2022年7月28日
テーブルや箪笥、どんな木材製品でも、どんな部材で出来ているのかに注目してみるとその多くは四角い板(または角材)で構成されていることが分かります。視覚的にもシンプルな四角形は建築やインテリアの基本の形ではありますが、だからこそ個性的な形の天板がコーディネートのアクセントになります。今回の更新では、マルトクショップ でオーダーする、丸や多角形をはじめとした「四角以外」のカットについてご紹介します。
関連更新
→コーナー加工でデザイン性アップ!
→穴開け加工とその活用
目次
– 1.円形
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お近くのテーブルや椅子などを眺めてみると、きっと多くの木材が四角形か四角形をベースにした形に加工されていることに気づくことが出来るかと思います。
木材を使った加工品では、部材の大部分が四角形で構成されていることが多いです。理由はひとつではありませんが、丸太を板に加工する過程では、木材はイラストのように四角形に近い形に製材されます。原料が四角いので、その形を活かして四角いまま使うのが一番自然で、加工にかかる工程も少なくすみます。そして何より、直線で構成され、かつ左右対称な四角形は何につけても使いやすい形です。
BtoBで店舗様に納品させていただいたバーカウンター
マルトクショップ では、フリーカット(=自由な寸法、形でカット)の木材を1枚から販売しており、DIYユーザーから企業間のBtoB販売まで、多くのお客様にご利用いただいています。そして大多数のお客様にはやはり四角い板をベースにしたものをご注文いただくのですが、実はマルトクショップ では木材をかなり自由度高く様々な形にカットできます。一番使い道として多いのはテーブル天板としてのご注文ですが、その他にも皆さんアイディア溢れる作品を作っていらっしゃいます。
四角形の次にご注文の多い、円形カット。おしゃれなカフェテーブルや和風の座卓など、室内にひとつ設置するだけでそのお部屋の印象を左右するポイントになります。椅子の座面としてのご注文も多いです。円形カットに関しては、専用の注文フォームをご用意しておりますので、最短3ステップでご注文可能になります。
注文フォームから流れに沿って1.樹種→2.木材の厚さ→3.直径を選択するだけで基本の注文は完了。四角形の木材と同様にオプションも選択できるので、必要な場合は続けて入力します。四角形ではないので、コーナーの加工は選択できません。
円形カットの作品写真
角のない円形やオーバル型ならお子さんの衝突などにも安心
四角形のイメージの強いテーブルですが、天板に曲線を取り入れると、一気に優しい雰囲気になります。マルトクショップ の注文フォームは四角形がベースになっているので、こうしたデザインのオーダーは別注になってしまうと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は「コーナーR加工」で簡単にオーダーすることができます。
コーナーR加工は上図の「R(半径)」を指定することで四角形の角部分に丸みをつける加工です。四角形ベースのカットであれば、5~30R程度の丸みをつけることで衝突による怪我などを減らすことができます。
このRを、木材の幅(図で言えばA-D)の半分の大きさに指定すると、この幅方向の辺を円形にカットすることができます。四角形の片側だけを円形にカットすると、片方は壁にぴったりつけることができるので人気です。長方形の両サイドを円形カットすると、楕円形に近い形状にカットすることができます。(完全なオーバル型の場合は後述の別注文となります。)
曲線を取り入れた作品写真
大きな斜めカットが特徴的なカウンターデスク
多角形と言うと「正〇〇角形」を想像しがちですが、他にも角を様々な形にカットして変則四角形・多角形にすることで、DIYだからこその「自分の家の形に合わせたカット」が出来ます。元々持っている家具の大きさまで計算した、ジャストフィットなサイズ感は既製品には真似できない仕上がりになること間違いありません。家や家具の配置によっては真四角ではないスペースが余ることが多々ありますが、そうしたスペースを無駄にすることなく活用できるのもフリーカット木材の良いところです。
多角形の一番簡単な作り方は、コーナーの斜めカットを活用することです。斜めカットはマルトクショップの自動入力フォームから入力出来ます。上図のように小さくカットすることもできますが、斜めカットに関しては角を大きく落とすことで形に変化を持たせる方が多いです。もちろん、すべての角を均等に落とすことで正六角形や正八角形も作ることができます。
→コーナー加工の活用
斜めカットを利用した多角形の例
大きな切り欠きを入れることで壁にフィットさせたテーブル天板
注文フォームの「穴あけ加工」を利用することで、変則多角形を作ることができます。多く利用されているのが、上図のような柱や配管を避けた変則六角形。また、どこか一辺に四角や丸の溝をつけることでワークスペースの配管整理に役立てることもできます。このように、板の一辺に大小の溝をつける処理を「切り欠き」と言います。
四角穴加工は基本的に板の左上を起点とした4点を指定することでオーダーできます。切り欠きを注文する場合は「X1 or Y1を0」「X2 or Y2を最大値」のどちらかで指定できます。
切り欠きを利用した変則多角形の例
複数の板を組み合わせた方が良い場合も 切り欠きでもL字や凹型の天板は作れるのですが、大きな材料の場合は捨てる部分も多くなるため、二枚の板を組み合わせた方が良い場合もあります。 留カットやボルトジョイントなど手法はいくつかあり、目的によっても適した方法が変わってくるので、迷った際にはぜひ備考欄やお問い合わせフォームからご質問ください。
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壁につけて使うテーブルの場合は切り欠きをつけておくと便利
在宅勤務、在宅ワークという単語の浸透と共にマルトクショップへのオーダーが増えたのが、PCデスクの天板です。通常のダイニングテーブルと違って長時間座ってPCをはじめとする電子機器を扱うことになるPCデスクには、穴開け加工を利用した工夫をされる方が多くいらっしゃいます。
デスクの前に座った際に身体がくる部分に大きな切り欠きを入れると、その分身体が奥に入り、通常のデスクだとはみ出てしまう肘をしっかりと支えることができます。特にタイピングの時間が長い方にはオススメしたい加工です。
天板の壁につく部分に切り欠きを入れたり、PCの配置を考えて穴を開けることで配線をそこから落とすことができるので、壁にコードが挟まって動かなかったりいろんな場所からコードが落ちてごちゃつくといったストレスから解放されます。シンプルな穴や切り欠きでも十分機能的ですが、CADデータで指定していただければ丸や四角以外のデザイン性のあるカットも可能です。
こんなものとの合わせ技も可能です
オーダーカットのL字型デスク
注文フォームで指定できない形の板が必要な場合は、お客様にデザインしていただいた形で木材をカットすることも可能です。フリーカットの場合は基本的にはCADデータのご提供をお願いしているのですが、CADデータの作成が難しい場合はマルトクショップ での図面作成も可能です。(有料)
→図面を元にしたカット
フリーカット天板の作品例
柔らかな曲線が美しいローテーブル(お客様がご自身でカット)
基本的に四角形で使うことが多い木材。直線の多いデザインやインテリアは整然としていて収まりがよく美しいですが、曲線やイレギュラーな形の家具には四角形には無い魅力やメリットがあります。DIYだからこそ作ることのできる、オリジナリティのあるカットにぜひ挑戦してみてくださいね。
「頭の中にデザインはあるんだけど、オーダーの仕方が分からない…。」
といった場合には、手書きの図面でも良いので添えて一度ご相談ください。必要に応じてマルトクで図面を描くこともできますし、注文フォームでオーダーできる場合はご説明いたします。お見積もりだけでも大歓迎ですので、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。
※今回ご紹介している作品写真については、お客様がご自身でカットしている作品も多数掲載しています。マルトクショップ でも加工可能である、という例としてご紹介しておりますのでご了承ください。
マルトクのテーブル脚