2018年9月11日
カーボンバッテリーをご存知ですか?現在普及しているバッテリーは多くがリチウムバッテリー。
ただそのリチウムバッテリーは、性能や利便性を優先するがゆえ、コバルトやニッケルなどのレアメタルを用いたソリューションでは環境負荷が大きく、 資源制約も受けやすいため、地球を取り巻く環境問題を引き起こし兼ねないと言われているそう。
そこで、材料や製造工程のすべてにおいて、サスティナビリティ(社会持続性)を追求したカーボンバッテリーを創造し、 世界の様々な環境エネルギー問題への解決策としていきたい。今回取材させていただいたPJP Eye LTD. はそんな会社です。
“社員同士の交流がしやすいオープンオフィス”
”距離感が近すぎず遠すぎないオリジナルサイズのテーブル”
家具や空間においても、多くのこだわりがありました。
そんなお話をPJP Eye LTD. 代表取締役社長 仁科 浩明さまにお伺いしました。
「現在普及しているのはリチウムバッテリーっていって、それは爆発の恐れがあるから飛行機に持ち込めなくなっているんですよ。それでも今までは、性能や利便性を優先するがゆえに、そういう危険や、環境負荷が大きいものを作っていたの。
それに対して僕たちは、カーボンバッテリーというものをより良い代替策として用意しています。」
― そうなのですね。カーボンバッテリーは、どのように優れているのですか?
「まず爆発しない。さらに材料や製造工程においても環境負荷が発生しないように作られているから、本当の意味で地球に優しい電気なんですよね。
さらにそれだけじゃなくて、通常のものよりも3倍から5倍くらいは長持ちする。
しかも、通常1時間以上かかる充電が、専用のものを使うと7分くらいで充電が終わるんですよ。
最近はそんなカーボンバッテリーをソーラーで充電できるようにもなっています。
この技術を使って、電気がないところに電気を届けたいというのが、私達の事業の想いですね。」
― それはすごいですね。今は電気がないところで電気が使えるようになると、現地の人はとても嬉しいのでしょうね!
「ところでこのテーブル、存在感あるでしょう。これがオフィスのシンボリックなテーブルになっています。
市販のものではもう少し幅の広いテーブルしかなくて。それだと話しにくいし、距離を感じてしまうじゃないですか。
だからちょうどいい距離感になる机がなくて、マルトクさんでオーダーしました。」
― 確かに、言われてみると絶妙な距離感ですね。このちょうどいい机と、このすっきりとした空間がオフィスというよりもショールームのように見えます。
「カルフォルニアとかシリコンバレーとかグーグルとか、全部オープンオフィスですよ。
その方が人は活発にコミュニケーションを取れるじゃないですか。
社員が帰りたくなくなるようなオフィス、話しやすいオフィスにしたかったんですよね。
時々ここでお鍋をしたり、お寿司の職人さんを呼んだりもしています。
オフィスが交流の場として、アットホームに使えるのがいいですね。
仕事をするだけではなくて、広い意味で交流ができる場。そんな場にしたいと思って、こんなオフィスになりました。」
― 交流しやすく、社員が帰りたくなくなるような空間、素敵ですね。
「そうなんですよ、オンオフなんかは関係ないよと。
うちも中小企業ですけど、ベンチャーで資本金が大きかったりするわけですから、急激に事業を成長させていかなきゃいけない。そういう意味ではブラックかもしれませんね。
でもそれが、嫌々やってるならそうですけど、そんな人はうちにはいないですよ。
あとは何を目的としているのかっていうところですよね、一つの目的に向かっていて、それに対してどのように自分が貢献できているのかっていう意識。
例えば職人さんでいうと、数人で作った机とかが完成するときにリーダーが最後に一通り見ると思うんだけど、コンコンって調整したりしてね。
でもそれに携わった職人全部が、”俺がこの棚作ったんだ、引き出し作ったんだ”っていう誇りを持てますよね。
そういう意識で仕事をしていくような組織、オフィスにしていきたいです。」
― 確かに、自分がどのように貢献できているのかということが自覚できていれば、誇りを持って働くことができますね。そういった意識を、オフィスから作っていきたいということですね。
「そうですね。このオフィスにこのテーブルは欠かせません。まさに象徴してくれています。」
「あと、最近はプラスチックの、合成の石油でできた木目状の壁紙なんかが貼られたものも多くありますよね。見た目はほぼ変わらないかもしれないけど、やっぱり何か違いますよね。
生きたものがそこにあるのと、オイルからできたものがあるのって感覚的だけど全く違うんですよ。
極論を言うと、コンクリでできた部屋にいるのと、木でできた部屋にいること、どちらを選ぶかってことですよね。
やっぱり自然と、人間は生きたものを求めているように思います。」
― 確かに、肌触りや見た目の質感はいくら似せても、やっぱり本物ではないことはわかりますものね。やはり自然素材の方が安心できるというか、心が乱されないような気がします。
― こんな素敵なオフィスをお持ちだからこそお聞きしたいのですが、いいデザインって何なのでしょうか?
