2022年5月19日
マルトクショップ には「固い木材」「硬い木材」なんて検索ワードでご来訪いただくお客様が多くいらっしゃいます。誰しも色や木目には注目して木材を選ぶと思いますが、木材の重さや固さについてはどうでしょうか?用途に合わせて固さを選ぶことで、DIYのクオリティをもっとあげることが出来る、木材の「固さ」についてご紹介します。
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目次
– ハードメープル – ブビンガ – 栗
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マルトクショップ をDIYのためにご利用いただくお客様は、定番からこちらが驚くような使い方まで、多岐にわたる用途で木材を使っていただいています。天板など木材の「見た目」が全面に出るような使い方をする場合には、特にその色や木目に注目しがちですが、木材は樹種によってその材質も大きく異なります。
マルトクショップ では特に「固い木」すなわちハードウッドが人気の傾向がありますが、木材はその材質によって得意分野が異なります。樹種ごとの特性を知って使うことで、何年何十年と愛用できる作品として仕上げることができるかもしれません。
ハードウッド(Hardwood)とは直訳すると広葉樹を指します。全ての広葉樹が固いかと言うと必ずしもそうでは無いのですが、針葉樹と比較して生育年数の長い広葉樹は総じて固い木材が多いです。日本の木材流通の中では、ハードウッドは広葉樹の中でも特に固い木材と言うニュアンスで使われることが多いかもしれません。
木材の固さは通常「比重」で表されます。ちょっと耳慣れない単語ですが、比重とは物質の「密度」を比較する際に使われる言葉です。木材の場合は通常水と比較されるので、「比重0.7」の木材の場合は「同じ体積の水の7割の重量(密度)である」という意味合いになります。
ではその固い木材の定義は?と言うと実は曖昧で、明確な基準はありません。が、木材を比重別に見てみると比重0.5〜0.7前後の間に多くの樹種が集中しており、比重が0.5よりも大きくなってくると固い木材の部類に入ってくる印象です。扱いやすさの面を見ても比重0.5未満になると明らかに軽くて扱いやすく、0.7を越えると天板サイズを一人で扱うのは難しいくらいのずっしりとした重量で、穴開けなどの加工も電動工具が無ければ難しくなってきます。
固い木材のおすすめの用途として、一番に挙げたいのは天板です。天板はテーブルやカウンター、箪笥等の一番上に取り付ける広い板のことで、取り付け場所によってはワークトップとも呼ばれたりします。天板はその上で食事や書き物など「作業する」、「上に物を置く」ことが多いという特性から非常に傷や汚れのつきやすい場所。そうしたダメージを防ぐには、始めから固い木材を使うことをおすすめします。
また、床材やウッドデッキなど、足元に使われる木材にもハードウッドは好まれます。これも天板と同じで、接触やダメージの多い部分には耐久性に優れた固い木材を使うと早く痛むことを防げます。基本的には、傷つきやすい用途や長年大切に使いたい家具などには固い木材がおすすめです。
生物として針葉樹よりもはるかに種類の多い広葉樹はその木目や色も多種多様です。生育に長い時間がかかる広葉樹は木目が美しく詰まっているので、研磨して塗装すると綺麗な色とツヤが楽しめます。もちろん杉や桧の木目もとても綺麗ですし、日本では昔から愛されてきた建築材料ですがバリエーションと言う意味では広葉樹に軍配が上がるかと思います。
POINT 固い木材
・一般的に耐久性が高いので、長年使用したい家具や床におすすめ |
「では柔らかい木材は傷がつきやすく、汚れやすいの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。ウィークポイントを挙げるとそうなってしまうのですが、柔らかい木材にも適した用途があります。軽く柔かい木材の最大の長所はその「扱いやすさ」。ちょっとあいまいな表現ですが、どんなところが扱いやすいかは大きく二つあります。
