2022年3月24日
近年は通信環境の向上や働き方の変化によりリモートワークを導入する企業が増えました。自宅で仕事をする人が増えると共に、「木材を使った自慢の作品」コーナーに多く投稿されるようになったのが昇降式デスクです。机の高さを適切に調節する事で、長時間の作業の疲労度が軽減されます。今回は電動昇降脚を使った昇降式デスクのDIYをご紹介です。
目次
– 1.事前準備
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デスク作成はDIYの定番です。
必要な作業スペースの広さや壁際の空いたスペースに合わせて製作出来るのが既製品にはないメリットです。
その中でも、昇降機能を搭載した鉄脚を使う方が増えています。高さ調節するのが楽ですし、お子様の学習机にする場合、成長に合わせて高さを変える事も可能です。また、座って作業するばかりではなく、一時的にスタンディングデスクとして使うことで、運動不足の解消や気分転換にもなります。
ホワイトアッシュで作った昇降デスク(お客様作品)
電動昇降デスクのお客様の投稿を拝見していると、高頻度で見かける「FLEXISPOT」の文字。調べてみると日本では2016年に販売を開始したスタンディングデスクやフィットネスバイクのブランドとのことで、こちらで天板無しの「脚フレーム」なる商品を販売されているそう。純正の天板も販売されているので、そちらと組み合わせて使用するのが一番無難かもしれませんが、こちらを好きな天板と組み合わせることでデザインだけでなく機能性も高いデスクをDIYできるとのことでDIY界隈では人気が高まっています。
HPを覗いてみると、低価格帯のものでは30,800円(税込)/送料無料、手動だと19800円(税込)/送料無料 と、下手なアイアン脚よりもコストパフォーマンスが良いので、機能性重視の方に選ばれるのも頷けます。今回はこのFLEXISPOTを購入し、マルトクの天板を取り付けてデスクを製作することにしました。

今回はマルトクショップ で一番人気の「タモ集成材」を用意しました。木目の美しさに定評のあるタモ材ですが、集成材は柾目の割合が多く上品な雰囲気です。和室洋室問わず、様々なインテリアに無理なく溶け込みます。面取りは上下5R、壁側になる予定の辺には、PC周りのコードを下に落とすために一箇所切り欠きを入れました。
切り欠きの注文方法はこちら▼
塗装も自分で行う場合はこちら▼
今回は「EJ2W ホワイト」を購入。組み立て用と取り付け用のビスも分かりやすく分類されて入っているので比較的DIY初心者にも優しいように感じました。
・インパクトドライバー+ビット(下穴用のドリルビットとネジ締め用のビット)
・メジャー(コンベックス)
・鉛筆(あまり天板に書き込みたくない場合はマスキングテープも)
ビスは付属品で充分でしたので、用意しなくても問題ありません。天板にビスを打ち込む時には板の割れを防ぐために下穴を開けると綺麗に仕上がりますので、天板取り付け用のビスよりも一回り細いドリルビットも用意しましょう。
オススメ工具はコチラ▼
まずは脚の組み立てを行います。組み立て方法はおそらく型番によっても多少異なるのと、メーカーの説明書がありますので詳細な説明は割愛しますが、付属のビスと六角レンチで全て組み立てることができました。
天板を支える受けの部分を脚に取り付けます。部品の形的に床に干渉してうまく組み立てが出来なかったので、受け金具の下には緩衝材を敷いて高さを出しました。
取り付けが出来たらひっくり返し、脚部分を取り付けます。ビスを止める場所が複数あるので、全てのビスを緩めに留めてから最後に締めていくとズレなどが出にくくスムーズに組み立てできます。
脚の支柱が付けられたら床に接触する支え部分を取り付けます。こちらも複数本のビスで取り付けるので、同じように六角レンチで締め上げます。ここまで組み立てたら、一旦配線関連のパーツは置いておいて先に天板への取り付けを行います。