「やっぱり、シンプルなものだと思いますよ。シンプルなものって魅力をみせるのが難しいじゃないですか。
昔からずっと今も愛されているデザインって、どこかシンプルなものが多いように思います。いいデザインって、古さを感じさせないですよね。
人間の生き方と一緒で、シンプルであることは難しいけれど、魅力的なんですよ。」
― なるほど。確かに、研ぎ澄まされた簡素なものを美しいと感じることは多い気がします。
「あとは、昔のものはそもそも最初から長く使えるように作られていたと思う。つまり修理することを前提で作られていたということ。
けれど今はパソコンとかでも修理で5,6万円かかるとなると、買い替えちゃいますよね。そういうものが多すぎるんですよ。
使い捨てのものが普通になってしまっているということかな、それはそれでありなんだけど。
長く使えて、状況に合わせて手直しができるもの。そういうものが、良いものなんじゃないですかね。」
― 大量生産の時代だからこそ、大切にして行きたいですね。
「そうですね。大量生産、要するに変更がきかないものですよね。
パソコンだとメモリとかはいじれるけど、外装変えたりとかは無理ですよね。修理すること自体がフルオーダーになってしまうようなイメージ。
そもそも修理できるように作られていないですからね。するとものの本質が壊れちゃいますよ。全部取り替えないと直らないというのは。
だから突き板の家具や棚なんかは、修理きかないですよ。
無垢の家具だと、コーヒーの跡とかついても、バーっと仕上げ変えたりしたら修理できるじゃないですか。そういうものが、僕は良いものだと思います。
修理が効くもの、時が経っても最初のような感動を与えてくれるもの、それがいいですよね。」
「昔の桐のタンスとかは、汚れたあと、嫁に行くときに、1枚ヒューっと表の薄皮を切るんですよ、すると綺麗になる、だから代々使える。この無垢のテーブルも一緒ですよね。
もう一回綺麗にして色味を変えようと思ったときに、サーっとヤスリとかサンダーでやると、違う色味にフィニッシュを変えるとか、色々できるじゃないですか。
でも今は使い捨てのものが増えて、その結果林業が手薄になって、山が荒れてて、環境問題ですよ。自然とはいえ、ほっとけばいいというわけではないですからね。
だから僕たちのバッテリーも、御社の木材もそうだけど、地球のことを本当の意味で大切にできるような商品を届けたいですよね。
地球を壊さなくても、便利な生活は作れる。
そのために、僕たちのような会社はもっともっと大きくならなきゃいけない。
これからも、お互い頑張りましょうね。」
終始熱を込めて、それでも気軽に、色々なことをお話ししてくれた仁科社長。
実際に支援活動を行なっていることや、常に地球にとっていいことを、持続可能であることを念頭において事業を展開している様子は、素直に”かっこいい”と思いました。
物に対してや空間に対しても自分の考えを持っており、現状の資本主義の中で矛盾を抱えながらも、持続可能な社会に向けて、”地球の隅々まで電気を届ける”ということの実現に奔走する様は、誇り高い姿でした。
私たちも、木材という自然素材を扱う身として、地球にとっていいこと、持続可能であること。そういったことを常に考えながら、木材を通して多くの方を笑顔にしていきたいと思います。