2021年1月21日
マルトクショップでは、種類の豊富なフリーカット木材だけでなく、建具(ドアや引き戸のこと)や床材等の建材など、木材を使ったトータルコーディネートにお勧めの商品を取り扱っています。
今回のもくもく通信では、数ある建材の中でも人気な木の床材について、メリットや種類、導入の方法などをご紹介します。
目次
|
オークの床は美しく耐久性も抜群
様々な建築資材のなかでも、特に室内のインテリアを大きく左右するフローリング。木の木目や色を存分に味わえる無垢フローリングは、木材好きなら一度は憧れる方も多いのではないでしょうか。
現代日本の住宅事情としては、特に賃貸物件においては木材以外の素材の床を採用していることがほとんどです。木材(特に無垢材)を使った床は他の素材と比べて価格が高い、メンテナンスが大変といったイメージが有りますが、実際のメリットデメリットはどうなのか、材木屋目線でご紹介したいと思います。
無垢フローリングとは無垢材をフローリング用に加工したもので、幅方向と厚み方向の継ぎ足しは無く、しっかりとした重量感があります。(UNIフローリングの場合、長さ方向はランダムに継ぎ足してあります。)
同じ樹種でも木目や色合い、節があったりとすべてが均一ではない自然素材特有の特徴が魅力。樹種ごとに異なる木肌の色、木目などの木の豊かな表情を感じながら暮らしたい方にぜひおすすめです。
有機物である無垢材のフローリングには、住環境を快適にする良い効果がいくつもあります。
・室内の湿度が高い時には吸湿し、低い時には放出するので調湿効果に優れている ・組織の間に空気を含むため、熱伝導率が低く夏はひんやり、冬は暖かく感じる ・弾性があるので歩行時や転倒時の衝撃を和らげるクッションのような効果がある ・紫外線をよく吸収するので、室内に入った紫外線から私たちの目や肌を守ってくれる |
木材のもつこうした特性は、私たちの生活を快適にサポートしてくれます。
無垢のフローリングはきちんとお手入れすれば何十年と使い続けることができます。定期的にワックスやオイルを塗ったり、メンテナンスをして手を加えることで木の色は深みを増し、美しい経年変化を楽しむことができます。
定期的なメンテナンスをしておけば普段のお手入れは他の素材の床とほぼ変わらず、お手入れする毎に美しくなる無垢のフローリングは、生活する毎に愛着が湧いてきます。
ランダムな色が魅力のアカシアフローリング
一般的によく聞かれるのが、本物の木を使ったフローリングはお手入れが大変、という質問。無垢のフローリングの普段のお手入れは、掃除機等で表面のゴミを取り、なにかを零したりした時だけ硬く絞った布で拭き取る程度です。日常のお手入れは簡単なのですが、無垢のフローリングを理想的な状態に保つには、1〜2年に一度、専用のオイルやワックスを塗る必要があります。
このワックスがけが手間、面倒というイメージがつきまとう無垢フローリングですが、定期的なメンテナンスさえしておけば、普段の特別なお手入れは必要ありません。お手入れしながら何年か経過した無垢のフローリングは、経年変化で色の深みも増してとても綺麗です。
また、一度傷んでしまった木材以外のフローリングは取り替えるしかありませんが、無垢の床はひどい汚れがついても、その部分を研磨することで美しく甦ります。ワックスがけは必要ですが、耐用年数が長く、長く楽しめるのが無垢フローリングです。
ワックスがけができない、水拭きでガシガシ拭きたい、と言う場合にはウレタン塗装のフローリングを選べば、手軽に無垢の美しさを楽しめます。(その場合は、表面の塗装が劣化してしまうとオイル塗装の床のように研磨するのは難しいです。)
無垢の床はサイズが変わる?
