木の基礎知識 マルトクショップ「もくもく通信」

カラーアングルとL字アングルを使ってワゴン収納を製作してみた

2020年11月26日

年末が近づき、お部屋のインテリアや収納にも目が行きがちな季節になりました。今回のもくもく通信では、インパクトドライバー(ドリルドライバー)さえ使えれば女性一人でも簡単に作れる、カラーアングルを使った収納ワゴンのDIYをご紹介します。

作るのが簡単なのはもちろん、注文時の特殊加工も無いので樹種を選べばコストパフォーマンスも良いお手軽DIYです。年末の大掃除前に、ぜひご活用ください。

 

 

 

カラーアングルを使ったワゴンを簡単DIY【設計と準備編】

側板を無くし、キャスターをつけることで手軽に置けるワゴンに

棚と言えばDIYの題目として定番となっております。実際にマルトクショップにお寄せいただく写真も、棚の写真の比率はかなり多いです。人気の理由としては、生活する上で絶対に必要な家具であること、他の家具に比べて作り方次第でビジュアルも用途もバリエーション豊富なことなどが挙げられると思います。
棚と言っても色々ある

今回のDIYは実際にスタッフが自宅で使う棚を作るという名目で始まったのですが、金物の力を借りて棚の応用編、ワゴンを作成してみました。応用編と言ってもインパクトドライバーでのビス留め以外何も難しくない、力作業もないので女性にも優しい簡単DIYになったのでご紹介します。

 

小回りのきく収納ならおすすめ!「ワゴン」

ワゴンとはキッチンやデスク周り、洗面所などで使用されるキャスターのついた棚のこと。こまごまとした日用品などを収納し、キャスターで動かすことができるので日常生活で重宝する家具です。家中を探してみたら1台くらいは持っている方も多いのでは無いでしょうか。

量販店でも多く扱われているワゴンはプラスチックやスチール製のものがほとんどですが、木材を取り入れるとあたたかみのある、インテリアの一部として使える家具になります。キャスターの取り付けが一見難しく感じるかもしれませんが、今回ご紹介するカラーアングルを使った方法ならドライバー一本で簡単に取り付ける事ができます。

 

 

カラーアングルを使って簡単にワゴンを作ろう!

今回使用した黒のカラーアングルと、棚受けがわりに使用したL字アングル

 今回のおすすめ金物は、「カラーアングル」です。アングルとは、主に部材の取り付けに使用するL字形の金具のこと。 大体はネジや、ボルトで固定するための穴が複数個あいてます。 今回のDIYでは棚柱の代わりに750mmのカラーアングルを、棚受けの代わりにL字アングル(金折)を使用しました。カラーアングルを使用すると、とても簡単に棚状の家具を作ることができます。今回挙げられる、カラーアングルを使うメリットはこんな感じです。

 

棚の側板がいらない

木材のみで作成した棚は重量的に重くなることが多いですが、金物を上手に取り入れると見た目も重量もスッキリする上、どの方向からも物が置ける収納を作ることができます。逆に、埃をしっかり避けたり、一度設置したら動かさないような家具の場合は側板が重要な場合もありますので、最終的には用途と好みです。

また、今回使用したカラーアングルは長さ750mmで税込348円。樹種やサイズにもよりますが、側板を購入するよりもお財布に優しいのも魅力です。

 

棚板の取り付け位置を測らなくてよい

これはDIY初心者の方にはとても大きなメリットだと思います。同じメーカーのカラーアングルであれば、購入した時点で同じ位置にビス留め用の穴が空いているので、そこを基準に棚板を固定して行くだけで水平に棚板を取り付けて行くことが可能です。

完成時のサイズさえ測っておけば、製作時に水平器を使用したり、取り付け位置を確認する必要が無いのでとっても簡単です。

 

 

自由に調整・簡単分解

木材のみで箱型の棚をDIYする場合、構造の面で必ずいくつかの板を固定する必要がありますが、カラーアングルを使って棚を作ると、全ての棚柱と棚板を分解できるように製作できます。

今回DIYするワゴンのように、手軽に色々な場所で使うような棚であれば入れるものに合わせて棚板の間隔を調整できて便利です。また、分解すればコンパクトになるので、引っ越しが多いような方にもメリットがありそうです。

 

 

オプション部品が豊富で応用が効く

DIYの部品として人気のカラーアングルは、合わせて使える棚受けやスチールの棚板、今回使用したキャスターなどボルトを締めるだけで使えるオプション部品を一緒に扱っているショップも多いです。中には多少割高なものもありますが、上手に取捨選択することで価格と機能を両立させることができます。今回のDIYでは、キャスターの「取り付けの簡単さ」と「後から取り外しできる」上でもカラーアングルはぴったりの材料でした。

 

 

