2021年6月17日
マルトク本社では、毎年お客様をお招きして木工教室を開催しています。新型コロナウイルスの影響で昨年は開催できませんでしたが、また社内でイベントを催して地域の方やお客様と交流できる日を心待ちにする日々です。
今回のもくもく通信では、過去の木工教室で特に人気だった折りたたみシェルフの作り方をご紹介します。ステイホームの楽しみに、ぜひDIYに挑戦してみてくださいね。
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目次
– 材料一覧 – 脚を組み立てる
– 材料まとめ
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好きな木材で作ってみましょう
棚を外して折りたたみできるディスプレイシェルフを作ります。写真はホワイトオークですが、すのこ部分にいろんな樹種を使ってカラフルに仕上げてもかわいいですよ。同じサイズのすのこをもうひとつ作って、二段シェルフとして使うのもおすすめです。
棚板 | 脚 |
---|---|
【木材1】10×57×350mm ×8 【木材2】20×25×500mm ×2 釘(25mm未満)×32 |
【木材3】20×20×560mm ×4 【木材4】20×36×500mm ×4 ナット付ボルト60mm×2 ワッシャー ×4 ビス35mm×8 ワッシャー ×8 |
木材は基本的に好みの樹種でOK。ディスプレイ用で重量物を載せる想定の棚ではないので、硬い木材を扱う自信がない場合は脚だけでも杉などの軽い木材を使うと扱いやすいです。天板用の板と脚の樹種を変えるなど、アレンジを楽しんで見てくださいね。
今回は下穴を開けた上で釘を打ち込んでいるのですが、釘打ちではなくビス留めでも全く問題ありません。材料の厚さを考慮して20〜25mmの長さのものを選びましょう。棚の使用する木材と合う色やデザインの物を選ぶと仕上がりがワンランクアップしますよ。記事中では丸い頭とブロンズ色が可愛い銅釘を使用しました。
▼カラー釘でアクセント
今回はナット(受け金具)のついたボルトを使います。ホームセンターで数百円で入手できます。サイズは必ずしも60mmでなくても構いませんが、20mmの木材を2本貫通させて使うのでゆとりのある長さを選びましょう。もちろんボルトとナットを別に用意してもOKです。写真のものはワッシャーもセットで販売しているタイプの物です。
ワッシャーは木材とボルトの間にかませることで連結部分をしっかり馴染ませて、ボルトが勝手に回ってしまうのを防ぐ役割があります。無くても構いませんがある方が良いでしょう。写真のように、ビスやナットとセットになっているタイプもあります。
全ての木材の面取りをします。手が当たって痛くないよう、サンドペーパーで角を取ります。サンドペーパーは当て木(手頃なサイズの木片)に巻くと作業が楽に綺麗に仕上がります。木端・木口にバリが残っている場合も磨いて取ってしまいましょう。
木材の注文の際に面取りも頼んでしまえば、木端・木口の仕上げも行ってお送りすることもできます。
→面取りについて
塗装をする場合は面取りの後に行い、乾かしてから組み立てに入るとスムーズです。
▼塗装はオイル塗装がお勧めです
このシェルフの一番の特徴であるすのこ状の棚板を作ります。すのこの裏に取り付けた角材に、後ほど作る脚を引っ掛けて固定する形で使用します。銅釘は装飾的な役割もあるので、金づちを持っていない・音が響く場合などはビスでの固定でも問題ありません。
好みの仕上がりになるように、角材(木材2)の上に薄板(木材1)を置いて行きます。このとき、角材は25mmの面が上に来るように置きましょう。木目や色のバランスなど、並べて見ると意外と奥深いので、ぜひ仮組みすることをおすすめします。
仮組みして配置が決まったら、等間隔の板を角材(木材2)に木工用ボンドで貼り付けます。
バラバラの状態で下穴を開けるのは難しいので、ボンドで仮止めしてから貫通させる形で下穴を開けると初心者でも簡単に作業できます。スキルのある方は、別々に下穴を開けてももちろんOKです。
ボンドが乾き、ある程度木材が仮止めされたら下穴を開けます。木材の割れを防ぐために、下穴は必須です。
木材1の幅が25mmなので、端から12mm程度の部分に下穴をあけましょう。木材2一枚につき片側2箇所、合計4箇所づつ下穴を開けます。あまり端に寄りすぎると板が割れてしまうので、各辺から最低1cm程度は離して穴を開けることをお勧めします。下穴の太さは、その後に使う釘やビスより細く開けましょう。
▼無垢材の場合はインパクトドライバーがおすすめ
下穴が開いたら釘を打ち込みます。
今回の棚では見た目も可愛い銅釘を使用しました。樹種や塗装によっても似合う釘があったりするので、マッチングを考えて選んで見るのも楽しいですよ。
下穴に釘を軽く差し込んで、必ず垂直に金槌で打ち込みます。あまり強い力で打ち込みすぎると曲がったり、木材に跡がついたりするので、力加減には気をつけます。
