2018年3月22日
樹種選びのポイント~どの樹種を選べばいいの?
豊富に樹種はあるけれど、いったいどの樹が目的に適うのか
樹種を選ぶ その4
産地で選ぶ
北米産:環境性能基準に適応し安定した生産性を誇る人気樹種が豊富です。個性のバリエーションも幅が広いです。
南米:ユーカリは、南米での植林が進み、イタリアから人気が高まる今後有望なホープです。
施工例の紹介
これまで、マルトクショップでご購入頂きましたお客様の施工事例です。見事に、樹種の個性を活かした施工例には、毎回関心します。無垢材と、集成材の施工事例をご紹介しましたので、樹種選びのヒントにして下さい。(施工事例をもっと詳しく見たい方はマルトクホームページをご覧下さい。
様々な施工例(無垢材編)
様々な施工例(集成材編)
2017年11月 2日
【ソリとの付合い方 その1・・ソリを科学する?】
魅力に満ちた天然木材の特徴・・呼吸する木
天然木材の魅力は、見た目の味わい深さだけでなく、木肌の優しい感触や、使い込むほどに馴染む質感、触れた際に響く深い音など、天然木材ならでは豊かさに満ちています。
しかし、水分含有率など適正規準で出荷された天然木材も、使用環境や経年で変化します。さらに塗装の有無によっては、含水率が変化しソリや、たわみ等を引き起こす要因となります。
こうした、天然木材を末長く気持ちよくお使い頂く為の方法や知識を今回よりシリーズでお伝えいたします。
木材のソリやたわみなどの原因は、いくつかの要因がありますが、その一つが木材内部の含水率の変化によるものです。
木材は、呼吸をしており内部の水分を放出と吸収を繰り返しています。それに伴って含水率が変化します。呼吸を止め、材の含水率を一定に保つ為に、全体を塗料皮膜(ウレタン塗装等)で覆うと木材内部の水分量が安定し、水分発生が抑えら、結果的にソリの抑制になります。
無塗装の場合や、片面のみの塗装(マルトクでの塗装は、すべて両面塗装です)の場合などは、非塗装面から木材の呼吸が生じ、木材の形状に変化が訪れます。
これら以外に形状変化する要因は、荷重や、日射など使用環境に起因するケースがあります。
ソリの発生
金属や、合成素材でも環境や条件によって変化しますが、木材は環境や条件にとても敏感です。
薄い天板に重いものを乗せると反りが発生したり。天板の一部だけに日射が続いたり、無塗装の天板に水をこぼすなどすると、ソリの原因となります。
ソリは天然木材につきもの
金属でも、熱や経年劣化で多少ゆがみが生じます。身近にある真っすぐなはずのステンレス定規でも、同じ定規を2本用意して目盛り部分を合わせると隙間ができる事があるなど、真っすぐに保つ事は、自然環境の中においては難しい事なのかもしれません。
金属に比べ木材はその特性から、薄い木材製棚板に荷重をかければ簡単にたわむように、ソリ発生の要因の一つに「厚さ」が大きな要素になります。
もちろん幅や長さ、取付け方法なども関係してきますが、ソリの出やすさには材毎の個体差もあります。
しかし、様々な対策で安心して使用できる方法がありますので、参考にして下さい。
ソリは木材の含水率の変化に影響を受ける
(ソリの科学)
木材のソリは、荷加重や負荷にも大きく起因しますが、木材内部の水分量の変化にとても影響を受けます。
一般的に木材は、原木の段階から様々な乾燥工程を経て規格に準じた水分含水量に整えられて市場に出荷されています。
さらに樹種や伐採時期、心材(中心部)と辺材でも含水率は異なり、規準(JAS等)に準じた商品のみ市場に出ています。
ご使用中、地域の気候や時期、使用環境により含水率も変化し、少なからず影響を受けます。