柔らかい木材は固い木材のように木目が密集しておらず、加工が比較的行いやすいです。ハードウッドに穴を開けようと思うと、インパクトドライバー+ちょっと体重もかけて「ヨッ!」と声を出して開けたいような感じですが、杉や桧などの軽軟な木材はスイスイと気持ちよく穴が開きます。なので強度等の問題がクリアできている用途や見えない場所、お子様と行うDIYなんかには軽くて柔らかい木材を使うことで作業効率がよくなります。
▼木材DIYならインパクトドライバーは必須
マルトクショップ のように通販で木材を購入いただく場合、どうしても体感して頂き辛い木材の重量。美しくて耐久性の高い樹種の多いハードウッドですが、その重量はなかなかのものです。使う部品の多いタンスや大型キャビネットを仮にハードウッドの総無垢で作ったとしたら、とてもじゃ無いけれど動かすことが難しい重量の作品が完成します。
そんなときに活躍するのが軽く柔らかい木材。外から見えない棚板や背板にこうした木材を使用することで家具の重量を調整することができます。
POINT 柔らかい木材
・柔らかいので加工が手軽、DIY初心者でも扱いやすい |
マルトクショップ でも人気のホワイトオーク 、オーク、ナラは産地の違いはあれど近縁種。材質は3樹種ともよく似ています。木目も美しく、節もカッコイイのでビジュアルだけでもファンの多いオーク類ですが、その実非常に固く、重厚な材質の樹種としても知られています。比重は0.6〜0.75程度、針葉樹とは比較にならないずっしりと詰まった木肌をしています。天板をはじめとした家具はもちろん、床材や内装材として幅広く愛される木材です。
「ハード」と名前に付いている通り、ハードメープル もかなり固く重量のある樹種。比重は0.72前後、オークとほぼ同等の重たい樹種です。重さの通りみっしりときめ細やかな木肌は研磨すると独特の金属的な光沢を放ち、その美しさは「木の真珠」なんて言葉で表されたりします。
ハードメープルは美しく繊細な見た目とは裏腹にかなり固い木材なので、産地である北米では体育館の床やボーリングのレーンなどにも使われて来たそうです。
鮮やかな赤色と美しい木目が特徴のブビンガ。様々な木材が並んでいても一際目を引くインパクトのあるビジュアルをしたアフリカ産広葉樹です。ゼブラやウエンジ等、アフリカからやってくる広葉樹はかなり重厚な樹種が少なく無いのですが、ブビンガも例に漏れず端材を手にとっただけでも「重い!」と言いたくなる重量感。マルトクショップ で扱っている中でもトップクラスの固い木材です。その美しさから化粧板用の突き板として加工される他、楽器にも使用されます。
栗は日本では昔から固く耐久性に優れた木材として使われてきた木材。天板、食器、建築材料などあらゆる用途に使われてきましたが、その固さを象徴する使われ方としては鉄道の枕木があります。何トンもある列車を数年単位で支えてきたと考えると、いかに頑丈な木材であるかは想像に難くありません。日本では学校に植わっていたり、街路樹としても見かけるあの栗の木は、実は優秀な材木になる木だったりするんですね。
栗の木は赤みが少なくくすんだ黄褐色をしていて、板目の木目がとても綺麗な木材。和洋どちらのインテリアにも無理なく合わせられる、優しい表情が魅力です。
施工業者様やDIY上級者を中心に、一定の需要があるバーチ(カバザクラ)。カバ材は産地によって色や木目の違いが大きく様々ですが、きめ細かい木肌と、光を反射して輝く美しい木目が特徴です。目立って大人気と言う樹種ではありませんが、木肌もきめ細かく美しい木材なので好きな人はいつもカバザクラを選択する、と言う方もいらっしゃいます。
バーチ(カバザクラ)は固いだけでなく、摩耗にも強く、衝撃吸収性もあるので建材の他にフローリングとしても良く使われる木材です。産地やグレードによって見た目も価格も幅広く、奥の深い樹種です。
▼バーチ (カバザクラ )の作品写真
人気のハードウッド についてご紹介しました。木材は数あれど、その材質は様々。用途に合わせて固さや重量を選ぶことでよりDIYの完成度を高めることができます。耐久性、傷がつきにくい、テーブル天板、長く愛用したい・・・・そんなワードの当てはまる木材をお探しの場合は、ぜひ固い木材、ハードウッド をご検討ください。きっと、長年のパートナーになってくれる素敵な木材と出会うことができますよ。
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