続いてよく言われるのは、無垢の床は湿度によって動きが出る、という点。
フローリングに限らず、木材は湿度の高い時には湿気を吸収し、乾燥している時には放出するという特性があります。周囲の湿度によって微妙にサイズが変わることから冬に隙間ができたり、床鳴りの原因となることも。
施工の際にスペーサーを使用したり、少しだけゆとりを持った施工を行うことでそうした困りごとは気にならない程度には軽減できるので、施工の際には無垢の特性を理解して実施することが大切です。
また、床暖房など特に木材の動きを防ぐ必要のある場面では、複合フローリングがお勧めです。表面に2〜3mmの無垢板を使用し、下層に板目の交差した木材を使用することで動きを抑え、隙間や床鳴りを防止します。化粧板のフローリングと比較して価格は高い傾向がありますが、しっかりと厚みのある無垢板を使用するので仕上がりは無垢フローリングと同じように美しく、お手入れの方法も同じです。
→マルトクの複合フローリングを見る
※商品名に「複合フロア」と記載のあるものをご覧ください
近年一番オーソドックスなUNIタイプフローリング
フローリングと聞いて多くの人がイメージする定番は、写真のように壁に平行もしくは垂直に床材を並べて行く手法ではないでしょうか。フローリングは張り方によって特徴的な柄が生まれ、様々なバリエーションがあります。
様々な長さの床材をランダムに組み合わせて張っていく方法。乱尺の床材は、400mm以上(商品によって違う場合があります)の様々な長さが入っていて一枚一枚が独立しているので、色や木目のバランスを見ながら組み合わせることができます。また、価格面では長さの揃った床材よりも価格が安く、施工の場では端に短い材を持ってくることでロスを少なくすることができるので経済的にもメリットのある施工方法です。
マルトクショップで乱尺の床材をお探しの場合は、商品名に”乱尺”と入っているものをお選びください。
UNIタイプは乱尺”風”の仕上がり 一般的に流通している床材で、ベーシックなのはUNIタイプと呼ばれる床材です。UNIタイプとは、様々な長さや木目の木材を継ぎ合わせて作られた床材のこと。床材自体のサイズが揃っているので施工がしやすく、仕上がりは乱尺張りのようなランダムな仕上がりです。 マルトクショップで扱っている無垢フローリングのほとんどはこのUNIタイプになります。
|
一定の長さの床材を、一定間隔でずらしながら張っていく手法をりゃんこ張りと言います。ずらす幅によって表情もは変わりますが、継ぎ目の位置が揃うのできっちりとした印象が強くなります。りゃんこ張りをするにはOPCタイプの床材を使用すると柄がはっきりと揃います。
OPCフロアとは? ノースパインOPC 節有 無塗装 OPC(One Piece)フロアとは、一枚板を使用した床材のこと。細かい材を集めて製造されるUNIタイプと比べ、高級感や重厚感のある仕上がりが魅力です。ある程度の大きさのある木からしか製造できないため、価格も他のタイプと比較して高価な場合が多いです。 |
床材を壁に対して斜めに張り込んで行く手法を斜め張りと呼びます。末端の処理など通常の貼り方よりも技術が必要になりますが、ただ角度をつけるだけでぐんと動きのある、個性的な仕上がりになります。目立たせたい一間だけに用いたり、アクセントとして取り入れるのもおすすめです。
斜め張りはUNI、OPCどちらのタイプの床材でも施工が可能です。
人気のヘリンボーン柄のフローリング
小さな木片を使って、床に模様を描く手法を寄木張りと言います。昔はヴェルサイユ宮殿や貴族の邸宅等に使用された高級な技術でしたが、最近では人気のヘリンボーン柄をはじめ専用の床材も販売されており、工務店さんと相談の上で比較的手軽に導入することができます。寄木張りには職人の数だけデザインがありますが、大きく分類すると二種類の柄が主流になっています。
ヘリンボーン
ヘリンボーンとはニシン (herring) の骨 (bone)が語源になった柄で、その名の通り細長い木片をまるで魚の骨のように組み合わせて行く柄をヘリンボーンと呼びます。見た目が美しく、お洒落なフローリング として近年特に人気の高い柄です。主には下図の2種類の組み方が主流です。
市松張り
市松模様のように真四角の柄を一つの単位として組んで行く寄木張りの手法です。日本の床材では、パーケット柄というとこの市松張りの床を指し、ヘリンボーン柄とは区別されていることがほとんどです。縦横に組んで行くもの、斜めの要素も入れたものなど柄のバリエーションが多いのが特徴で、あらかじめ四角く組まれた床材も多く流通しています。公共の施設など意外と取り入れられている場面も多く、注意して見ると様々な場所で発見することができるかもしれません。