[参考]広葉樹:ウォールナット、オーク、タモ、ナラ、ポプラなど 針葉樹:杉、桧、赤松、栂など
【木材豆知識】 生材は、多量の水分を含んでいます。その水分の量は、樹種、木の周辺部(辺材)と中心(心材)、幹の位置、生育環 境、季節などによってかなり変化します。
出典:千代田工業株式会社 ホームページ「木の話」より引用 |
木材の特性
決して直線的な部分のない自然木を、直線で製材し放置すると、下図のようにソリが発生する性質があります。木表と木裏の含水率の差や、様々な要因で、ソリが発生します。
マルトクショップでは、反りにくい状態の材をお届けしています
木材の反りの発生は、含水率が20%〜30%の時に著しく発生します。マルトクでは、針葉樹は概ね15%、広葉樹は概ね12%の状態で材を出荷していますので、ご安心してお使い下さい。
乾燥中の無垢材
ソリ予防には、幅方向のソリ止め金具や塗装が有効
天板も、厚みがあればソリ抑制になります。更にウレタンの両面塗装を施す事で、ソリの予防に寄与しますが、最大の予防策は、天板の裏側に取付ける「ソリ止め」です。ソリの発生しやすい幅方向のソリを金具によって抑えるものです。
木材の特性から、幅方向に金属のL字型金具を固定する事で、物理的にソリを抑える事が出来ます。
天板の裏面に取付けられた「ソリ止め」金属製の金具が幅ゾリを防ぎます。
マルトクショップでもソリ止め加工を行っていますので、ソリが気になる方は木材購入時に一緒にお申し込み下さい。反り止め金具の取付け方によって可能な材の厚みが異なります。
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●マルトクショップ 「反り止め」
https://shop.woodworks-marutoku.com/images/tenban_sori.gif
(反り止め金具を取付ける場合、材厚が25㎜もしくは、厚さ30㎜以上必要です)
続編:「リペア5」 ソリとの付合い方・・「反りの発生実験」
https://shop.woodworks-marutoku.com/mokumoku/2017/11/-2.html
前号:「リペア3」自分で自然塗料を再塗装する
https://shop.woodworks-marutoku.com/mokumoku/2017/09/post-8.html
2017年9月12日
自然塗料の再塗装をする。
自然塗料を施した材も経年劣化します。
材に優しく天然素材の味わいを復活させるために
再塗装は、材が蘇るばかりか、末永くきれいに使用するために欠かせません。
塗装面が気になり始めたら再塗装のタイミングです
普段使用し続けていると再塗装のタイミングが難しいですが、使用頻度の高い場所なら1年くらい、そうでない場所でお使いの場合なら2年目あたりが再塗装の目安です。その間で、自然塗料塗装専用のワックスなどを用いてメンテナンスをされていると、再塗装の間隔は長くなるでしょう。
購入当時に比べ、撥水性が落ちたとか、部分によって塗装面の色が異なるといった場合も、再塗装の時期です。
いずれにしろ、塗装面が気になりはじめたら再塗装のタイミングかも。
前々回の「リペア1」編では、未塗装材への自然塗料塗装法をご紹介いたしましたが、今回は塗装材の経年劣化による再塗装についてご紹介します。
自然塗料の塗装準備
風通しの良い、広い場所で作業を行いましょう。塗装準備から塗装完了まで数時以上要します。完了後も、一昼夜置いて塗料を馴染ませます。作業中は、塗料の飛沫が飛ぶ可能性があるので、周囲を養生してから作業に適した服装で行いましょう。
きれいな塗装は、下地処理で決まる!