ワゴンの材料を揃える

今回DIYしたワゴンの製作図はこんな感じです。主に洗面所で使用する予定だったので、

 1.バスタオルを畳んで置けるサイズであること
 2.洗面台と高さを合わせる
 3.アメニティを収納するために4段欲しい

の3点を重視してサイズを計算しました。自分の好きな素材で、欲しいサイズの家具を作れることが、DIYの最大のメリットです。サイズを決めたら、そのサイズに合わせて材料を揃えます。

※設計時のポイント
カラーアングルを使用する場合、設計サイズの外側にアングルの厚みとボルトの頭が飛び出ます。
設置する場所には20〜40mm程度の余裕を持ってサイズ設定しましょう。

 

棚板の樹種を決める

今回はマルトク社内ではなく自宅用のDIYだったので、他の家具に合わせて少し濃い色の樹種、かつ価格もお手頃なアカシア集成材を選択。
最近人気のアカシア材

 注文の内容 
アカシア集成材 20×300×460mm
加工:糸面+磨き
価格:1,850円×4枚

塗装は自分でオイル塗装を行いました。

 

カラーアングル

既製品のカラーアングルは大体のサイズ展開が決まっていて、大体どこの販売店を見ても長さは300mm〜900mmまでが150mm刻み、それ以降は300mm刻みで展開している店舗が多いようです。特殊サイズが欲しい場合は、カットも受け付けているショップを選べば安心です。
今回はキャスターを合わせて800mm程度の高さにしたかったので黒の750mmを選びました。あまり存在感が強くなって欲しくなかったので、太さは30型(L字の片側が30mm)です。

▼今回はカインズホームを利用しました
ホームセンター通販のカインズ

▼通販で探す

 

 

その他の金物

カラーアングル以外の金物は以下の通りです。

 

キャスター → 完成時のサイズから逆算して40mmのものを選択。
・L字アングル(金折) → 棚受けとして利用
・ビス → 棚板へのL字アングル取り付けに使用。アングルの穴のサイズに合ったもの。
ボルトナット(大) → カラーアングルとキャスターの取り付けに使用。
・ボルトナット、ワッシャー(小) → 棚板とカラーアングルの接合に使用。

 

あるものに関しては、販売サイトでオプション部品として取り扱っていたものを購入しました。その他の必要な金物もすべて取り扱いがあったのですが、割高に感じたのでホームセンターで購入しました。ホームセンターで購入する場合は穴のサイズが合うかどうかを確認してから購入しましょう。

 

※金物選びのポイント

L字アングルとボルトナットはある程度大きい方がしっかりと固定できます。
金物は小さい方が価格が安い傾向にあるので、ついつい小さめなものを選びがちですが、
サイズに選択肢がある場合は大きい方を選んでおいた方が安定感のある仕上がりになります。

 

▼金物を探す

 

 

 

使った工具

今回のテーマは「簡単DIY」ということで、必要な工具はインパクトドライバーのみです。下穴用のドリルビットと、ドライバービットを用意しましょう。

ドリルビットは棚板の下穴に、ドライバービットはビスとボルトの締め付けに使用します。

 

 

 

 

 

カラーアングルを使ったワゴンを簡単DIY【製作編】

 今回は300×460×800mmのワゴンを製作しました。棚板はアカシア集成材を使用し、側板を使わない代わりにカラーアングルとL字アングル(金折)を使用して接合して行きます。
カラーアングルを使用した家具の場合は、棚板の外側にアングルの厚みとボルトの頭が飛び出るので、設置スペースには30〜40mm程度の余裕を見て設計します。

 

STEP1 棚板にL字アングルを取り付ける

まずはじめに、棚板に棚受け用のL字アングル(金折)をビス留めして行きます。棚板をのせるだけで使える、ビス留めのいらないタイプの棚受けも販売されていますが、棚板の素材が木材の場合は棚板自体を固定するような造りにすると、反りを防ぐ効果もあるのでおすすめです。

 

 

下穴用の墨付けをする

ビス留めをする際には必ず板に下穴を開けてから行うことで板の割れを防ぐことができます。
今回は簡単DIYということで、細かい計測はせず、実物のアングルで墨付け(印つけ)をしました。実際の組み立て時と同じようにL字アングルとカラーアングルを組み合わせ、それを板に当てて穴あけ位置を書き込みます。

 

 

アングルを外した時に、きちんと歪まずに書き込めていればOKです。この穴あけ位置は見た目にも関わってくるので、完成時にどの面にボルトを見せるかを考えながら開けましょう。

 

 

 

 

 

下穴を開けてビス固定

すべての板に墨付けができたら、下穴を開けて行きます。下穴に使用するビットは、ビスの太さより一回り細いものを選びます。

ビスのネジ部の谷部分よりも太いものを選んでしまうと、きちんと留まらなくなってしまうのでくれぐれも気をつけましょう。

▼インパクトドライバーの使い方
インパクトとドリル -電動ドライバーの基本-

 

