木の基礎知識 マルトクショップ「もくもく通信」

インパクトとドリル -電動ドライバーの基本-

2020年4月23日

木材でDIYをしたい!と思ったら必ず必要になるのが木工用の工具や金物。作りたいものに対して何が必要なのか、ピックアップして道具を揃えるのは意外と手間もお金もかかるものです。今回からのもくもく通信では、DIYをする際に必要な基本の道具やその使い方などを特集していきます。

 

目次

 

道具編第一回:電動ドライバーの基本

【1-1】ドリルとインパクトの違いは?

【1-2】アタッチメント付きのタイプなら一台で何役も

【1-3】実際に使ってみよう!

【1-4】最低限必要なビットは?

【最後に】これが無ければ始まらない!まずはドライバーを買おう

 

 

道具編第一回:電動ドライバーの基本

まずは電動ドライバーを手に入れよう

 木を使ってDIYするなら、最初に買うべきは電動ドライバーと言っても過言ではありません。ビスでの接合、穴開け、ボルトの締め込みはもちろん、アタッチメントを変えることで木材の研磨ができたり丸ノコとして使える商品まで!一家に一台持っていると便利なのが電動ドライバーです。
そんな便利な電動ドライバーには種類があることはご存知でしょうか?(私はマルトクに入社するまで知りませんでした。)大きく分けて「ドリルドライバー」と「インパクトドライバー」があります。

 

ドリルとインパクトの違いは?

左:ドリルドライバー 右:インパクトドライバー

 

価格が手頃、細かい作業ならドリルドライバー

 

・ハードウッドの加工にはパワーが足りない面も
・パワーを調整できるので細かい作業に重宝
・カラーボックスなどの簡易家具の組み立てには充分

ドリルドライバーは主に「ネジを締める」「穴を開ける」作業に特化した電動ドライバー。電動で回転するので、手動よりもはるかに効率的にDIYを進めることができますが、インパクトドライバーよりはパワーがないので、硬い木材の加工の際にはネジが入らず最後に手締めする必要が出てくる場合も。
そんな高負荷作業には向かないドリルドライバーですが、最大のメリットはトルク調整機能が付いていること。ビスの締めすぎを防ぐことができるので、柔らかい木材の加工や小さなビスをたくさん取り付けるような加工はインパクトドライバーよりも効率的にこなすことができます。また、インパクトドライバーと比較して価格が安い商品が多いです。

■オススメ商品
makita 充電式ドライバドリル 18V (本体のみ) DF483DZ
電動工具の代表的メーカー、マキタのドリルドライバー。同じマキタの電動工具同士ならバッテリーが共有できるので、これから工具を集めたい方にもオススメです。
RYOBI(リョービ) ドライバードリル コード付 CDD-1020
トルク調整が20段階も設定できるので、細かい調整が必要な作業をスムーズに進めることができます。バッテリーを気にせず使えるコードタイプ。

 

高負荷作業もスイスイ!インパクトドライバー

 

・打撃と回転を同時に与えることで堅い素材にも負けない
・アタッチメントのバリエーションが多く、一台で何役もこなせるモデルも
・パワー調整にはコツがいるが、調整用アタッチメントも

単純に回転の力でネジ締めや穴開けを行うドリルドライバーに対し、インパクト(=衝撃)の名の通り、回転しながら同じ方向への打撃を一緒に与えることで、堅い木材への高負荷作業もこなすことができるのがインパクトドライバーです。大概の木材であればまず問題なく加工することが出来ます。堅い木材、太くて長いビスを打ちこむような加工であればまずインパクトドライバーを選択するのが無難です。
パワフルな分、使い慣れないうちはビスの頭を潰してしまったり、木材を割ってしまったりというトラブルも出たりしますが、ある程度コツを掴めばスイスイ作業することが出来ますよ。(心配な方は、後付けのトルク調整用アタッチメントがあるメーカーもあります。)

■オススメ商品

 

 

アタッチメント付きタイプなら一台で何役も

アタッチメントを変えれば複数の工具を兼ねることができる

 木材を使ったDIYには、ドライバーだけでなくサンダーやノコギリなどの工具が必要になる場面も出てきますが、本格的にDIYを趣味にしている人でなければ複数の工具を揃えるのはなかなか大変なもの。そんな時に、家庭用のマルチツールとしてオススメなのが複数のアタッチメントの付いたインパクトドライバーです。一例として、マルトク社内の撮影で愛用している下記製品には4つのアタッチメントが付いています。

 

基本はインパクトドライバーとして

まずはベーシックな機能として、インパクトドライバーとして使えます。柔らかい木材であればドリルでも充分なのですが、ハードウッドの穴開け、ネジ締めなどの高負荷作業にも使用するならばインパクトドライバーは一台は持っておきたいところです。

 

ちょっとしたカットなら充分!丸ノコ

例えば細かい部材の多いDIYをするときや、既存の家具のリフォームをするとき。
「あれ?ここちょっとカットしないと合わないぞ…」
なんて場面は意外とあるものです。また、ハードウッドを手鋸で切るのはとても大変。そんな時に重宝するのが丸ノコのアタッチメントです。

 

 

サンダー機能があれば磨きもできる

例えば仕上げ済みの木材を購入しても、湿度が高かったせいで毛羽立ちが出てしまった。塗装前の面に接着剤を落としてしまった。そんな時にはサンダーの出番です。
広い面をガンガン磨くにはちょっと役者不足かもしれませんが、ちょっとした仕上げにあると便利なアタッチメントです。

 

ドリルドライバーとしても使える!

