2024年6月27日
マルトクショップ で木材をご注文いただく際に、所々で独特な単語が出てきて戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。木工の世界では標準語として使われるようなありふれた言葉でも、意外と知らない方も多いもの。今回のもくもく通信では木工DIY初心者の方向けに、お客様のお問い合わせや間違いの多いワードについて解説しています。
目次
– 素材についてのよくあるご質問1:木口・木端の違いがわからない
– 加工位置のよくあるご質問2:コーナー加工のABCDとは?
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面取り加工中の様子
木材の加工にはとてもたくさんの工程や加工部位があります。本来とても複雑なものをひとつひとつシステムに落とし込んで、DIY初心者の方でもオーダーいただけるようにと開発したのがマルトクショップ のオーダーフォームの始まりなのですが、正直なところまだ独特な言葉が分かりにくかったり、改善の余地があると私たちも感じています。
今回の更新では、マルトクショップ にお寄せいただくお問い合わせの中で、特に頻繁にお問い合わせいただく加工についてのご質問についてまとめています。
木口 | カットした際に、年輪が見える断面。丸太で言えば輪切りをした断面 |
木端 | 年輪の見えない方の断面。丸太を長さ方向にカットした断面 |
木表 | 板目の木材の、樹皮に近い部分。白太が出やすい |
木裏 | 板目の木材の、芯に近い部分。白太が少ない |
木材を板にしたときに、ひとつひとつの面に名称があるのはご存知でしょうか?基本的に板材はすべて【六面体】で出来ています。特にご質問が多いのは断面部分である木口(こぐち)・木端(こば)。木材は樹皮に近ければ近い場所ほど白太が多くなり、木表側に反るという性質があります。木口・木端の方向を間違えると木材の反りに繋がったりするので、木工DIYを行う場合には頭の片隅に置いておくと良いかもしれません。マルトクショップ で販売しているような幅はぎの木材を購入する場合は、反りや白太のバランスを考えて木表・木裏を交互に組み合わせるので、極端に片方に偏った反りは出にくくなっています。
無垢材とは本来丸太から切り出したままの一枚板のことを差しマルトクショップ で取り扱っている木材は主に無垢材(幅ハギ材)と集成材の二種類です。ますが、マルトクショップ の無垢材は幅100mm以上は無垢板を幅方向のみ接着した幅ハギ材になります。(この幅は樹種によって多少異なりますが、どんな樹種でも確実に一枚板でお送りするのは100mmまでです。)
天板等に使用できるような無垢一枚板も、入荷があった時のみ販売しています。
集成材は30×250〜300mm程度の無垢材のピースをモザイクのように接着した素材。木材の厚さ方向はすべて無垢材になるので、突板や合板とは違って無垢材同等の強度があります。比較的樹種のバリエーションは少なめですが、無垢材よりは価格がリーズナブルな製品が多く需要が高いです。
マルトクショップ でフリーカット木材をオーダーする際に、よくご質問いただくのが面取りやコーナーRの「指定位置」です。板を立体的に捉えて指定する必要があるので、DIY初心者の方であったり苦戦してお問い合わせいただくお客様が一定数いらっしゃいます。マルトクショップ のすべての加工の共通点としては、
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を始点Aとして、4つの角を時計回りにA→B→C→Dと定義してすべての加工指定を入れる仕組みになっています。
面取り加工のサンプル
面取りとは、木材を直方体として捉えた際の、「角以外の辺部分(画像の赤線・青線部分)」に施す加工です。先述した四つ角のA・B・C・Dで表す場合、
辺A-B → 面取りA
辺B-C → 面取りB
辺C-D → 面取りC
辺D-A → 面取りD
と、面取り加工の出発点のアルファベットで加工位置を指定します。(→面取り加工について)面取り加工には、木口と木端の磨き(カット後の刃物の後を磨いて滑らかにする加工)もセットになっているので、塗装もオーダーされる場合には必ず面取り加工もオーダーいただく必要があります。(磨いていない断面には塗装は出来ません。)
面取り加工が辺部分の加工なのに対して、コーナー加工は「四つ角」のみの加工となり、アルファベットのA・B・C・Dと必要な値(R加工なら曲面の半径、斜めカットならXとY)を入力することで指定します。
コーナー加工無しでも塗装等はお受けしておりますが、全くトリミングしない木材の角は鋭利なので、天板等でそのまま使用するような場合は面取り加工とセットで行うことを推奨しています。
面取り・コーナー加工に次いで、塗装についても多くのお問い合わせをいただきます。マルトクショップ で行なっている塗装は大きく分けて「自然塗料塗装」「ウレタン塗装」の二種類。塗装についても、他では聞きなれないワードや押さえておきたいポイントがあります。
マルトクショップでご注文いただける塗装は以下の通りです。
塗料 | マルトクの塗装指定 | 内容 |
ウレタン塗料 | ウレタンクリアー両面 | ツヤ消しのウレタン塗料を表裏両面に塗装する |
ウレタンクリアー裏捨て塗り | ツヤ消しのウレタン塗料を表裏両面に塗装し 裏面は省工程の塗装を行う |
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自然塗料
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自然塗料クリアー両面 | 自然塗料の透明色を表裏両面に塗装する |
自然塗料クリアー裏捨て塗り | 自然塗料の透明色を表裏両面に塗装し 裏面は省工程の塗装を行う |
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自然塗料カラー両面 | 自然塗料を表裏両面に塗装する | |
自然塗料カラー裏捨て塗り | 自然塗料を表裏両面に塗装し、裏面は省工程の塗装を行う |
塗装のご注文で特に多くご質問をいただくのがこの”裏捨て塗り”とはどんな塗装だ、というお問い合わせです。裏捨て塗りとは裏面の美しさが問われないような用途の場合にオススメしている塗装方法です。具体的に言うと”表面は完璧に、裏面は反りや違和感がない程度に多少工程を省いた塗装をする”のが裏捨て塗りです。
本来2度塗りするところを裏捨て塗りの場合は一度であったり、塗料によって”工程の省きどころ”は若干異なるのですがきちんとサンディングをしてから塗装をするので、特にクリアー塗装の場合は正直なところ「裏はどっち?」と言うお問い合わせをいただく程度には綺麗に仕上がります。(現在は裏表が分かるように目印のシールを貼ってお届けしています。)裏面も表面も使う予定があるような場合は両面塗りを、天板や棚板のような裏面にアラが来ても目立たないような用途には裏捨て塗りを選ぶと費用を抑えられるのでオススメです。
マルトクショップ で木材の塗装をオーダーいただいた場合は、通常木口・木端を含むすべての面に塗装を行います。塗装は研磨して整えた面にしか行えないので、マルトクショップ での塗装をオーダーする際には必ず木端・木口の研磨を含む加工である「面取り加工」の同時オーダーが必須となります。
マルトクショップ の加工でDIYのお手伝いができれば幸いです
木材加工にまつわる用語は、聞きなれない言葉も多く一見難しく感じることも多いかもしれません。これからもマルトクショップ ではなるべく分かりやすい表現、ユーザビリティの高いHPづくりを目指して行きます。今回の更新以外にも、分からない単語や知りたいことがありましたらぜひお問い合わせフォームよりおしらせください。
また、用語の解説やよくあるご質問に関しては下記ページやHP下部のチャットボットでも解説しています。こちらもぜひ合わせてご確認いただければと思います。