これだけでもちょっと可愛い、無垢板のすのこができました。こちらはすべてホワイトオークで作りましたが、実際の木工教室では、薄板をいろんな樹種用意してカラフルな棚を作りました。
脚用の木材は方向があるので必ず一度仮組みしましょう。長い角材(木材3)が横棒に、幅広の方(木材4)が縦棒になる四角形を作ります。このDIYでおそらく一番難易度が高いのが、この脚部分の下穴です。
横棒となる20×20×560mmの木材3の、木口に下穴を開けます。位置がずれるとその後の作業に影響するので、必ず印を付けてから開けましょう。木口の角から角へ、二本の直線を引くと中心が取れます。太さは用意したビスの軸より少し細く開けるのがポイントです。
1で開けた穴と位置が合うように、今度は20×35×500mmの木材4に穴を開けます。中心に開けた方が仕上がりが綺麗なので、イラストのように印を付けてから開けます。ビスの軸がぎりぎり入るくらいの大きさで穴をあけると作業がしやすいです。
穴明け2と同じく木材4の、今度は中心に穴を開けます。下穴ではなく、ボルトを通すための穴です。ボルトの軸より少し大きく、頭よりは小さい穴を開けましょう。
この下穴作業はこれまでご紹介したDIYと比較しても多少難易度が高いです。挑戦前に穴開けが難しいと感じたら、そんな時こそマルトクショップの出番。材料の注文時に穴開けをご指定ください。
木口の穴開けに関しては、フォームではご注文いただけません。樹種やサイズによっては難しい場合があるので一度問い合わせフォームから相談の上ご注文くださいませ。
脚はインパクトドライバーではなく、写真のようにワッシャーを置いてからビス(小さい方)を通し、ドライバーを使って手動でねじ込みます。縦棒(木材4)と横棒(木材3)を2本ずつ、「ロ」の形に組み合わせます。このロの字が2組で1セットなので、まずは一組目の脚を組み立て、二組目の脚は横棒1本と縦棒2本を固定した状態で一組目の脚と組み合わせます。
2組目の脚は、横棒1本と縦棒2本を固定した状態で1組目の脚と重ねます。それぞれの縦棒はクロスした状態になります。
下穴が正しく開いて入れば、写真の縦棒の中心にそれぞれ穴が開いているので、穴にボルトを通して連結させて行きます。
クロスした部分をナットとワッシャーで固定していきます。ワッシャーを二枚入れ、内側にナットを取り付けます。最初は両側をゆるく留め(写真左)、左右のバランスを見ながらナットを締めて行きます。きつく締めすぎると脚が開かないので締めすぎないように注意。
両サイドを固定した後、最後の横棒を取り付けます。二つの輪がつながっている状態になります。
なんとなくピシッとたたみたくなる形ですが、開いたときの高さを合わせるために、閉じても完全には重ならず、Xの形をしているのが正解です。
無垢材のすのこ板が可愛い、ディスプレイ用の棚が完成しました。写真はホワイトオークですが、樹種によっても全然イメージが変わりますし、複数の樹種を使ってアレンジしても楽しいですよ。
棚板用のすのこを二枚作れば、脚の下側に設置して二段シェルフとしてもお使いいただけます。
以前マルトク本社で実施した木工教室では、各自自由に板を並べてカラフルな棚を作りました。並べ方ひとつ取っても個性が光っていて、素敵な作品ばかりでしたよ。ぜひ、自分だけの作品に挑戦してみてください!
今回のDIYでかかる目安の費用と、数量をまとめました。今回のDIYは幅の細い木材を使うことで価格も控えめになっています。幅100mm以下の木材は幅ハギの加工が不要なので、幅広の木材と比べコストパフォーマンスがぐんと高いです。これはマルトクショップのすべての木材について共通しているので、他のDIYをする場合にもぜひ参考にしてみてください。
棚 |
種別 | 詳細 | 目安の価格(税込) |
---|---|---|---|
木材 | ホワイトオーク 10×57×350mm ×8 | 720円×8=5760円 | |
木材 | ホワイトオーク 20×25×500mm ×2 | 360円×2=720円 | |
金物 | 釘×32 | 数百円程度 | |
脚 |
木材 | ホワイトオーク 20×35×500mm ×4 | 360円×4=1440円 |
木材 | ホワイトオーク 20×20×560mm ×2 | 360円×2=720円 | |
金物 | ナット付ボルト60mm×2 | 数百円程度 | |
金物 | ワッシャー(ボルトに対応したサイズ) ×4 | 数百円程度 | |
金物 | ビス35mm×8 | 数百円程度 | |
金物 | ワッシャー(ボルトに対応したサイズ) ×8 | 数百円程度 |
木材の価格は2021.6.1現在の価格です。
今回は、お家で気軽に作れるディスプレイ用シェルフをご紹介しました。
まだまだ続く自粛期間に気持ちも暗くなりがちですが、
そんな時だからこそお家で楽しめることを見つけて行きたいですね。
もくもく通信では、これからも気軽にできるDIYをご紹介して行きたいと思っていますので、
●使い方を知りたい工具
●作り方を知りたい家具
●もっと良く知りたい樹種
…等々ございましたら
shop@woodworks-marutoku.comまでご意見お寄せくださいませ!