付け替えることでドリルドライバーとしても使えるアタッチメントも。インパクトドライバーでももちろん細かい作業はできますが、少しパワー調整にコツが必要な場合もあります。
素材が柔らかいときや、細かいネジ締めが大量にあるときには付け替えて作業すると作業がはかどります。

 

 

 

◇付け替え簡単!ビット式のアタッチメントも!◇

今回はマルトクで使っている製品を例にご紹介しましたが、ヘッドを付け替えるタイプのアタッチメントの他に、ビットのように簡単に付け替えられるアタッチメントもたくさんあります。

インパクトドライバー用ブラシ-モノタロウ
金属の研磨からお風呂掃除用のラバーブラシまで!木工では出番は少なそうですが、バリエーション豊富でメジャーなアタッチメントです。
インパクトドライバー用スクレーパー-モノタロウ
インパクトドライバーのパワーを借りて、はがす・削る・めくる作業を効率的に。

などなど、本当にたくさんの製品が販売されていますので、「インパクトドライバー  アタッチメント」なんて単語でぜひ調べてみてください。

 

 

実際に使ってみよう!

インパクトドライバーとドリルドライバー、一番多く使うのは穴開けとビス等の締め込みの二つが多いと思います。DIYをこれからはじめる方のために、基本的な使い方を簡単にお伝えします。

 

ビットの取り付け方の違い

穴開け、ネジ締めに関してはインパクトドライバー とドリルドライバーで大きな操作方法の違いはありません。違いがあるのは使用前のビットの取り付け方と、ドリルドライバーにはトルク調整の機能があることです。

 

ドリルドライバーはチャックにビットを差し込み、回して締め込むと爪が出てきてビットを固定します。

 


インパクトドライバーはチャックを引っ張った状態でビットを差し込み、離すと固定。ワンタッチです。

 

 

穴を開けてみる

1.墨付けをする

木材に穴を開ける前に、きちんと穴開けの位置を決めましょう。計測して、位置を木材に書き込むことを墨付けと言います。計測と墨付けが綺麗にできたら、作業の半分は終わったと言っても過言ではありません。

 

2.穴開けは垂直に、ゆっくりと

必ず板に垂直になるようにドライバーを構え、ビットを回転させて行きます。最初からパワー最大で行くとまっすぐ入らなかったり、板が割れたりするので最初はローパワーで。
必要な深さまで穴を開けたら、スイッチを切り替えて逆回転させながらビットを抜き取ります。
間違ってもそのまま抜いてはいけません。ビットが折れてしまいます。

 

3.大きな穴は段階を踏んで開ける

素材にもよりますが、大きな穴を開ける場合はいきなり開けず、細いビットから段階を踏んで穴を大きくして行きましょう。いきなり太いビットを打ち込むと、板が割れる可能性があります。

 

 

 

 

 

ボルトを締める

1.下穴は必ず開けておくこと

ビスを打ち込む素材が木材の場合は、必ず予定の場所に下穴を開けておきましょう。板が割れるのを防ぐことができます。下穴の太さはビスのネジ部分の谷径よりも細く開けましょう。
金物にも色々と種類がありますが、木ねじと呼ばれるビスが木工ではよく使われます。

 

2.ビットのサイズ選択を間違えないように

作業をはじめる前にビットとビスを合わせてサイズの合うものを選びましょう。サイズの合わないビットで無理に作業すると、ネジ穴をなめてしまう(潰して穴がなくなってしまう)ので注意が必要です。

 

3.打ち込む方向に軽く圧をかけながらゆっくりと

歪んでビスが入らないように、必ずドライバーを垂直に持ってビスを打ち込みます。途中で硬くなり入らなくなることがあるかもしれません。(特にドリルの場合)そうした場合は無理せず一旦抜いて下穴を広げるか、残りが少しの場合は手締めに切り替えましょう。

 

 

 

 

 

最低限必要なビットは?

DIY初心者の方は、ホームセンター等に売っている基本のセットを一つ、工具箱に入れておくと安心でしょう。基本的には穴開け用のドリルビットビス留め用のドライバービット六角穴用の六角ビットがあれば大体のDIYには対応できますが、結局のところ必要なサイズは製作物によっても変わってきます。
汎用性の高い基本のセットをひとつ持っておいて、特殊なサイズが必要になったときはその都度単品で買い足す、という人がおそらく多いのではないかと思います。

 

 

 

 

これが無ければ始まらない!まずはドライバーを買おう

今回は木工DIYの基本の「キ」、電動ドライバーについて取り上げてみました。DIY上級者の方も、意外と知らないこともあったのではないでしょうか?木材のカット、サンダーがけや複雑な金具の取り付けなどはマルトクショップでお手伝いさせていただくことが出来ますが、電動ドライバーだけはご家庭に一台あると日曜大工のバリエーションがグッと広がること間違いなしです^^ マルトクショップでは、

「この木材でこんなものを作りたいんだけど、何を揃えればいいかな?」
「この写真と同じようなものを作りたいんだけど・・・」

なんてご相談にも喜んで乗らせていただきますので、DIYの際にはぜひお気軽にご相談くださいね。

→お問い合わせフォーム

 

電動ドライバーを買うなら!オススメショップ

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中島弘樹

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