2022年4月21日
目次
– 1.人気の樹種 – 2.産地 – 4.特殊な杢目
– チーク – ウォールナット – マホガニー – ケヤキ – ゼブラ
|
合板ではなく無垢の木材で作られた家具をお店で見ると、ブランドによってはかなりの高価格で販売されているものも数多くあります。もちろん高額な製品にはそれ相応の木材と技術が注ぎ込まれている訳ですが、同じ無垢材でも樹種によってどうしてそんなに価格が違うのでしょうか。今回の更新では、そんな憧れの高級木材の世界をご紹介してみたいと思います。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
マルトクショップ の一番人気、ホワイトオークの机(お客様作品)
どんな物にも言えることですが、製品の需要が供給を上回っている「引く手あまた」な状態の場合、一般的にその製品の価格は上昇して行くことになります。特に木材は多くの樹種が海外で生産されており、世界的に需要が高まれば当然その相場は上昇して行くことに。生産量はそれなりにあるけれども人気が高く購買量が多い樹種・生産量自体が少なく希少な樹種、どちらの場合も「高級樹種」となる傾向があります。
木材は産地によって、ブランド価値のある樹種が多くあります。国産材で言えば木曽檜や屋久杉、海外産の木材で言えば今はワシントン条約で伐採が禁止されているキューバンマホガニーなどもこれに当たるでしょう。
また、単純に産地が遠かったり日本との行き来が少ない国の木材も高額になる可能性があります。マルトクショップ で扱っている木材でも、アフリカ産の木材は(全てではありませんが)価格が高い傾向があります。アフリカ産の木材は元々産地の近いヨーロッパで消費されて来た歴史があり、日本に流通するようになったのは近年のこと。濃色の樹種の人気の高まりと共に、濃色で品質の高いアフリカ産木材が日本にも流通するようになりました。
「ピンからキリまで」という言葉がありますが、木材はその品質によってグレード分けされて販売されるのが一般的です。木材の生育年数が長く(その樹種に合った年数生育されていて)、節や白太が少なく、美しいものはハイグレードな木材として高価格で取引されます。
マルトクショップ でも、需要の高い人気樹種についてはお客様の選択肢が広がるように節無し・節有りとしてグレードの異なる商品を取り扱っています。この等級の分け方は針葉樹と広葉樹、輸入材と国産材によっても微妙に異なりますが、基本的には大きさ・白太・部位・節等が重視されます。
ウォールナット節・白太有り |
カーリーメープル(縮み杢)
いくつかの樹種では、稀に出る特殊な杢目が美しいと珍重される種類があります。マルトクショップ でも以前取り扱っていたこともあるカーリーメープル、鳥の目のようなバーズアイメープル、大木の枝の分かれ目に現れるクロッチウォールナット、ナラ材に稀に現れる虎斑などその種類は多岐に渡りますが、いずれも綺麗に出ているものは希少価値が高く、高価格で取引されます。
針葉樹よりも広葉樹の方が高級なの? 針葉樹と広葉樹は材質が異なり適する用途も違う 注意深く木材の価格一覧を見ていると、針葉樹よりも広葉樹の方が高額な樹種が多いことが分かります。これは平均的なもので、針葉樹でもブランド産地のものやグレードによっては高価格な場合も多いですが、理由としては生育年数と産地が関係しています。30~40年で木材として使用できる針葉樹と比べ、充分な大きさに生育するまで100〜200年もの年月が必要な広葉樹は、必然的に価格が高額になります。また、針葉樹の中でも杉や桧に関してはそのほとんどが国産材であるため、輸送費が海外産の木材よりも抑えられている場合があります。 |
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
産地:東南アジア産広葉樹
高級木材の中でも特に有名なのは、世界三大銘木と言われるチーク・ウォールナット・マホガニーであることは間違いないかと思います。チークは東南アジア原産の広葉樹。生育に非常に時間がかかり、かつ高品質で美しい樹種であるため、高級木材の代表格として流通しています。
チーク材は意外と製材した直後は色が浅く、そんなに美しい訳ではありません。空気に触れることで表面が酸化し、だんだんと美しい色に変化します。また木材自身に天然のワックス成分を含んでいるので、お手入れしながら使い込んでいくうちにその油分が表面に染み出して素晴らしいツヤが出てきます。
前述のチークに続き有名な三大銘木、ウォールナット。その最大の特徴は他の樹種にはない深い色です。まるでチョコレートのような濃色と、優雅な木目が世界中で愛されている優良木材です。また、枝木の分かれ目の部位に出る木目をクロッチウォールナットといい、模様が美しく採れる量も少ないため価値が高いとされています。
存在感のある色なので、天板としてはもちろん、小物やインテリアのアクセントとして小さいものに使っても良い仕事をします。マルトクショップ でも、無垢材、節有り材、集成材と複数の商品をご用意していますので用途と予算に合わせて選んでお使いいただけます。
世界三大銘木の最後のひとつ、マホガニー。過去にはヨーロッパでマホガニーの家具が流行し、南米キューバでは商業資源としてのマホガニーが枯渇してしまったという歴史があるほどの絶大な人気を誇りました。現在マルトクショップ ではアフリカで生産されているアフリカンマホガニーをお取り扱いしています。
マホガニーの魅力は「赤い宝石」という異名で表される優しい赤褐色と、リボン杢と呼ばれる個性的な木目にあります。見る角度によって濃淡が逆転し、光が動く独特の木目はとても綺麗です。このリボン杢は他にもサペリという木材にも見られます。
マルトクショップ でお取り扱いしている木材の中でも頭ひとつ高価格な高級木材、ケヤキ。入荷量も不安定なため、在庫がある時のみ販売しています。街路樹としても稀に見かけるケヤキですが、日本では古くより建築材、家具や建具等に珍重されてきた高級材です。
オークにも比重で勝るケヤキは手に持った瞬間からずっしりとした重厚感と頑強な材質が特徴的。DIYで天板など大きなサイズを扱う際には本当に重いので対策を打った上での購入をおすすめします。「金色」と表現したくなるような美しい黄褐色と、流れるような板目の木目を一度見て欲しい、本当に綺麗な木材です。
マルトクショップ のお取り扱い樹種の中では新顔のウエンジはアフリカからやってきた広葉樹です。濃色の中に走る漆黒の木目が渋く、美しいと近年人気が上昇しています。この特徴的な色は着色ではなく天然の色素。伐採直後は褐色をしていますが、空気に触れて酸化することで他には無い濃色に変化します。
取り扱っている木材の中でも有数の重厚な樹種で、曲げにも衝撃にも強い頑丈な樹種ですが前述のケヤキにも勝る重量があるので取り扱いや加工にはパワーと技術が必要です。
今回の更新では、魅力的な「高級木材」というテーマでご紹介しました。今回は特に高額な樹種をご紹介しましたが、マルトクの人気樹種オークやチェリー、メープルなどの広葉樹も、基本的には高級木材と言っても過言ではありません。試しにこれらの樹種の無垢材を使った家具等を一度調べてみると、ちょっと驚くような値段の製品が次々と出てきます。
そんな高級木材も、加工前の価格で購入すれば価格をぐっと抑えられるのがDIYのすごいところ。加工の手間やちょっとしたミスなどがあっても、完成してしまえば愛着の湧く一品になっていること間違い無しです。憧れの高級樹種がある方は、ぜひお手にとって見てくださいね。
▼樹種選びや加工のご相談はこちらへどうぞ
→お問い合わせフォーム