塗装の仕上がり具合は、下地の処理で決まります。下地の良し悪しが如実に表れるのが塗装です。
再塗装の場合は、塗装面をサンドペーパーで磨いておく事がポイントです。
まずは、古い塗装を剥がしておきましょう。80番(粗目)のサンドペーパーで磨き始め、少しずつサンドペーパーの番手を上げながら、最終的に240番のサンドペーパーを用いて仕上げます。磨きもれが無いかよくチェックしましょう。
磨き残しや磨きが足りない箇所があると、研磨時には分からなくても塗装後に色合いの違いが目立ちます。
材表面の古い塗装を剥がします。電動サンダーがあれば手早くできます。なければ時間がかかりますがサンドペーパーで粗い番手の(80番)から徐々に番手を上げて磨きましょう。
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( 下地の整え方に関しては、既刊の「リペア2」下地を整える・・サンディング術をご覧ください。 )
https://shop.woodworks-marutoku.com/mokumoku/2017/08/xx.html
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塗装をする
(準備するもの) ・サンドペーパー(80番、180番、240番) ・電動サンダーまたはサンドペーパーフレームか当て板 ・耐油性手袋(使い捨てのラテックス製、ニトリル製など) ・布地(ウエスもしくは、白い綿布) ・塗料(OSMOcolorやWATOKOオイルなどの自然塗料) ・バケツ(使用済み用具処理用) |
【塗料使用時に必要なもの】左から:耐油性手袋、自然塗料、布地(白っぽいも)
塗装の手順 (1枚板の天板の場合)
※塗装対象材は、表面を磨いで準備しておきましょう。サンドペーパー「240番」以上で下地を整えておきます。
お薦めの塗装用具は、刷毛(ハケ)よりも布地が塗りやすいです。
一般的には、自然塗料の塗装には刷毛を用いますが、マルトクでは綿布地を用いています。
布地に、自然塗料を含ませ軽く絞り、(下記、塗装の順番参照)板目に沿って塗り込むようにして塗装します。
液だまりが出来たら、布地で拭き取っておきます。
1) 塗料をよく吸う木口から塗ります。
2) 塗料を布地に少しずつ足しながら、板目に沿って表面を均一に塗ります。液溜まりが出来ないようできるだけ薄く伸ばします。
3) 1回目の塗装が終わったら、15分〜30分後、テカリが残っているようなら、汚れてない布地で余分な塗料をを拭きとります。
4)1時間程度乾燥させてから、2回目の塗装を行います。塗料は1回目よりもさらに薄く塗ります。
5)1時間程度乾燥させた後に、再度塗料の付着していない布地でよく拭きます。
塗料が付着した布などは、放置しておくと自然発火(※1)する恐れがありますので、使い終わったらそのつど水に浸し処分して下さい。もしくは焼却処分しましょう。
塗装は、布地に塗料を含ませて塗り込みます。液だれ、液溜まりが起きないよう、少量ずつ塗料を使用します。
塗装の順番
効率良く、きれいに塗装する為に裏面から表面の順に塗装します。まずは、塗料を吸いやすい木口(コグチ)を先に塗り込みましょう。最後に表面を塗装することで作業がしやすくなります。裏面を塗るのは、ソリ予防の為です。
表面を最後に塗る理由は、塗料の液ダレが表面に現れなくするためと、裏返した際にゴミなど付着しないようにするためです。
表面を2度塗りする場合も、裏面は1度塗で充分です。通称「裏捨て塗り」と言われる最小限の反り止め用塗装法です。
塗装面の順番:番号順に塗装。コグチ→コバ→裏面→表面の順に塗ります。
自然塗料を塗装をする
塗装は、DIYで行うなら自然塗料がお勧めです。蜜蝋やカルナバロウなど使用する場合でも下地は自然塗料です。
内装材用の自然塗料は「OSMOカラー」や「WATOKO」がポピュラーですが、塗料店、ホームセンターで様々なタイプが市販されていますので一度ご覧になるといいでしょう。併せて、専門家に詳しく塗装の方法を聞くと共に必要な材料や用具を揃えましょう。。
研磨、塗装の参考動画
(マルトクショップ動画)
https://shop.woodworks-marutoku.com/movie/
もくもく通信 関連バックナンバー
【マルトク的「塗装学」その5 自然塗料塗装材のメンテナンス】
https://shop.woodworks-marutoku.com/mokumoku/2017/06/post-6.html
【塗装時の注意】
・(洗浄液など販売されていますが、薄め液としては使用できませんので注意してください。
※1)自然塗料がついた刷毛や布地は、空気中に放置すると自然発火の恐れがありますので、充分水につけてから処分しましょう。詳しくは、塗料の説明書きをよく読んで安全に作業して下さい。
◎塗料メーカーサイト(Q&A)
OSMO
http://osmo-edel.jp/osmocolor/faq/
【メンテナンス用クリーナー】 カルナバワックスエマルジョン 0.5L
自然塗料塗装後のメンテナンス用に!
