2020年1月16日
似ている樹種、どうやって選んでいますか?
木材を選ぶときに、「樹種の違いがわからない・・・」なんて困った経験はありませんか?
ごく近い品種の木が産地によって違う樹種として扱われていたり、
違う品種の木材がまとめて同じ樹種として扱われていたり、木材の分類はとても複雑。
今回のメールマガジンでは、「よく似ているけどちょっと違う」近縁種の樹種をご紹介します。
色の違い
どちらも人気なタモとホワイトアッシュ。この二つの木材は品種的にもごく近い種類の木。
はっきりと際立つ木目と、しなやかで粘りのある材質を合せ持つ高級木材です。
この二つの樹種の違いとして一番大きいのは色目の違いが挙げられます。
木目の美しさはどちらも変わりませんが、タモの方が赤みがかっていて落ち着いた茶色が特徴です。
それに対して、製材したばかりのホワイトアッシュはクリームがかった白い色をしています。
ホワイトアッシュは赤白がある
また、ホワイトアッシュは赤白(芯材と辺材の色の差)のある木材です。
杉やバーチと同じように、木材の中心に近い部分は赤味がかった色をしているので、
製材した時にタモよりは個性的な仕上がりになる場合があります。
こうした特徴を踏まえて、着色して使用するお客様が多いのもホワイトアッシュの特徴です。
マルトクで不動の人気を誇るホワイトオークと、数少ない国産広葉樹としてこちらも人気のナラ材。
英語で表せばどちらもオーク材、とても近い種類のよく似た木材です。
国産材にこだわる方はナラ材を選ぶ方が多いのですが、産地以外にも違いがあります。
きめの細かさ、肌触り
ホワイトオーク無垢材 |
【国産】ナラ無垢材 |
意外と知られていませんが、ホワイトオークは木材の繊維が太くしっかりした木材。
仕上げが甘いと導管の繊維の感触が肌触りに出てくることもしばしばあります。
それに対してナラは多少ですが繊維がきめ細かく、同じように仕上げた場合、よりなめらかな質感に仕上がりやすいです。
ダイナミックな節が人気のホワイトオークですが、流れるような木目の節なし材も人気です。
国産のナラ材は供給量が少なく、節や白太の入らない材料は貴重品。
節無しの面材が必要な場合はホワイトオークのみのご案内となります。
山桜の無垢材を使ったカウンターデスク
ブラックチェリーと国産山桜はどちらもバラ科の植物。
近縁種なので赤味のある色やカスリなど、共通点も多いですが、違いもあります。
色味の違い
ブラックチェリー無垢材 |
【国産】山桜無垢材 |
どちらも赤味の強い色をしていますが、ピンクと形容できるくらい赤味の強いブラックチェリーに対し、
山桜は少し落ち着いたトーンの赤茶色をしています。
また、やさしい木目の雰囲気はよく似ていますが、山桜は所々緑がかったスジが入っていたり、
野性味のある表情をしているので個性的なデザインによく合います。
経年変化のチェリー、赤白節有の山桜
2種類のサクラ材はどちらも「クセ有り」な木材かもしれません。
ブラックチェリーは経年変化が顕著な樹種で有名です。
あまり色の変化を好まない方は避けた方が良い樹種かもしれませんが、とても深みのある綺麗な色になります。
マルトクの山桜で特筆すべき点は赤白混合、節有りでの販売という点。
上品に仕上げたい家具には向かないかもしれませんが、光沢のある白太部分も綺麗で好む方も多いです。
今回近縁種の樹種についてご紹介しました。
ネットの写真だけでは分かりにくい細かい違いも、知ってゆくと楽しいものです。
今回取り上げた樹種以外にも、興味がある樹種についてはぜひお問い合わせくださいね。