 

下穴を開けたら、一度L字アングルを上から当ててみましょう。アングルの穴と下穴がきちんと合っていれば、下穴開けは成功です。

綺麗な板に穴を開けるのは少し緊張しますが、容量を得ればあっというまに作業できてしまいます。

 

 

 

下穴が問題なく開いたら、インパクトドライバーでビス留めして行きます。

複数箇所のビス留めをする場合は、1本のビスを締めたところで写真のように手で金物の位置を微調整し、それから残りのビスを留めると比較的歪まずに固定できます。

 

 

 

 

取り付け完了するとこんな感じです。
L字アングルは棚板一枚につき四箇所取り付けます。

 

 

 

 

 

STEP2 棚板とカラーアングルを組み合わせる

棚板に棚受け用のL字アングルを取り付けたら、あとはL字アングルと合わせて棚を組み立てます。アングルの穴が重なった部分にボルトを通し、ナットを締めて固定します。手でも出来ますが、ドライバーを使って出来るだけ固く締めた方が出来上がりが安定します。

 

一枚目の取り付けが完了すると、カラーアングルが軽く固定されるので2枚目以降は作業が楽です。

面面を下にして、上から二枚目の棚板を通して好みの位置で固定します。

 

 

 

二枚目を固定すると一気に安定するので、ひっくり返して作業することもできます。

あとは全て同じ要領で、棚板を取り付けます。今回のDIYではキャスター付きワゴンにしますが、このまま最後の棚板をカラーアングルの端に合わせて取り付ければ、それで手軽な棚になります。

キャスターを取り付ける場合はカラーアングルの一番下の穴に金具がかからないように残しておきます。

 

※金物選びのポイント

L字アングルとボルトナットはある程度大きい方がしっかりと固定できます。金物は小さい方が価格が安い傾向にあるので、ついつい小さめなものを選びがちですが、サイズに選択肢がある場合は大きい方を選んでおいた方が安定感のある仕上がりになります。

 

 

STEP3 キャスターの取り付け

棚板の取り付けが終わったら、最後にキャスターを取り付ければワゴンの完成です。

カラーアングルに使用できる専用のキャスターは、オプションとして並べて販売されているショップが多いです。同じショップで一緒に購入すれば、組み合わせも心配いらないので手軽です

▼今回はカインズホームを利用しました
ホームセンター通販のカインズ

 

 

カラーアングルとキャスターを組み合わせます。二つのパーツのサイズが合っていれば、写真のようにカラーアングルの最後の穴に被せるような形で取り付けることができます。

キャスターは安定させたかったので大きめのボルトナット(カラーアングル専用のもの)を使用しました。一つのキャスターにつき四箇所ずつのボルトで固定します。

 

 

 

 

 

 

完成!

キッチンにもサニタリーにも、ちょっと便利なワゴンができました。ステンレスやプラスチック製のワゴンは数多く販売されていますが、DIYすれば自分好みの樹種でぴったりサイズで作ることができます。
棚板の固定にインパクトドライバーこそ使用しますが、ビス留めさえできれば女性でも1〜2時間で組み立て可能な簡単DIYです。面取りや塗装を工夫すれば、オリジナリティあるワゴンがいくらでも作れますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

 

 

材料まとめ

今回のDIYで使った材料の一覧は、以下の通りです。

項目 詳細 参考価格
棚板 アカシア集成材20×300×460mm
加工:糸面+磨き
1,580円 ×4枚
棚柱 カラーアングル 30×750mm 380円 ×4本
棚受 L字アングル(金折)
皿ネジ
ボルトナット(ワッシャー付)
88円〜/個 ×16個
128円〜/袋 →32本
128円〜/袋 →16組
キャスター 単輪 40ミリ 黒 アングル専用
カラーボルトナット アングル専用
328円/個 ×4枚
328円/袋 →16組

の付いているものに関しては、販売サイトでオプション部品として取り扱っていたものを購入しました。棚受けに使用したL字アングルと皿ネジ、ボルトナットはホームセンターで販売している一般的なものをサイズを見ながら購入したものです。

▼今回はカインズホームを利用しました
ホームセンター通販のカインズ

 

こうしたDIYは多くの場合、価格のみの比較で言えば量販店のものを購入した方が安く収まる場合が大半です。でも好みの樹種で、ぴったりのサイズの家具を手に入れられるのがDIYの最大のメリットです。自らデザインから始めることで、ひとつひとつの家具に愛着もわきますよ。

樹種や塗装、加工に関してはご連絡いただければご相談にも乗らせていただきますので、ぜひ気軽に挑戦いただければと思います。
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