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お知らせ

木の雑学9「松井選手のバット」

2012年7月 2日

タンパベイ・レイズのマイナー契約を経て、見事メジャーへ返り咲いた松井秀喜選手。

選手生命最大の危機を乗り越えた彼は、メープルのバットを使用しています。

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巨人で活躍した10年間は、松井選手もイチロー選手と同じアオダモのバットを使っていましたが、
「アオダモだと、バットがしなりすぎて、メジャーリーグの重いボールには力負けする」ということで、
メープルに変更したそうです。

アオダモを使い続けるイチロー選手。片やメープルへと転向した松井選手。

それぞれの打撃スタイルが、材質(木)選びへのこだわりとなって表れて、非常に興味深いです。

北米に分布するハードメープルは、摩耗耐久に強く硬質な特性を持っているため、
ボウリング場のレーン、ビリヤードのキュー、ダンスホールの床板などに使用されています。

メープルの樹皮を傷付けて採取される樹液は、
ホットケーキには欠かせないご存じメープルシロップとなります。

また、玉杢の小さな模様(鳥目杢)が出たものは、バーズアイメープルと呼ばれ、
主にツキ板(美しい木目を持つ木材を薄くスライスしたもの)として利用します。

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<バーズアイメープル>

自動車のダッシュボードや高級家具の化粧材として人気があります。

バットの話に戻すと、メープルは素材としてバットに適しているだけでなく、
幹が太いので、1本の木からアオダモの3倍はバットが製作できるそうです。

また、アオダモやホワイトアッシュなどのバット材と比べると、
重量が軽いため、スイートスポットを広げたヘッドの大きいバットを製作できるという利点もあります。

松井選手にはこんな逸話が残されています。

2002年、『ミズノ』とアドバイザリー契約をしている松井選手のもとへ、
他メーカーの担当者が10億円の小切手を突き付けて、自社との契約を迫ったそうです。

松井選手は、小切手には目もくれず、「ミズノさんにお世話になっています。
ミズノさんにも失礼ですから、お引き取り下さい」と。

「だったら、手首のサポーターだけでも。右手と左手で1億円ずつ」と他メーカーの担当者は迫ったが、
松井選手は聞く耳を持ちませんでした。

プロ入り以来、ミズノと二人三脚で究極のバットを追及してきた松井選手。
お金よりも、そんな信頼関係を選んだ言動に、ミズノ担当者は号泣して喜んだそうです。

工具の話5「ノコギリ」

2012年6月26日

電動丸ノコ、ジグソーなど木材を切断する道具は色々ありますが、
最もポピュラーなものと言えば、やはり「ノコギリ」ではないでしょうか。

「ノコギリ」は、刃の付いた一枚の金属に柄を付けただけという非常にシンプルな構造ですが、
実はとても良くできた道具です。

押したり引いたりして木材を切断するイメージのある「ノコギリ」ですが、
日本のものは、引く動作のときに木材が切断できるように刃がついています。

逆にアメリカでは、押す動作のときに木材を切断するように刃がついています。

一見どの国の「ノコギリ」も同じもののように見えますが、
それぞれの国で使用する木材の特性に応じて刃の構造が違うというのが面白いですね。

両刃ノコギリについている両サイドの刃は「縦挽き用」と「横挽き用」で使用方法が違います。

「縦挽き用」は、木目の方向に沿って切断するための刃で、刃の目が大きくなっています。

「横挽き用」は、木目に対して直角や斜めに切断するための刃で、刃の目は細かくなっています。

「縦挽き用」と「横挽き用」を誤って使用すると、木材は思うように切れないばかりか、
刃を痛めてしまいますので注意が必要です。

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「ノコギリ」は、使用した時は必ず錆止め用に油を薄く塗布することと、
定期的に「目立て(刃を鋭くすること)」が必要です。

「目立て」はなかなか技術を要する作業になりますので、
最近では、替刃式の「片刃ノコギリ」などが売られています。

これだと「目立て」の必要はなく、切れなくなったら刃を交換するだけです。

日曜大工などにはこのタイプのものがお手軽でおススメです。

木の雑学10「将棋の駒」

2012年5月24日

将棋の世界には、羽生善治という天才がいます。

彼の輝かしいキャリアは、1985年に史上3人目の中学生棋士となることから始まります。

1996年には、将棋界にある7つのタイトル全てを独占するという快挙を成し遂げたモンスターは、勝負の世界に身を投じているとは思えないほど穏やかな風貌をしています。

私もよく子供の頃に遊んでいた将棋。

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将棋の駒の材質は、ツゲ・ツバキ・ホウノキ・カエデなどの木が一般的です。

