさえ確保できればコストをぐっと抑えることができます。塗装面のメンテナンスについては下記の記事をご参照ください。
▼DIYでの塗装もおすすめです
▼自然塗料で塗装した作品例
ウレタン塗装のアカシア集成材のデスク
一方で、ウレタン樹脂による塗装はどうでしょう。木材の表面に被膜を形成するので耐水性、耐摩耗性などに優れています。木の伸び縮みにも順応します。含浸型塗料と比較して湿気や汚れに強いので、水回りには特におすすめです。
ウレタン塗装
ウレタン塗料は一度塗装すると耐久性が高くお手入れも簡単ですが、塗装にもメンテナンスにも専用の器具と技術が必要です。
▼ウレタン塗料で塗装した作品例
ウレタン塗装と自然塗料塗装のメリット、デメリットを一覧にしてみました。オイルを浸透させる自然塗料塗装と、表面に被膜をつくるウレタン塗装は質感も使用感も大きく異なるので、自分の好みやライフスタイルに合わせて選ぶことをおすすめします。
ウレタン塗装 | 自然塗料塗装 | |
---|---|---|
塗装法 | 樹脂膜で木全体を吹付塗装
(材の水分量をほぼ一定に保持する) |
木に塗料を手塗りで浸透させる
(木が呼吸するので、湿度変化する) |
撥水性 | 水を弾く(輪ジミ出来にくい)
水拭きだけで汚れがとれやすい。 |
染みが出来る可能性がある
(汚れたらすぐに拭きとる事が必要) |
耐久性 | 劣化がゆるやか | 経年で色が褪せる |
光沢 | 光沢ナシ(ツヤ全消し) | 自然な風合い |
メンテナンス | 補修は専門家に委ねる | DIYでもできる |
コスト | 自然塗料と変わらない | ウレタン塗装と変わらない |
匂い | ほぼ無臭 | 木の香りと、自然塗料の香りがする。
(経年変化する。) |
使いやすさ | 拭きとりが容易 | 汚れたらすぐに除去する |
表面硬度 | 固い | 木地のまま |
※写真説明で使用しています塗装見本は、材や状況、モニター等によって色や反射具合が異なります。 |
以上の内容を踏まえて、マルトクショップでは自然塗料塗装とウレタン塗装のお問い合わせには下記のように回答させて頂いております。
Q1.DIYにおすすめなのは?
A.どちらもOKですが、塗装後の加工には注意。
どちらの塗装もDIYにご利用いただけますが、木材購入後に自分でもカットしたり、
複数箇所のビス留めなどがある場合には完成後の自然塗料塗装をお勧めします。
天板の裏面を脚に留めるだけ、などの簡単な加工であれば、塗装後の加工も大丈夫です。
Q2.水回りにおすすめなのは?
A.ウレタン塗装ですが、木材は水に弱い素材。過信しないで。
どちらもお使いいただけますが、水や汚れにより強いのはウレタン塗装になります。
自然塗料の場合はコーティングしていない分水や汚れに弱いので、濡れない用途に向いています。
ただし、ウレタン塗装も野外や高温多湿な場所での使用では木材の変形を防ぎきれない場合も。
水回りのリフォームは他の水に強い素材も取り入れて行うことをお勧めします。
Q3.耐久性が高いのは?
A.メンテナンスができるなら、自然塗料の方が半永久的に綺麗に使えます。
塗装の耐久性に関しては、視点によって変わってきます。
一度塗装した時点での耐久性を比較するならば、ウレタン塗装の方が強いでしょう。
ただし、自然塗料で塗装した木材はメンテナンスが簡単というのが大きな利点。
ひどい汚れがついても、サンディングしてオイルを塗りなおせば新品のように蘇ります。
こまめなお手入れが苦でない方であれば、半永久的に綺麗に使えるのは自然塗料です。
メンテナンスについて:木材の汚れや傷のメンテナンス
自然塗料塗装もウレタン塗装も一長一短ございますので、お客様のご都合に合わせてお選び下さい。