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木の基礎知識 マルトクショップ「もくもく通信」

マルトク的「塗装学」その6 ウレタン塗装材のメンテナンス

2017年6月26日

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ウレタン塗装材のメンテナンス

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塗装被膜の存在も気づかないような自然な風合いのウレタン塗装(クリアーツヤ全消し)

 

ウレタン塗装材、日常の手入れは、固絞りの布で拭くだけ

使用環境や使用状況により大きく異なりますが、耐水、耐熱、耐傷、耐汚れに優れているウレタン塗装は、比較的柔らかい樹脂による塗膜を形成していますので、木材との密着性も高く塗膜の浮きやヒビが入りにくい塗装です。

自然塗料塗装に比べ、撥水性に富み汚れも付着しにくい特性があります。ウレタン塗装の樹脂塗膜は、自然塗料塗装のように塗り直しなしで使用できる期間が一般的に長いといわれています。

経年劣化やヒビ、やかんの直置きなど熱による塗膜面の変色が発生した場合は、塗膜を剥がし再塗装をするが必要になります。しかし深い傷やヒビ、熱いものに注意して使用していただければ安心して使える優れた塗装です。

 

汚れたときの掃除法

柔らかい布に希釈した中性洗剤を含ませ固く絞って払拭します。その後、ぬるま湯で固く絞った布で洗剤成分をふき取ります。最後に、乾拭きして水分を除きます。化学ぞうきんは、ウレタン塗装面に影響を与えますので使用しないでください。

 

ウレタン塗装は、溶剤や熱に注意

アルコール、ベンジン、シンナー等の使用は、絶対避けてください。ウレタン被膜を溶解します。熱にも影響を受けますので、熱いやかんや鍋、湯呑みなどの直置きは避けてください。
紫外線等にも樹脂膜が反応し日焼けしますので、ご注意下さい。


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ウレタン塗装材に食品、画材汚れを施し1時間後に除去する実験。(手前は、中華調味料:豆板醤)

 


汚れ落としの実験

ウレタン塗装を施した無垢材の天板に、食品汚れと画材による汚れを除去する実験を行いました。

汚れのジャンル 汚れの素材
 食品汚れ  コーヒー、中華調味料(豆板醤)
 画材汚れ  油性ペン、色鉛筆、墨、水彩絵の具

 

【実験概要】

実験要領:汚れを付着させてから1時後に拭きとり、希釈した中性洗剤を布に含ませて払拭する。

実験材:ウレタンクリア―塗装(ツヤ全消し)無垢板

実験用具用材:中性洗剤(水で希釈したものを用意)、メリヤス生地、ティッシュ、消しゴム、(注1)ベンジン、エタノール、ウレタンスポンジ

実験は、マルトク工場内にて6月上旬から中旬にかけて常温で行いました。

 

実験 ウレタン塗装材の汚れを落とす

 

中性洗剤だけで、一部を除いて汚れの大半は落とせます

ウレタン塗装は、樹脂被膜で覆われているので希釈した中性洗剤で拭きとると油性ペンの汚れ以外は落とせます。


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写真左:ウレタン塗装した無垢材を汚した。写真右:希釈した中性洗剤で汚れの半分(赤点線内)を払拭した。

 


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汚れをティッシュで取り除き、希釈した中性洗剤で数回拭きとると油性ペン以外の汚れは、かなり落ちた。

引き続き払拭すると油性ペン以外の汚れはほとんど落ちた。

コーヒー


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写真左:コーヒーをこぼし1時間後にティッシュで拭き取り、水拭きすると元通りになった(写真右)

油性ペン


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希釈した中性洗剤での汚れ落としには限界があります。数分間払拭した時点でも油性ペン跡が残ります。

 

油性ペンの汚れは、手ごわい

油性ペンの汚れも、しばらく拭き続けると徐々に跡が薄くなりますが、完全に除去できないので他の方法を探りました。


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写真右:ウレタン塗装面の油性ペン跡。写真右:希釈した中性洗剤で拭き取るも簡単には消えません。消しゴムをかけても変化なし。

 

条件付き、禁じ手の除去法

ウレタン塗装は、溶剤に弱い

ウレタン塗装は、樹脂成分の塗装です。ベンジンやアルコール(エタノール)などの溶剤は化学変化の起因となりますので、絶対に使用しないでください。

今回は、実験という事もあり、あえてこれら溶剤を用いてみました。(お願い:真似はしないでください)


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写真左上:ベンジンを用いても結果に変化はありません。写真中:アルコール(エタノール)でもほとんど変化なし。写真右:希釈した中性洗剤を含ませたウレタンスポンジで軽く擦ってみるとあっさり消えました。(実際には細かな傷がつきます)

 

使い込んだツヤ全消しのウレタン塗装材ならば禁じ手も?

