2023年8月24日
知れば知るほど奥が深く、数え切れないほどある木材の加工。特に面取りやコーナー加工は作品の見た目に大きく影響する部分なだけに、こだわり出すと悩んでしまう部分かも知れません。今回のもくもく通信では、お客様からのお問い合わせの多い「コーナーR加工」について掘り下げてご紹介します。
目次
– 紙に書いてみる
– 1~10R – 11~20R – 21~30R – 31R~
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コーナーRの”R(=radius)”は「円の半径」という意味。そこから連想できる通り、コーナーR加工は木材の四つの角に丸みをつける加工です。全くコーナーに丸みをつけない木材の角というのは実はとても鋭利で、少しぶつけただけでもとても危険なもの。板を水平に設置して使うような、テーブルやカウンターのような家具の場合はほぼ必須の加工と言っても良いかも知れません。
サンドペーパーやトリマーで行うような小さなサイズのR加工(〜5R程度)であれば自宅でも気軽に行えますが、大きいサイズのR加工になってくると、刃物を使ってカットしたりと加工の手法も変わってくるので、手持ちの工具や技術に合わせてオーダーもご検討いただくのが良いかと思います。
お客様からのお問い合わせで意外と多いのが、
「コーナー加工と面取り加工の違いがよくわからない・・・。」というもの。
どちらも木材に施す装飾的な加工ではあるのですが、この二つは加工する”場所”が違います。上記のイラストを見ていただくと分かりやすいのですが、面取り加工は板材を真上から四角形として見た場合の”辺”部分に行う加工。それに対してコーナー加工は四角形の”角”に行う加工です。
どちらも左上の”角A”を基準に時計回りに指定するので、加工内容を考える際には”辺C(辺CD)を手前にして考えると分かりやすいのでおすすめです。
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今回取り上げるコーナーRは、加工の内容も指定方法もシンプルな割には問い合わせの多い加工。特にパラパラと散見するのが、
「どれくらいの大きさが良いですか?」「この写真と同じぐらいなら何Rくらいですか?」
というもの。直径でなく半径で大きさを指定することもあり、現場の私達の想像以上にイメージが付きにくいのかも知れませんね。そんな時には、ご自宅にあるものでも簡単にコーナーRのサイズを確認することができます。
コーナーRでオーダーに迷われている方によくご提案しているのが、一円玉を基準にする方法。
実は一円玉は直径がちょうど20mmで、マルトクショップ のRで言えば10R にあたります。10Rと言えばちょうど主張が強すぎず、いかにも丸いフォルムにはならないですが触っても痛くない、言うなれば「無難」なサイズ感。カッコイイ印象に仕上げたい場合はもっと小さなRの方がシャープな印象に仕上がりますし、小さいお子様などがいらっしゃるご家庭でしたらもっと大きい方が安心かもしれません。
まずはお手持ちの家具などの角に一円玉を当ててみて、丸みが小さく感じるか大きく感じるかを試してみると手軽にイメージがつきやすくなるのでおすすめです。
ちょっと一手間かかりますが一番確実なのは、紙に実際に円を描いてみる方法。大人にはちょっぴり懐かしい、コンパスで実際に10Rであれば半径10mm(直径20mm)の円を、30Rであれば半径30mm(直径60mm)の円を描いて切り抜き、お手持ちの家具や板の角にあててみましょう。
手頃な家具や板が無い場合は、紙の角にカーブが1/4来るように円を描いて切り取ると、ちょうど板をコーナーR加工したような形になります。
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コーナーRは本来四角形である板材の「角に丸みをつける」加工。曲線は視覚効果でいえば女性的な、優しい印象を与えると言われています。どのくらいの大きさのカーブををつけるかでも印象は変わってきますので、写真等でご覧いただくのが一番わかりやすいかもしれません。
1~5RまでのコーナーR加工は、「触っても痛く無い程度」と考えていただければわかりやすいかもしれません。天板のスクエア感がしっかり残るので、どちらかというとカチッとした仕上がりにしたい方やあまり”コーナーを削りました”感のある仕上がりにしたく無い方はコーナーRは小さめがおすすめです。
