2019年12月11日
意外と知らない針葉樹と広葉樹の違い
今回のメールマガジンは木のお話です。
針葉樹と広葉樹、聞いたことはあるけど詳しくは分からない、そんな人が多いのではないでしょうか。
世間一般で流通している木材は、ほとんどが針葉樹または広葉樹に属しています。
樹種ごとに個性様々な木材ですが、針葉樹/広葉樹の大きなくくりでの特徴も
掴んでおくと、木材選びに少しだけ役立つかもしれません。
針葉樹は裸子植物という、樹木の進化の初期に現れた植物の一種です。
シダのように草に近い植物しかいなかった地球で、もっと太陽光を浴びるために大きく進化を遂げて
「樹木」となったのが針葉樹の仲間と言われています。
それに対し、広葉樹は裸子植物がさらに進化して登場した被子植物に分類されます。
乾燥に強くなり、動物に運んでもらえるように果実をつけるなど、
進化した被子植物は現在では地球上で一番繁栄している植物です。
針葉樹はマツ科・スギ科・ヒノキ科をはじめとする約540種しか存在していないのに対し、
広葉樹は約20万種とも言われているんですよ。
針葉樹と広葉樹の違い:葉の形
針葉樹と広葉樹で、一番有名なのは葉の形ではないでしょうか。
例外もありますが、針葉樹の葉は針のように細く、広葉樹の葉は葉脈があり幅広い形をしています。
そのほか、材質としての違いは下記のようなものがあります。
針葉樹と広葉樹の違い:硬さ
針葉樹と広葉樹は細胞の造りが大きく違います。
針葉樹の細胞には無数の穴が空いており、空気を含んでいるので材木にした時にはとても軽くて柔らかいです。
それに対し広葉樹の多くは目が詰まっており、ハードウッドと呼ばれる重量感のある樹種が多いです。
とは言っても広葉樹はとても種類が多いので、バスウッドやポプラのように柔らかいものもあります。
針葉樹と広葉樹の違い:樹形
針葉樹と広葉樹の大きな違いとして、樹形の違いも有名です。
針葉樹はわかりやすく言うとクリスマスツリーのように、まっすぐ先細りな形に育ちます。
幹が太くまっすぐ育つので、特に日本の建築において柱などの構造材として重宝されてきました。
それに対し広葉樹は枝分かれして複雑な形状に育ちます。
枝と幹の違いがほとんど無いようなものもあるので、板状に製材して利用されることが多いです。
土足文化の欧米圏では丈夫なオークの床材は重宝されて来ましたし、
何十年と変わらず使えるヨーロッパのアンティーク家具はこうした板で作られています。
針葉樹と広葉樹の違い:価格
広葉樹 | 針葉樹 | ||
---|---|---|---|
ウォールナット | 14,050円 | スプルス | 8,940円 |
ブラックチェリー | 11,020円 | 国産桧 | 8,280円 |
ホワイトオーク | 10,060円 | 米栂(ベイツガ) | 6,110円 |
タモ | 9,420円 | 国産杉 | 5,350円 |
樹種によりますが平均的な話で言えば、針葉樹の方が広葉樹に比べ安いです。
理由としては成長速度の違いがあります。30~40年で木材として使用できる針葉樹と比べ、
広葉樹は成長に100年、200年単位の時間を要します。
また日本国内で言えば、国産材の代表格である杉・桧は日本国内で植林、
伐採されているのに対し広葉樹の多くは輸入材です。
流通コストの面でも価格が上がってしまうという事情もあります。
まっすぐで柔らかく、扱いやすい針葉樹と、美しく丈夫な広葉樹はそれぞれの魅力があります。
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