中でも、ツゲは日本にある木材の中でもっとも緻密で均一な材質であり、硬く割れにくい特性を持つことから、強度のあるプラスチックが登場するまでは、重要な資材でした。

駒材としても非常に人気があり、伊豆諸島の御蔵島に自生している「御蔵島黄楊(ツゲ)」と、鹿児島県の「薩摩黄楊」が最高級品とされています。

また、ツゲは虎斑・根杢・くじゃく杢などの様々な杢が確認できるため、このような材を使用した駒には、工芸的価値も高まり、高級品として扱われています。

ツゲの用途は、将棋の駒以外にも印鑑やクシなどが有名です。

ツゲは高級材であるため、「シャムつげ」と呼ばれる外国産の木が代用品として用いられることがあります。

「シャムつげ」は、日本のツゲと比べると柔らかく、緻密ではないので粘りがなく、強度の面で劣ります。

「シャムつげ」は、「つげ」と称していますが、実は東南アジア産のアカネ科クチナシ属の落葉高木であり、ツゲ科のツゲとはまったく種類が異なる木材です。

つまり、「つげ」ではないのです。

そのため「シャムつげ」は現在では、公正取引委員会のガイドラインに従って、印鑑業界では「アカネ」、クシ業界では「本つげ」と表記されるようになりました。

木の技法1「なぐり」

2012年5月 7日

タモの一枚板を「なぐり」という加工で仕上げた私たち「マルトク」の商品です。

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「なぐり」とは、木の表面をチョウナやツキノミなどで加工する技法です。

転じて、凹凸をつけた仕上げ面を「なぐり加工」と呼んだりもします。

「なぐり」の加工で使われるチョウナは、樹皮や木材の表面をはつる荒削道具で、最近ではこの道具を使う大工さんもめっきり見かけなくなりました。

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製材道具の少なかった昔、木材の平面を作りだすときは、表面をチョウナで大まかにハツり、ヤリガンナで整えるという工程がとられていました。

つまり、製材における下処理の段階が「なぐり」です。

昔から茶室の床柱や数寄屋建築によく使われていた「なぐり」ですが、現代では、無垢材を豊かに彩るデザインとして、室内の様々な場所で使われるようになっています。

「なぐり」は、主に栗の木に施されていた技法ですが、最近では、多種多様な木材に取り入れられています。

また、チョウナを使った手作業ではなく、機械で仕上げたりすることも可能です。

私たちマルトクでは、無垢材に新たな表情を加える「なぐり加工」も承っておりますので、ぜひ一度ご相談ください。

木の雑学6「体育館の床」

2012年4月18日

私の地元には、「高松ファイブアローズ」というbjリーグに所属しているプロバスケットボールチームがあります。

私も子供と一緒に何回か試合を観戦に行きました。実業団チームの試合では味わえない華やかな演出と外国人プレイヤーの迫力あるプレイに圧倒されます。

今年のファイブアローズは、現在最下位を独走中ですが、何とか巻き返してほしいものです。

そんな高松ファイブアローズのメインアリーナとなっているのが、高松市総合体育館。

四国最大級のアリーナを持ち、スポーツのみならず各種コンサートやイベントにも活用されています。

高松総合体育館のアリーナの床面には「サクラ」が使用されています。

「サクラ」を床面に使用した体育館は非常に珍しく、昭和61年に開館した当初は、「サクラの体育館」という売りだったことを記憶しています。

サクラには色々な種類がありますが、用材として一番適しているのはヤマザクラと呼ばれるものです。

サクラと言えば、私たちが真っ先に連想するソメイヨシノは、江戸時代に観賞用として作られた木で、
用材には向きません。

ヤマザクラの材質は、硬くて粘りがあり、切削加工が容易なうえに表面が綺麗に仕上がる性質があり、
家具、漆器の木地、楽器類など幅広く使用されています。

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また、ヤマザクラの樹皮は、秋田県角館の伝統的な木工工芸品である樺細工(かばざいく)に利用されています。写真の茶筒は、樺細工の伝統技法を活かして、プロダクトデザイナーの山田佳一朗さんがデザインしたものです。

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樺細工という名前なのに、樺の木は使われていないなんて不思議な話ですね。

現在、ヤマザクラは入手が非常に困難なため、良く似た材質のカバ材が代用品として供給されています。

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マルトク店長からのご挨拶


中島弘樹

マルトクショップは、木材(無垢材・集成材・積層材)のフリーカット販売・床材(フローリング材)の通販専門店です。
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