2021年2月25日
マルトクショップでは時期によって前後しますが、常に40種前後の樹種を取り扱っています。取り扱い樹種の多さはマルトクショップの注力している点でもあるのですが、反面、樹種選びに迷ってしまうお客様もいらっしゃるのが現実のところです。今回からのもくもく通信では、お客様の木材選びのサポート編と称して、用途別の樹種の選びかたとお勧め樹種をご紹介します。
関連記事:棚づくりにおすすめの樹種
目次
– – 【1】木目や色が美しい
|
本物の木で作った机は長期間楽しめます
木材を使ったDIYは数あれど、その美しさを存分に楽しめる用途のひとつとしてはテーブルは無視できない存在です。お客様からマルトクショップにご投稿いただいている「木材を使った素敵な作品」でも、机とテーブルが作品数として一番多い題材となっています。
もちろんDIYに正解は無いので、どんな木材で製作するのかは一人一人の好みと目的によっても変わってきますが、今回のもくもく通信では、「一般的にテーブルに向いている」樹種はどんな木なのか、解説したいと思います。
関連ページ
→【テーブルをDIY】鉄脚のテーブルを作ってみよう
→木材の性質及び価格チャート
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ある意味どんなDIYにも言えることかもしれませんが、ビジュアルが好みかどうかはとても大切なポイントです。特にテーブルのように木材を面として使用し、天板の良し悪しで出来上がりの8割が決まってしまうような家具は特に見た目の要素が重要です。
色はインテリアに合わせるのがおすすめ
テーブルは使用する面が多いだけに、その色はインテリアに大きな影響を与えます。ダークカラーの代表格であるウォールナットはテーブルとして特に人気ですし、最近入荷したウェンジも力強い木目と色が存在感を出します。いかにも木、といった色のオークやタモも定番中の定番です。
一口に木材と言っても、樹種によって色味は大きく異なります。テーブル天板サイズになると価格も大きくなるので、失敗しないためにはサンプルでの確認がおすすめです。
タモは木目が美しい
見た目というのは本当に好みなのであくまで一般論ではありますが、タモやオーク、栗などの樹種は板目にした時のコントラストが綺麗で木目が美しい樹種として重宝される樹種。
逆に、あまり木目を目立たせたく無いような場合は柾目の樹種を選択するとさっぱりした印象になります。柾目の扱いのある樹種は数少ないですが、樹種によってはご相談に乗れる場合がありますのでお問い合わせください。(必ず対応可能な訳ではありません。また、板目よりも割高になります。)
堅い木材の方が傷がつきにくく、耐久性に優れます
テーブル天板として木材を使う場合、その「堅さ」は特に重要なポイントです。木材の堅さは通常比重(同体積の水に対する質量)で表されます。
あまり比重の軽い、柔らかい木材は傷がつきやすくなります。例えば完成したテーブルの上で書き物をする際、あまり柔らかい木材を使用するとペン先の跡が残ってしまったりします。些細な日常の暮らしで跡や傷が残ってしまうとメンテナンスも大変なので、そういったことを気にしたく無ければ比重が0.5程度以上の木材を使うとテーブル天板としても充分な堅さで安心です。木材の堅さ順につきましては、チャートのページで確認できます。テーブル天板としては、「加工難易度中」以上がおすすめです。
ただ一つ付け加えると、木材の堅さについては好みも大きいので、柔らかい木材で素敵なテーブルを作る方はたくさんいます。杉や桧などの針葉樹は香りが良く、空気をたくさん含むので肌のあたりも優しいです。少し跡や傷がつきやすくても、精密な作業をする訳でなければ別に使用には差し支えないことがほとんど。使い込んだ感じになって逆に好き、という方もいます。
絶対にこうすべきという指標ではないので、あまり囚われすぎずに好きな樹種を選びましょう。
木材の色・価格・堅さなどを一覧で見たい方は、こちらのページからご覧いただけます。 |
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
樹種選びは好みだと言うけれど、実際にはどんな樹種が人気なのかも気になるところ。テーブル・机DIYにどんな樹種が選ばれているか、マルトクショップにお送りいただいた作品を集計してみました。
2021.1.14現在のデータ N=676