再塗装するほどではない場合は、同じ自然塗料ブランドから、メンテナンス用のワックスが販売されていますのでご利用下さい。
家具や調度品、固定した棚板など再塗装するには大掛かりな倍は、定期的に専用のワックスで磨いておきます。見た目ばかりか、材そのものの状態が良くなりますのでぜひご利用下さい
再塗装する目安は、塗装面の塗料の色が薄くなってきたり、専用のクリーナーでも汚れが落ちない場合に塗装します。
カルナバワックスは、水性のメンテナンス用ワックスです。通常の木部のお手入れは水拭きで充分ですが、汚れが目立ってきた際にご使用下さい。
塗装面の汚れを落とし、自然な艶を引き出します。1Lのぬるま湯にカルナバワックスエマルジョンを30~40ml注ぎ、堅く絞った布で拭いて下さい。
【用途】メンテナンス用
【成分】水、カルナバワックス、脂肪酸、天然乳化剤
汚れるまえにワックスがけ
【マルトクショップ】
https://shop.woodworks-marutoku.com/products/coating/item/toryo037.php
もくもく通信 :リペア1「無塗装材に自然塗料を塗る」
https://shop.woodworks-marutoku.com/mokumoku/2017/07/post-7.html
もくもく通信 :リペア2「下地を整える」z(サンディング術)
https://shop.woodworks-marutoku.com/mokumoku/2017/08/xx.html
もくもく通信 :リペア4「ソリとの付合い方」(ソリを科学する?)
https://shop.woodworks-marutoku.com/mokumoku/2017/11/2-1.html
2017年8月31日
材の傷み、再塗装時の下地処理
サンディング術
材の表面が傷んできたら、無垢・集成材の見せ所
表面が傷んだり、小さな傷が発生したり、多少凹んでも
修復できるのが天然木のいいところ。
テーブル天板を想定して、下地の整え方をお伝えします。
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「サンディング」基本の基本
木工作業につきもののサンドペーパーがけ、いわゆるサンディング作業は、避けては通れない技術です。手法は、人の数だけありますが基本の基本を紹介させていただきます。あとは、ご自身でやりやすいように工夫すれば作業も楽しいものとなるでしょう。
サンディング作業に近道無し
何事も基本が大切ですが、サンディングも手を抜けば必ず仕上がりに反映するという事です。実際、サンディング作業は手間も時間もかかります。
初めてサンディング作業をすると「いくら削っても一向にきれいにならない」という印象があります。サンディングの手順は以下の通りです。
《サンディングの手順》
※サンドぺーパーを当て木*に巻いて使用します。
1.粗目(80番程度)のサンドペーパーで木地表面をフラットに削る。(下地が傷んでいない場合は2へ進む)
2.フラットになったら中目(150番〜240番程度)で木地表面を均質に整えます。
3.木地が整ったら仕上目(240番以上)でけば立ちを無くし化粧磨きを行います。
サンディングの力加減
サンディングは、とても根気のいる作業です。力を入れて研磨すると早く出来そうですが、材表面に凹凸が発生しやすいので、全体をフラットに仕上げるには、
「弱い力で何度も往復させて磨く」
ことが基本です。あせらずじっくりと行うのが、きれいに仕上げるコツです。力を入れて磨くと、部分的に削れすぎたりしがちです。弱い力で、表面を滑らすように磨きましょう。
サンドペーパーの種類を変えるタイミング
所要時間は、材表面が荒れている場合(傷、凹み、傷み)は1の粗目に時間がかかります。2の中目でのサンディングは、1の粗目サンドペーパーで出来たサンディング痕を取り除く作業です。木地表面が均質な状態になるまで磨きます。