事前に天板のどのあたりに脚を取り付けたいか、取り付け位置のあたりを付けておきましょう。今回は左右からそれぞれ50mm位置に設置することにしました。目安がついたら鉄脚を天板の取り付け面に載せて(上下左右をよく確認!)、中央にある4つのビスを緩め、脚の位置を決めましょう。緩めることで脚の幅が左右に開くようになるので、写真のように好きな幅に調節することができます。
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取り付け位置が決まったら墨付け(印をつけること)をします。天板に直接書き込みたくない場合はマスキングテープを貼った上に書き込むと後で剥がすことができます。この墨付け作業は慣れた方なら無くても大丈夫ですが、行っておくとビスを打ち込む際にズレを防ぐことが出来ます。▼
墨付けが出来たら、付けた印に脚の位置をきっちり揃え、先ほど緩めたボルトを締めて脚のサイズを決定します。インパクトドライバーにドリルビットを装着し、ビスを打ち込む部分に下穴を開けて行きます。下穴無しでビスを打ち込むと天板に割れが生じたり、ネジ穴をなめてしまったりするので必ず行いましょう。
下穴作業はオーダーも可能です
今回のDIYでおそらく一番難易度が高い天板の下穴作業。特にDIY初心者の方の場合は、ズレてしまったらどうしようと心配になってしまう方も多いかと思います。マルトクショップ では天板の下穴作業や鬼目ナット加工(ナットを埋め込んでボルトで連結できるようにする加工)もオーダー可能です。取り付けたい脚によっても加工位置が違うので、加工位置の分かる図面で指示を頂ければお見積りいたします。
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下穴が開いたら、付属のビスを使って天板に取り付けて行きます。ビス留めのポイントは板に垂直に!少し体重をのせるように打ち込むと、堅い木材でもスイスイビスを打ち込めます。(もちろん下穴は必須です)今回購入した「EJ2W」では、片側四箇所、八箇所のビスで固定しました。▼
ひっくり返して設置する前に、配線も完了してしまいましょう。説明書通りにコードを差し込むだけなので、大抵の方は問題なくこなせる作業です。
机の上下を操作る操作盤を机に取り付けます。常に操作するものではないので、PC作業中に体に干渉しない、利き手側の端を選びました。これは好みなので、目につかない場所が良いと思えばデスクの横側でも良いでしょう。今回のように切り欠きを付けた場合は、壁に着く側に取り付けしないようにだけ気をつけてください。
これも単純にビスで取り付けるだけなので、脚を取り付けたのと同じ要領で取り付けます。ビスが二箇所なので、まずは片側の穴に合わせて下穴を空けて、少し緩めにビスを仮留めします。▼
スイッチを入れるとこんな感じ。こちらの操作盤を操作することで、デスクの高さを調節します。
ここまで来ればもう完成したも同然です。最後にFLEXISPOTにはごちゃつきがちな配線を収納するケーブルカバーがついているので、サクッと取り付けます。▼
説明書を見ながら六角レンチで付属のボルトを締めます。このカバーをつければDIYは完了!ひっくり返してみましょう。
普通の鉄脚を取り付けるのと同じくらい手軽に、電動昇降デスクが完成しました。後ろに切り欠きも入れてみたので、デスク周りの邪魔なコード類もまとめて下に落とすことができます。
天板の大きさや樹種にもよりますが、天板に脚を取り付けてからひっくり返す作業にはかなり力が必要です。手伝って貰える相手がいる場合はお願いした方が良いでしょう。尚、このDIYは動画としてもYouTubeにアップされています。参考にぜひご覧ください。
マルトクショップの「木材を使った自慢の作品」ページでは、個人の趣味の作品からプロの施工事例まで、2000件以上の作品を掲載しています。ぜひご覧くださいませ。

近年のライフスタイルの変化に伴って、一気に人気が出た仕事用デスクのDIY。自分にとって最適な環境を作ることのできる、お勧めのDIYです。お家時間の増えた今、挑戦してみてはいかがでしょうか。樹種の相談や、鬼目ナットや下穴等加工のお問い合わせにつきましては、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。