10Rくらいになって来ると、多少丸みは感じる仕上がりに。その曲線はちょうど一円玉程度になります。マルトクショップ でオーダーいただくコーナーRの大きさとしては、10Rはとてもポピュラーでよくオーダーいただきます。
コーナーRが11〜20Rになって来ると、パッと見たときにコーナーの曲線が確認できる程度にはしっかりと丸みがつきます。20Rの曲線は大体ピンポン玉程度(直径4cm)ということになりますが、コーナーR加工で反映されるのは円の1/4程度ですので、天板サイズであれば意外とまだまだ四角い感じが勝っている印象に仕上がります。
21R〜30Rでコーナー加工をすると、かなりしっかりとコーナーに曲線がつきます。角がなくなり安全性もアップするので、テーブルと頭の高さが変わらないような小さなお子様がいらっしゃるご家庭にはこのくらいの大きめなコーナーR加工がおすすめです。合わせて面取りもR加工すると、全体的に角がなく優しい見た目と手触りになります。
30Rよりも大きなコーナーRを加工する場合は、デザイン的要素が大きくなります。曲線をつけることで見た目が優しく女性的な印象になるので、お子様向けの家具や家族の集うダイニングテーブルなど、あたたかみのある印象に仕上げたい時には取り入れると効果的です。
「角に丸みをつける」コーナーR加工ですが、実は応用することで天板の形を大きく変えることができます。例えば半円や天板の片側だけを円形にしたい場合は、
曲線にしたい辺の長さの1/2 = コーナーR
になるように指定すると片側サイドだけ綺麗な半円のカーブがつき、かつ片側は壁につけることができるのですっきりと配置することができます。ちなみに完全な円形の場合はオーダーの始めに四角形ベースのカットではなく円形のオーダーができるのでご選択いただけるとスムーズです。
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コーナー加工と面取り加工はどちらも装飾的な要素の強い加工。両方をオーダーする際には両方の加工の相性についても時折ご質問いただきます。何と何が鉄板です、という組み合わせはそんなに無く、正直に言ってしまえば結局のところ好みではありますが、よくアドバイスさせていただくのは下記のような内容です。
コーナー加工は斜めカットよりもコーナーRの方が多くオーダーをいただきますが、面取り加工に関しても、やはり一番多くオーダーをいただくのはR面加工です。
コーナーRでよくオーダーいただくのは10R前後の大きさですが、その場合は面取り加工も3R面程度でR同士で統一してしまうと見た目のバランスは良いです。コーナーをもう少し大きく、30R程度で加工する場合は、面取りももう少し大きく5R面を選択すると綺麗に仕上がります。
C面(表面)加工をした天板
注文数としては、やはり癖のないコーナーR加工、R面加工が他の加工よりもオーダーが多いです。が、近年は家具の見附(見付け、正面から見た際の木材の厚み・断面の部分)を薄くするのが流行のようです。マルトクショップ で言えば、面取りのC面加工(表面)のオーダーがここ数年増えてきています。その場合はコーナー加工は指定しなくても綺麗なので、敢えてオーダーしない方も多いです。
デザイン的に言えば、どちらかと言うとR面・コーナーRは曲線なので優しい印象、角面・斜めカットは直線での加工なのでシャープな印象に仕上がるカットになります。なので人によってはウォールナットなどのダークカラーの木材は直線的にスッキリ仕上げた方が似合う、メープルやバーチ等の明るい色の木材はR加工で柔らかい印象にした方が合う、と言う方も。この辺りは本当に個人の主観も大きいので、あくまで参考程度のご紹介です。
テーブルや棚、家具作りには欠かせないコーナーRをご紹介しました。面取り加工と混同しやすく、お問い合わせの絶えない加工ですが理解してしまえばその活用法は様々。理想のDIYに、ぜひご活用くださいね。
マルトクショップ の「木材を使った理想の作品」ページでは、加工別での作品閲覧も可能です。新しく始めた取り組みで、すべての投稿が分類できている訳では無いのですが、加工の詳細が分からない作品もお問い合わせいただければお調べできますので、お気軽にお問い合わせください。(お調べできるのは自社内で行った加工に限ります。)