最後の3の作業は、2で出来たサンディング痕が消えるまで行います。
サンドペーパーの寿命
サンドペーパーも使用頻度により劣化してゆきます。使用していると材の粉塵の出方が少しずつ減ってきます。抵抗感がなくなる前に新しいサンドペーパーに交換しましょう。
仕上がりは、時間と根気に比例します
手作業でのサンディングは、状態にもよりますが、丁寧にすればするほど時間を要します。初めてサンディングを行う方は、作業イメージを掴むために事前に、まな板やカッティングボードなどを磨いてみると研磨に要する時間と仕上がり具合の感覚が掴めるでしょう。
思い通りに研磨できるようであれば、大丈夫です。もし、時間と手間がかかる印象をお持ちになられたら専門家に任すか、スペースと時間が確保できた折に行うか判断してください。
サンディング作業は、力仕事です。一般的な家庭のダイニングテーブルをサンディングすると、おそらく半日以上~1日は掛かるのではないでしょうか。そのあたりも考慮してご判断ください。
サンドペーパー:左手前奥80番(粗目、120番、180番、240番(仕上げ用)とサンドペーパーフレーム(市販品)と当て木(サンディングブロック)
サンドペーパー(木工用)の番手説明(目安)
粗 目 ⇩ |
80~150番程度 | 荒削り用(粗研磨) |
中 目 ⇩ |
180〜240番程度 | 中研ぎ用 |
仕 上 目 ⇩ |
240番以上 | 仕上研ぎ用(塗装の下地仕上) |
超 仕 上 目 | 400番程度 |
超(精密)仕上研ぎ用(必要な場合のみ) |
※研磨時は、粗目〜中目〜仕上目の順に研磨する。(表の上から下の順に用いる)
手作業での磨き
手作業で、サンドペーパーをかける場合は、サンドペーパーをフラットな面の木片に巻き付けて使用するとフラットに面が出ます。木片の大きさは、手になじむ掴みやすいサイズのものを用意しましょう。
コグチ、コバも忘れずに磨きましょう。
サンドペーパーは、あらかじめ使いやすい大きさにカットされたものや、裏に接着剤がついたタイプ、サンドペーパーをセットして使用する専用工具など様々な商品が市販されています。ホームセンターなど、作業にあったものを選びましょう。
時間とスペースにゆとりを持って行いましょう
サンドペーパーには、木工用、金属用、耐水タイプと様々ありますが、木工用を使用して下さい。
堅めの木材の研磨は時間がかかりますのでゆとりをもって取組みましょう。
ペーパーがけは、かなり埃がたちます。屋外での作業がお勧めです。磨きが済んだら必ず、表面の埃をきれいにふき取ってから塗装にかかりましょう。
木材の特性で、磨いた後しばらく経つと少し毛羽立ちます。メンテナンス用ワックスや塗料でも多少の細かな毛羽立ちは、落ち着きますが、目立つようならサンドぺーパーの番手を上げて(細かい)仕上げましょう。
サンドペーパーは、必ず若い番手(粗い番手)から使用するのが原則
仕上げ順に始めは粗目の120~150番程度のサンドペーパーで下研磨をします。材表面に傷やへこみがある場合は、80番の粗目番手から始めるといいでしょう。
次に180~240番程度のもので仕上げます。仕上がりに満足が行かなかったら400番程度の細かい番手で仕上げる必要があるかもしれませんが、一般的には240番で充分かと思います。
マルトクでは、出荷時の材表面は240番のサンドペーパーで磨いています。
研磨時に発生する粉塵対策も必要です。健康の為マスクをご使用下さい。
電動のハンドサンダー(左)だと作業が早いですが、時間はかかりますがサンドペーパーでも出来ます。当て木にサンドペーパーを巻き付けて使用します。
サンディングの仕方
基本は、板目と同じ方向に研磨します。特に、粗目のサンドペーパーを使用するときは鉄則となります。板目に対し直角に研磨すると材の表面が荒れてしまいますので、必ず板目に沿って研磨してください。
仕上げ用の細かい番手のサンドペーパー(240番以上)ならその心配はありませんので、効率のいい方向で研磨しても大丈夫です。ただし、力は入れずに軽く行ってください。