人気のバーチフローリング
ここまで無垢フローリングについてご紹介してきましたが、実際に無垢フローリングを家に取り入れたい!と思った時の導入方法をご紹介します。ケースバイケースではありますが、無垢フローリングを施工するには大きく分けて3つの方法があります。
費用★☆☆ 簡単★★★ 仕上り★★★
一番一般的で手軽なのは、無垢の床を得意とする工務店さんに、材料の手配から施工まで一括でお願いしてしまう方法です。施工の段取りを折り込み済みで手配からプロが行ってくれるので、床材を選ぶ以外の手間はかかりません。また、一括でお願いすることで施主(=依頼者)と施工業者の間でミスや行き違いといったアクシデントも起きにくく、確実性が一番高いと言えるでしょう。
デメリットは、やはりコスト面。多くのことをプロに依頼すればそれだけコストは上がりますし、資材のマージンがかかることも多いです。また、依頼する工務店が取り扱っている資材しか施工できないので、気に入った床材が無い、という可能性もあります。
費用★★☆ 簡単★★☆ 仕上り★★★
資材を自前で調達して、工務店に施工のみお願いする方法を「施主支給」と言います。
施主支給のメリットは、自分好みの素材をこだわって探すことができ、かつ施工はプロにお願いするので仕上がりも綺麗なこと。また価格面においても、一概には言えませんが材料の手配を自分で行うことでコストを抑えられることが多いです。こだわり・コスト・仕上がりのバランスが良いのはこの方法と言えるかもしれません。
マルトクショップのお客様にはこの施主支給で利用される方が多くいらっしゃいますので、ご検討中の方はお気軽にご相談ください。
費用★★★ 簡単★☆☆ 仕上り★〜★★★
DIYが好きな方なら、フローリングをDIYで張る、というのも一つの選択肢です。メリットとしては、まず第一にコストを抑えられること。販売元から直接資材を購入することで余計なマージンをカットし、人件費もかかりません。また、自分で施工することでぐっと愛着がわくのは間違いなしです。
デメリットを挙げるとすれば、当然ですが手間がかかること。資材の手配や荷受けなど、施工以外の工程にも計画と注意が必要です。また、仕上がりが技術に左右されるので、工具の扱いに自信のない方は予習が大切です。
▼参考リンク
古い畳を一新!フローリング張りDIYにチャレンジ – makit(メキット)by DIY FACTORY
自分でフローリングを貼ってみた!|How to make 〜つくってみました〜 |toolbox
マルトクショップのおすすめ無垢フローリングをご紹介します。無垢フローリングは樹種・塗装・グレード(節の有無等)で大きく表情が異なります。気になる商品はサンプルや写真の送付もご相談に乗りますので、気軽にお問い合わせください(商品により対応できない場合もございます)。
※画像クリックで樹種別の商品一覧にリンクします。商品名に、「UNI」「OPC」と書いてあるものが無垢フローリング、「複合」と書いてあるものは複合フローリングとなります。
ウォールナット
世界三大銘木にも数えられる高級木材。落ち着いた木目と重厚感のある色で、モダンな空間によく似合います。 |
オーク・ナラ
家具や内装材としても人気の高いナラ(オーク)材は、力強く独特の木目が美しい木材です。 |
クリ
栗は腐りにくく、丈夫な材質の木材です。木目ははっきりしていますが優しい色調で、経年変化と共に深みを増していきます。 |
バーチ
カバ材は産地によって大きく色や表情が異なりますが、ツヤがあってきめ細かい質感です。 |
アカシア
芯材と辺材の色の差が大きく、表情豊かな仕上がりを。材質は比較的硬く、曲げや衝撃に強い樹種です。 |
クルミ
わずかにグレーを帯びた赤褐色で、他の木材には無い独特な色が特徴的です。適度な堅さとしなやかな材質です。 |
タモ
しなやかな弾力性があり、快適な踏み心地です。木目がはっきりとしているのが特徴で、和室にも洋間にも問題なくマッチします。 |
タガヤサン(鉄刀木)
非常に堅い木材。灰色がかった明るい色の辺材に対し、心材は暗褐色に近い淡い色をしています。 |
ブラックチェリーのフローリング
今回は無垢のフローリングについてご紹介しました。床は家の大きな面積を占める要素。広い面積だからこそ、本物の無垢材を使うことで美しさや優しい質感を存分に味わうことができますよ。
マルトクショップでは、施工業者様への供給や個人のお客様への施主支給のご相談も承っています。検討中の方は、ご相談だけでもお気軽にご連絡くださいませ。