タモは美しい木目と粘りのある材質で、天板や化粧板として広く使われる木材です。和室にも洋間にも違和感なくマッチするので、テーブル天板だけでなく様々なDIYに支持されています。美しい木目を存分にいかすなら無垢材が、柾目メインですっきりした仕上がりにするなら集成材がおすすめです。(まったく板目が入らないという訳ではありません。)
高価な樹種にも関わらず、タモに次いで件数が多かったのがウォールナット材。唯一無二の美しい色と木目で、世界三大銘木にも数えられる銘木です。とても綺麗な木なので、天板やフローリングなど、その美しさを全面に出す用途で使用されることが多い木材になります。
集成材で言えば一番件数が多かったのがゴム材でした。ゴム材はしっかりと堅く、天板としても充分に耐えうる強度があるにも関わらず価格がとてもリーズナブル。色も明るく綺麗なので、そのまま使っても着色しても違和感なく仕上がります。
ナラとホワイトオークは近縁種で、いずれも堅く、美しい木目が特徴です。天板にも棚板にも大人気の樹種ですが、頑丈で比重も重いので、天板サイズになるとかなりの重量があります。オークは節があっても男前な雰囲気で様になるので、節・白太ありの材も人気です。
ナラ・ホワイトオークについて詳しく見る
ナラとホワイトオークの違いについて
▼その他のおすすめ樹種▼
ブラックチェリー |
ハードメープル
他にはないすべすべとした光沢のある質感が美しい木材。「木の真珠」とも呼ばれます。 |
アカシア
インテリアのアクセントにしたいなら、ミックスカラーか楽しいアカシア材がお勧め。最近特に人気が上がってきている樹種です。 |
チーク
言わずと知れた高級材。経年変化が美しく、使うほどに木材に含まれた油分が滲み出て美しい光沢が生まれます。 |
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
面取り加工の加工風景
テーブルはシンプルに作るのであれば天板に脚をビス留めすれば完成します。実際マルトクショップでも、天板のみを注文される方がほとんどですが、天板に便利な加工をしておくと仕上がりもグレードアップします。テーブル・机をDIYする際に必要な加工、おすすめな加工をご紹介します。
木端や木口を磨いてノコ目を落とし、肌当たりが良いように面取りして角を丸める加工です。装飾的な意味はもちろん、手が当たっても角やささくれが当たらないように安全性を高める意味もあるので、テーブル天板には必須と言って良い加工かもしれません。
洗面カウンターのように天板に何かを設置するなど、意外と天板に穴が必要な機会は多いもの。また、穴あけの応用で端に切り欠きをつけておくと、PCやTVなどのコードを穴から下に落とすことができ、机周りがスッキリします。
天板の角を丸くする加工です。家具の天板に行う加工としてはとても一般的で、一見切りっぱなしに見える板でも、角に数ミリ程度の丸みをつけている場合がほとんど。写真のように大きく丸みを持たせると、優しい印象のテーブルに仕上がります。
また、半径を大きく指定することで半円や楕円形をオーダーすることもできます。
鬼目ナットとは、木部に埋め込むことのできるナット(ボルトやビスとワンセットで使う受け金具)のこと。ビスを簡単に付けはずしできるようになるので、テーブルの脚を取り付ける前に鬼目ナットを取り付けておくと、脚が自由につけ外しできるようになります。
手に触れることの多いテーブル天板は、特にこだわりがなければ塗装を行うことで汚れや劣化を防ぐことができます。マルトクショップではメンテナンスのしやすい自然塗料塗装と、防水効果の高いウレタン塗装が加工可能です。
自然塗料の塗装については、場所さえあれば比較的簡単にDIYで塗装できます。価格を抑えたい場合には、DIYがおすすめです。
木材の加工について詳しくは、もくもく通信にて解説していますのでご覧ください。
今回はテーブル・机の天板についてご説明しました。テーブルや机は使用頻度が高く、目に触れる確率の高い家具。また、一度設置したら長期間使う傾向のある家具でもあります。樹種選びに悩んだ際には、ぜひ参考にしていただければ幸いです。天板サイズの木材は価格も高価になる分、悩んだ際にはぜひお気軽にお問い合わせください。
→お客様の作ったテーブルの作品写真を見る
→お問い合わせフォーム
また、マルトクショップでは不定期にテーブル天板のアウトレットも開催しております。フリーカットで購入するよりもリーズナブルに高級木材を購入できますので、ぜひご検討くださいませ。