電動サンダーのススメ
材表面の研磨~磨きはとても時間のかかる作業です。状態にもよりますが、家庭用のダイニングテーブルでも電動サンダーを使用しても1時間以上かかる場合がありますが、手で行うよりも遥かに早く仕上がります。
無垢・集成材との長い付き合いを考えるなら、電動サンダーのご購入をお勧めします。家庭用なら、ホームセンターなどで「ミニサンダ」「マウスサンダー」「サンダポリッシャ」といった名称で数千円~販売されており、研磨以外にポリッシュ(磨き)作業にも使用できる機種もありますので、よく検討されるといいでしょう。
当て木*(あてぎ):木工用語で、木材を材を傷めないようにあてがう木の意味です。マルトクでは当て木にサンドペーパーを巻き付けてサンディングに使用しています。あらかじめサンドペーパーに接着剤がついたものもありますが、サンドペーパーの裏に両面テープを貼って当て木に固定すると使い易くなります。
当て木のサイズは、手の大きさに合わせて準備しましょう。マルトクでは厚み20㎜~30㎜で、幅、長さは、かまぼこ板程度の大きさです。大きさは、好みです。重要ポイントは、水平面であること。凸凹があると、サンディング時に材表面がフラットに仕上げられません。
研磨の参考動画
(マルトクショップ動画)
作業工程紹介動画 4:40あたり
https://shop.woodworks-marutoku.com/movie/
2017年7月31日
自然塗料なら、道具をそろえなくても手軽に塗装できます。
2回にわたり、自然塗料の塗装についてお伝えします。
自然な風合いを活かし、材を保護する自然塗料は、手軽に塗れるのでお勧めです。
無塗装で、無垢・集成材お使いの方は、この機会にぜひ塗装にチャレンジしてみませんか?
次回は、第2弾「リペア2 再塗装で材を蘇らせる」をお届けいたします。
塗装作業の準備
風通しの良い、広い場所で作業を行いましょう。塗装準備から完了するまで数時間要します。完了後も、一昼夜置いて塗料を馴染ませます。作業中は、塗料の飛沫が飛ぶ可能性があるので、周囲を養生してから作業に適した服装で行いましょう。
塗装前に下地を整える
まったく塗装がされていない場合はもちろん、再塗装の場合も事前に塗装面をサンドペーパーで磨く必要があります。(詳しくはリペア編でもご紹介します。
塗装面積にもよりますが、手によるサンドペーパーでの磨きは時間がかかります。半日~1日を要する場合がありますので、時間にゆとりをもって取り掛かってください。
(準備するもの)
・耐油性手袋(使い捨て、ラテックス製、ニトリル製など) ・布地(ウエスもしくは、白い綿布)けばが立たないものをご使用下さい。 ・塗料(OSMOcolorやWATOKOオイルなどの自然塗料) ・バケツ(使用済み用具処理用) |
【塗料使用時に必要なもの】左から:耐油性手袋、自然塗料、布地(白っぽい綿布)
塗装前準備
マルトクショップでお買い上げの無垢・集成材は表裏両面を240番(細かい仕上番手)のサンドペーパーで仕上げていますので、新たにサンドペーパーをかける必要はありませんが、けば立ちや、表面がざらっとしているようなら、240 番程度のサンドペーパーで磨きます。
コグチ、コバは、マルトクショップ出荷時に仕上のサンドペーパーはかかっていませんので、塗装前にはぜひ整えておきましょう。けば立ちがあると、塗料がきれいにのりません。
塗装の手順 (1枚もの天板の場合)
1) 塗料をよく吸う木口から塗ります。
2) 塗料を足しながら、木目に沿って表面を均一に塗ります。液溜まりが出来ないようできるだけ薄く伸ばします。
オイルを塗ると、木そのものの木目や色が引き立ちます。
3) 1回目の塗装が終わったら、15分〜30分後、テカリが残っているようなら、汚れてない布地で余分な塗料をを拭きとります。
4)1時間程度乾燥させてから、2回目の塗装を行います。塗料は1回目よりもさらに薄く塗ります。
