2017年4月13日
木材の塗装の種類
塗装にも様々な素材に対応した種類がありますが、木材用だけでも数多くあります。マルトクショップでは数ある塗料の中からウレタン塗装と、自然塗料の塗装を承っていますが、木材用塗料は、他にもあります。室内用、屋外用などもありますので、自分で塗装する場合は、用途や目的に応じた適切な塗料選びが必要です。
自然塗料塗装のカラーサンプル
2つのタイプ「造膜型」と「含浸型」
木工用塗料は、生きた材といわれる木材の特異な性質により種類が豊富にあります。様々な仕上がり具合を考慮して選択してください。特徴としては、材の表面を被膜で覆う「造膜型」と材に塗料が浸透する「含浸型(浸透型)」に分かれます。
代表的な塗料をいくつか紹介いたします。マルトクショップで扱っているものは「ウレタン塗装」と「自然塗料」の2種です。
ウレタンクリアー塗装の塗装風景
いわゆる「ペンキ」と呼ばれている、歴史の古い塗料です。
アマニ油やヒマシ油等のボイル油(加熱配合油)に顔料を混ぜた塗料で乾燥に時間がかかります。仕上がり感が悪く乾燥にも時間がかかる。最近では、あまり使われなくなっています。専門店で入手可能です。
一般的に普及している塗料です。
油性調合ペイントの弱点を合成樹脂で改善した塗料です。長油性アルキド酸樹脂ワニス(長油性フタル酸樹脂ワニス)に顔料を配合し、仕上がり勘も良く、渇きも早くよく使われています。ホームセンター等で入手できます。
ウレタン樹脂による塗装で、材表面に被膜を形成し耐水性、耐摩耗性などに優れており木の伸び縮みにも順応する優れた塗装。含浸型塗料と比較して湿気や汚れに強いので、水回りには特におすすめです。
仕上がりは色やツヤの程度で様々なバリエーションがありますが、マルトクショップで塗装を承っているのはクリアーの全ツヤ消しです。塗装に技術と設備が必要なので、DIYには一般的には不向きです。
植物油と植物ワックスをベースにした塗料で、塗膜を作らず木部の内部に浸透する調湿性に富んだ塗料です。塗膜を作らない為、木地の質感が活きます。WATOCOやOSMOカラーが有名です。ケミカル成分配合のものもありますが、マルトクショップでは使用していません。柿渋由来の抽出物と荏胡麻油やヒマシ油、ロウ、水等の成分の防腐効果の高いパーシモンも古くから使用されています。塗装が容易なので、DIYでの塗装もおすすめです。塗料が染み込んだ布や刷毛を放置すると自然発火する可能性があるので、使用後の処理はしっかりと行いましょう。
日本で古代から使われている樹液を精製した漆や、漆科の植物カシューナッツツリー、マガタマノキの木の実、カシューナッツの殻を精製抽出したカルダノールを主原料にしたカシュー塗料など。塗装に厚味と光沢が出せるのが特徴。塗装には技術が必要です。管理に注意が必要です。
蜜蝋やカルナバロウなどの蝋成分と植物油が配合された半固形のワックス状の塗布剤。造膜型塗料の塗装面の保護用もしくは単独で含浸用としても使用されます。
アンティーク家具の艶出し用として使用されており木地を活かし自然な風合いに仕上がります。家庭でも扱いやすいのでメンテナンス等にも利用できます。ワックスのみ塗布して使用もできますが、オイル塗装やワニス塗装後のメンテナンス用として用いられるケースが多いです。ホームセンター等で入手できます。家庭用としてお勧めです。
写真左から:オイル塗料、ワックス、柿渋などの自然塗料。何れも家庭でも扱える。(使用上の注意を遵守)
次回は、引き続き「塗装」続編として、ウレタン塗装と自然塗料塗装の違い編をお送りします。