どうしても油性ペンの汚れが落ちず気にななるようなら、条件付きですが、前述で使用を控えるように書いたウレタンスポンジを使う方法もあります。

条件は、年季の入ったウレタンツヤ全消し塗装であれば、希釈した中性洗剤を含ませた「ウレタンスポンジ(上写真右)」で、軽くこするとあっけなく油性ペンの汚れが落とせます。

ただし、目視では、よく分かりませんがウレタン塗装面に細かい傷が入ります。(光沢のあるウレタン塗装材には使用しない事。ウレタンツヤ全消し塗装であっても、無傷の材には使用しないでください。塗膜が曇るばかりか、かえってその部分だけが目立ちます。

 

以上 実験終わり

 


 

まとめ

 

ウレタン塗装のメンテナンスは、基本水拭きだけ

表面が被膜で覆われているウレタン塗装は、水拭きだけで日常のメンテナンスは完了します。

しつこい汚れには、希釈した中性洗剤で払拭するだけで、かなり汚れが落とせ(というか、汚れにくい)ウレタン塗装のすばらしさを再認識しました。

 

衝撃と熱がウィークポイント

しかし、衝撃や熱で出来た被膜の変色や変質は、一旦塗装被膜を剥がさないと修復が出来ません。日常は、できるだけ丁寧に取り扱うことが求められます。
ウレタン塗装は、被膜が中の木材を保護していますので、被膜のみの傷なら木材内部に水分等の浸透が発生しないので、多少の傷は見過ごしても大丈夫ですが、木材に達する傷は早急な対応が必要です。

細かい傷であれば、ウレタン塗装用のタッチアップ(塗料)を筆で塗る方法もありますが、修復部位が目立ちますので技量が求められます。必要な場合は、塗料を扱っている店でご確認下さい。塗り直しは、DIYでは難しい作業ですのでプロにご相談ください。

 

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(注1)ベンジン、エタノール、ウレタンスポンジ:これらの溶剤や研磨スポンジは、メンテナンスには相応しくありません。材を痛めますので使用しないで下さい。今回、実験を前提に使用してその有用性と無効性をお伝えするため特別に使用しました。あしからずご了承願います。

 

マルトク的「塗装学」メンテナンス

マルトク的「塗装学」その5 自然塗料塗装材のメンテナンス

2017年6月15日

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自然塗料塗装材のメンテナンス法

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自然塗料塗装材の汚れ落とし実験をしました。

実験用に無垢のビーチ材を用意し、左半分に自然塗料塗装を施し、右半分は無塗装のままで、食品や画材などの汚れをつけたものをきれいにする内容です。

材の左半分に自然塗料を塗装した材で汚れ等の実験を実施

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実験対象材:左半分を自然塗料(クリアー)を塗装したビーチ材、右半分は無塗装の材を用意して実験をしました。

 


 

汚れ落としの実験

無垢材の半分だけ、自然塗料を塗装し、無塗装面での汚れの落ち具合いも比較観察できるようにしました。

今回、汚れの素材に選んだの以下の通りです。手垢は、水拭きと希釈した中性洗剤で落とせるのであえて検証は行いませんでした。

 

汚れのジャンル 汚れの素材
   食品汚れ

 コーヒーしょうゆ、ケチャップ、中華調味料(豆板醤)

   画材汚れ

 水彩絵の具、色鉛筆、墨、油性ペン

 

【実験概要】


実験要領:いずれも、汚れを付着させてから1時後に汚れを拭きとり、希釈した中性洗剤(注参照)を布に含ませて払拭する。

実験用具用材:中性洗剤(水で希釈したものを用意)、メリヤス生地、ティッシュ

実験は、マルトク工場内にて6月上旬から中旬にかけて常温で行いました。

 

実験    汚れを落とす

(試験材の左半分を自然塗料塗装を施しています。)

[食品汚れ]

コーヒー

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写真左:コーヒーをこぼして1時間放置。写真中:無塗装面にかなり拡がったコーヒー跡を、水拭き後希釈した中性洗剤で汚れを払拭した状態。自然塗料塗装を施した材の左側は、かなり汚れがとれましたが、無塗装部分は、染みが残りました。

 

しょうゆ

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写真左から:しょうゆは、拭き始めは跡が残りますが水拭きした後に希釈中性洗剤で拭くと徐々に跡が分からなくなりました。

ケチャップ

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写真左:ケチャップを対象材の上にこぼす。写真中:1時関すると無塗装面で目立って水分が拡がった。写真左:希釈した中性洗剤で払拭するとほぼきれいになった。よく見ると無塗装面側では、うっすら色素が残った。

