2017年9月12日
自然塗料の再塗装(メンテナンス)
自然塗料を施した材も経年劣化します。
材に優しく天然素材の味わいを復活させるために
再塗装は、材が蘇るばかりか、末永くきれいに使用するために欠かせません。
普段使用し続けていると再塗装のタイミングが難しいですが、使用頻度の高い場所なら1年くらい、そうでない場所でお使いの場合なら2年目あたりが再塗装の目安です。その間で、自然塗料塗装専用のワックスなどを用いてメンテナンスをされていると、再塗装の間隔は長くなるでしょう。
購入当時に比べ、撥水性が落ちたとか、部分によって塗装面の色が異なるといった場合も、再塗装の時期です。
いずれにしろ、塗装面が気になりはじめたら再塗装のタイミングかも。
前々回の「リペア1」編では、未塗装材への自然塗料塗装法をご紹介いたしましたが、今回は塗装材の経年劣化による再塗装についてご紹介します。
風通しの良い、広い場所で作業を行いましょう。塗装準備から塗装完了まで数時以上要します。完了後も、一昼夜置いて塗料を馴染ませます。作業中は、塗料の飛沫が飛ぶ可能性があるので、周囲を養生してから作業に適した服装で行いましょう。
塗装の仕上がり具合は、下地の処理で決まります。下地の良し悪しが如実に表れるのが塗装です。
再塗装の場合は、塗装面をサンドペーパーで磨いておく事がポイントです。
まずは、古い塗装を剥がしておきましょう。80番(粗目)のサンドペーパーで磨き始め、少しずつサンドペーパーの番手を上げながら、最終的に240番のサンドペーパーを用いて仕上げます。磨きもれが無いかよくチェックしましょう。
磨き残しや磨きが足りない箇所があると、研磨時には分からなくても塗装後に色合いの違いが目立ちます。
材表面の古い塗装を剥がします。電動サンダーがあれば手早くできます。なければ時間がかかりますがサンドペーパーで粗い番手の(80番)から徐々に番手を上げて磨きましょう。
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( 下地の整え方に関しては、既刊の「リペア2」下地を整える・・サンディング術をご覧ください。 )
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塗装をする
(準備するもの)
・サンドペーパー(80番、180番、240番) ・電動サンダーまたはサンドペーパーフレームか当て板 ・耐油性手袋(使い捨てのラテックス製、ニトリル製など) ・布地(ウエスもしくは、白い綿布) ・塗料(OSMOcolorやWATOKOオイルなどの自然塗料) ・バケツ(使用済み用具処理用) |
【塗料使用時に必要なもの】左から:耐油性手袋、自然塗料、布地(白っぽいも)
塗装の手順 (1枚板の天板の場合)
※塗装対象材は、表面を磨いで準備しておきましょう。サンドペーパー「240番」以上で下地を整えておきます。
お薦めの塗装用具は、刷毛(ハケ)よりも布地が塗りやすいです。
一般的には、自然塗料の塗装には刷毛を用いますが、マルトクでは綿布地を用いています。
布地に、自然塗料を含ませ軽く絞り、(下記、塗装の順番参照)板目に沿って塗り込むようにして塗装します。
液だまりが出来たら、布地で拭き取っておきます。
1) 塗料をよく吸う木口から塗ります。
2) 塗料を布地に少しずつ足しながら、板目に沿って表面を均一に塗ります。液溜まりが出来ないよう薄く伸ばします。
3) 1回目の塗装が終わって15分〜30分後、テカリが残っているようなら汚れてない布地で余分な塗料を拭きとります。
4)1時間程度乾燥させてから、2回目の塗装を行います。塗料は1回目よりもさらに薄く塗ります。
5)1時間程度乾燥させた後に、再度塗料の付着していない布地でよく拭きます。
塗料が付着した布などは、放置しておくと自然発火(※1)する恐れがありますので、使い終わったらそのつど水に浸し処分して下さい。もしくは焼却処分しましょう。
塗装は、布地に塗料を含ませて塗り込みます。液だれ、液溜まりが起きないよう、少量ずつ塗料を使用します。
効率良く、きれいに塗装する為に裏面から表面の順に塗装します。まずは、塗料を吸いやすい木口(コグチ)を先に塗り込みましょう。最後に表面を塗装することで作業がしやすくなります。裏面を塗るのは、ソリ予防の為です。
表面を最後に塗る理由は、塗料の液ダレが表面に現れなくするためと、裏返した際にゴミなど付着しないようにするためです。
表面を2度塗りする場合も、裏面は1度塗で充分です。通称「裏捨て塗り」と言われる最小限の反り止め用塗装法です。
塗装面の順番:番号順に塗装。コグチ→コバ→裏面→表面の順に塗ります。
塗装は、DIYで行うなら自然塗料がお勧めです。蜜蝋やカルナバロウなど使用する場合でも下地は自然塗料です。
内装材用の自然塗料は「OSMOカラー」や「WATOKO」がポピュラーですが、塗料店、ホームセンターで様々なタイプが市販されていますので一度ご覧になるといいでしょう。併せて、専門家に詳しく塗装の方法を聞くと共に必要な材料や用具を揃えましょう。
研磨、塗装の参考動画
https://youtu.be/vsxWA0GDERk
(その他マルトクショップ動画はこちらから)
https://shop.woodworks-marutoku.com/movie/
もくもく通信 関連バックナンバー
【マルトク的「塗装学」その5】5 自然塗料を塗った木材のお手入れ
【塗装時の注意】
・(洗浄液など販売されていますが、薄め液としては使用できませんので注意してください。
※1)自然塗料がついた刷毛や布地は、空気中に放置すると自然発火の恐れがありますので、充分水につけてから処分しましょう。詳しくは、塗料の説明書きをよく読んで安全に作業して下さい。
◎参考:塗料メーカーサイト(OSMO)
http://osmo-edel.jp/osmocolor/faq/