5)1時間程度乾燥させた後に、再度きれいな布地でよく拭きます。
塗料が付着した布などは、放置しておくと自然発火(※1)する恐れがありますので、使い終わったらそのつど水に浸して処分して下さい。
塗装は、布地に塗料を含ませて塗り込みます。液だれ、液溜まりが起きないよう、少量ずつ塗料を使用します。
塗装の順番
効率良く、きれいに塗装する為に裏面から表面の順に塗装します。まずは、塗料を吸いやすい木口(コグチ)を先に塗り込みましょう。最後に表面を塗装することで作業がしやすくなります。裏面を塗るのは、ソリ予防の為です。
表面を2度塗りするなら、裏面は1度塗で大丈夫です。通称「裏捨て塗」と言われる最小限の塗装法です。
塗装の順番:番号順に塗装。コグチ→コバ→裏面→表面の順に塗ります。
自然塗料を塗装をする
塗装は、DIYで行うなら自然塗料がお勧めです。蜜蝋やカルナバロウなど使用する場合でも下地は自然塗料です。
内装材用の自然塗料は「OSMOカラー」や「WATOKO」がポピュラーですが、塗料店、ホームセンターで様々なタイプが市販されていますので一度ご覧になるといいでしょう。併せて、専門家に詳しく塗装の方法を聞くと共に必要な材料や用具を揃えましょう。
無塗装で使用していた材への塗装
無塗装でしばらく使用されたテーブル天板なら、使用痕はもちろん、食品油脂や輪染みなどが出来ている場合があります。目立たない薄い染みでも塗装すると際立ってきます。塗装する際は必ず表面を一皮むく感覚でサンドペーパーをかけましょう。
電動工具があれば短時間に作業ができますが、手作業でも時間はかかりますが可能です。塗装は、この様な下処理を行ってからしましょう。下地の良さが仕上がりに反映します。
汚れがある天板のサンドペーパーによる下地磨きは、粗目のサンドペーパーから順に数字の大きな番手のサンドペーパーで仕上げましょう。
サンドペーパー:左から粗い順に80番、120番、180番、240番(仕上磨き用)
サンドペーパーは適当なサイズにカットし、握りやすい大きさの木片に巻き付けて使用するといい
研磨、塗装の参考動画
(マルトクショップ動画)
https://shop.woodworks-marutoku.com/movie/
【塗装時の注意】
・(洗浄液など販売されていますが、薄め液としては使用できませんので注意してください。
※1)自然塗料がついた刷毛や布地は、空気中に放置すると自然発火の恐れがありますので、充分水につけてから処分しましょう。詳しくは、塗料の説明書きをよく読んで安全に作業して下さい。
◎塗料メーカーサイト(Q&A)
OSMO
http://osmo-edel.jp/osmocolor/faq/
【メンテナンス用クリーナー】 カルナバワックスエマルジョン 0.5L
再塗装する目安は、塗装面の塗料の色が薄くなってきたり、専用のクリーナーでも汚れが落ちない場合に塗装します。
カルナバワックスは、水性のメンテナンス用ワックスです。通常の木部のお手入れは水拭きで充分ですが、汚れが目立ってきた際にご使用下さい。
塗装面の汚れを落とし、自然な艶を引き出します。1Lのぬるま湯にカルナバワックスエマルジョンを30~40ml注ぎ、堅く絞った布で拭いて下さい。 【用途】メンテナンス用【成分】水、カルナバワックス、脂肪酸、天然乳化剤
汚れが目立ってきたらワックスを使用して下さい。
【マルトクショップ】
https://shop.woodworks-marutoku.com/products/coating/item/toryo037.php
マルトクショップの塗装
新規に無垢・集成材をご購入の際は、ぜひマルトクショップの塗装も併せてお申し込み下さい。自然塗料塗装はもちろん、メンテナンスが容易なウレタン塗装も承っています。
リペア2「自分で自然塗料を再塗装する」(再塗装の手順)
https://shop.woodworks-marutoku.com/mokumoku/2017/08/xx.html