 

豆板醤(とうばんじゃん:中華料理調味料、油と唐辛子等配合)

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写真左:中華料理の調味料「豆板醤」をこぼし1時間放置。写真中:汚れをすくい取った。油分は1時間程度ではほとんど染込み確認はできませんでした。唐辛子の色素沈着は若干残りました。写真右:希釈した中性洗剤を含ませた布でふき取った。洗剤だけで汚れが落ちない場合は、サンドペーパーでの研磨が必要です。

 

[画材汚れ]

水彩絵の具、色鉛筆

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写真左:上から水彩絵の具(ビリジアン色)、色鉛筆(赤色)で汚し、1時間放置。写真中:水拭き後、希釈した中性洗剤で拭きとる。左半分の自然塗料塗装部分は水彩絵の具がまず最初に落ち、更に払拭すると色鉛筆も消え始めた。当初より目立たなくなった。(写真右)

 

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写真左:墨で材を汚す。写真中:水拭き後、中性洗剤で固く絞った布地で拭く。写真右:拡がった汚れをティッシュ等で拭き取りながら希釈洗剤でふき取る。無塗装部分は、墨の色素が沈着した。

 

 墨は、昔から表札などで使用されており定着の良い成分です。今回も実験で無塗装部分の墨汚れが、ほぼ残りました。しかし自然塗料塗装が施された左半分は、墨の成分は材に吸収されず希釈中性洗剤でかなり落とせました。

実験では、円を描くように払拭したので、無塗装部分では汚れが拡がってしまいました。余分な水分や汚れは随時ティッシュペーパーなどで除去しながら拭くといいでしょう。最終的に、拡がった墨汚れ部はそれなりに汚れが落とせました。

墨汚れの除去のコツは、汚れた部分のみ集中的に払拭し、汚れていない部分に拡げない事がコツのようです。

 

油性ペン

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写真左:油性ペン跡は、材左半分の自然塗料塗装部分は、中性洗剤で1分程拭くと写真右のように若干薄くなります。続けるとインク跡は薄くなりますが同時に塗装面の塗装色も若干薄くなります(写真右)。

油性ペンのインク跡の除去には限界があります

力を入れるよりも、汚れが付着していない布面で汚れを布地に移す気持ちで拭き取ります。余分な水分はティッシュなどで随時拭き取りながら、汚れが拡がらないようにします。

跡が消えない場合は、塗装面ごと削るサンドペーパーでの研磨が必要です。

自然塗装の場合は、 水、中性洗剤で固く絞った布地で拭きます。完全には消すことが出来ませんがかなり薄くなります。油性ペン跡はインクの浸透性も高く中性洗剤では汚れ落ちに限界がありました。

 

禁じ手の溶剤を使ってみました。※材が傷むのでご使用しないで下さい。

実験なので、禁じられているベンジン、アルコールを用いた実験も行いました。無塗装の材を用いて、油性ペン跡の汚れを除去できるか試してみました。(あくまでも、これらの溶剤を用いても木地を痛めるだけで汚れが除去できない事をお伝えするためにあえて実験しました)

 

ベンジンやアルコールでも油性ペン跡は消えない 

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写真左:ベンジンで油性ペンを用いて無塗装材に直接落書きをしたを拭いてみましたが、瞬時に揮発し溶解もせずほとんど変化しませんでした。(無塗装材にて実験)写真右:アルコール(無水エタノール)を吹きつけると、滲みはしたものの消すことは出来ませんでした。(無塗装材にて実験)

 

以上 実験終わり


 

手垢汚れ

手垢が目立つようなら、希釈した中性洗剤で堅く絞った布で払拭してください。拭いた後は、乾拭きして水気が残らないようにしましょう。くれぐれも、ベンジンやエタノール(アルコールもしくは、エタノール配合のウエットティッシュ等)の使用は避けてください。

 

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自然塗料塗装材のメンテナンスまとめ

 

自然塗料の塗装を施した材のメンテナンスの容易さも素晴らしいものでした。


ただし、自然塗料の効用を維持するためには定期的に専用ワックスや自然塗料の塗布が必要ですが、そういった手間を惜しまない方には、お勧めの塗装方法です。

今回、汚れを除去する実験のなかで水だけで落とせないものか試してみましたが、材の片面だけに水分が吸収され若干ですがソリが発生しました。汚れを除去する際は、汚れをすくい取れる場合は下敷き様のものですくい取り軽く水拭きした後、希釈した中性洗剤で汚れを落とすのが最も効率が良かったです。

自然塗料塗装面の汚れを払拭すると、その強度によって若干塗装が薄くなる場合があります。汚れの度合いよっては、サンドペーパーがけをして自然塗料塗装をしたほうが良い場合もあります。ご使用の度合いによってご判断下さい。

 

メンテナンス用、自然塗料専用ワックス(カルナバワックスエマルジョン)

水性のメンテナンス用ワックスです。通常の木部のお手入れは水拭きで充分ですが、汚れが目立ってきた際、お試し下さい。塗装面の汚れを落とし、自然な艶を引き出します。(マルトクショップで取扱っています)
https://shop.woodworks-marutoku.com/products/coating/item/toryo037.php

 

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自然塗料を塗装しておけば、メンテナンスが容易です。(写真は、半分だけ自然塗料クリアーを塗装した実験検証後の無垢材です)

自然塗料を塗装していない部分のみ汚れが残っている。

 

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無塗装について

無塗装材は、一旦汚れや染みが発生すると、払拭だけでは取れなくなります。染みの除去はサンドペーパーがけが必要です。そういった状態を避けるため、材の保護。末長く木肌の味わいを楽しむために自然塗料(クリアー)がお勧めです。

現在、無塗装でご使用の方はこの機会に自然塗料塗装をご検討されてみてはいかがでしょう。DIYでできます。

 

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ご購入後、末長く満足していただける為にお役に立てればと思っています。
ご意見や、アイデア、すご技など教えていただけると嬉しく思います。
 
 
続編「ウレタン塗装材の日常メンテナンス」を予定しています。
 

 

▼マルトク的「塗装学」その6 ウレタン塗装材のメンテナンス▼
https://shop.woodworks-marutoku.com/mokumoku/2017/06/5-2.html

マルトク的「塗装学」その3 塗装の注文ポイント

2017年6月14日

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塗装発注の注意

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用途や目的に相応しい塗装

マルトクでお受けできる「塗装」は、「ウレタン塗装」と「自然塗料塗装」の2種です。ダイニングテーブルや汚れが発生する用途なら表面に塗装被膜を形成する「ウレタン塗装」がメンテナンスも容易で輪ジミや汚れの対策になりますし、台拭きも楽です。

自然塗料は、材の表面に被膜を形成しませんが水をこぼしてもすぐに拭きとれば問題はありません。自然塗料が材の中に染み込んでいるので木の風合いや肌触りはそのままです。天然木を五感で味わうなら自然塗料がお勧めです。

 

塗装は、下地処理も忘れずに発注して下さい。

塗装の仕上がりの善し悪しは、下地処理が大切です。指定サイズにカットしただけの材の角は鋭くなっており、角が鋭利だと塗料が馴染みません。角の鋭利な部分を処理することで使用時も安全で、塗装もきれいに仕上がります。マルトクショップでの塗装を注文する際には、忘れずに「面取り加工」項目のチェックを忘れずに選択してください。

面取り加工は、ご意向がなければ「糸面+磨き」を指定する

塗装下地処理の為に面取り加工は必須です。特に面取り加工の希望がなければ「糸面+磨き」を選択してください。ご希望の面取り加工があれば、何れかを選択すれば塗装が可能です。その他の面取加工は下記をご参考下さい。いずれの面取り加工で塗装はできます。

(マルトクショップ:面取加工参考形状について

https://shop.woodworks-marutoku.com/shared/data/pop/POP3.html

マルトクショップ 面取り加工一覧

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面取加工参考形状(材の断面図)塗装にはいずれかの材の角加工が必要です。分からない場合は、面取加工の指示を「糸面+磨き」を選択してください。

 

 ウレタン塗装について(クリアー、カラー)

  • ウレタンクリアー塗装:文字通り透明のウレタン塗装です。ツヤ全消し仕上げです。塗装後の色は、水拭きした後のような少し濃い濡れ色となります。
  •  ウレタンカラー:ウレタン塗装の半透明カラー仕上げです。ご注文の際、色見本になる参考資料(URLでも可)が必要ですが繊細な指定通りには仕上がりません。

マルトクショップのウレタン塗装と自然塗料の比較

  ウレタン塗装                              自然塗料塗装                                  
塗装法

樹脂膜で木全体を吹付塗装

(材の水分量をほぼ一定に保持する)

木に塗料を手塗りで浸透させる

(木が呼吸するので、湿度変化する)

撥水性

水を弾く(輪ジミ出来にくい)

水拭きだけで汚れがとれやすい。

染みが出来る可能性がある。

(汚れたらすぐに拭きとる事が必要)

耐久性

 

劣化がゆるやか

経年で色が褪せる
光沢

光沢ナシ(ツヤ全消し)

自然な風合い
 メンテナンス 

補修は専門家に委ねる

家庭でもできる

コスト

自然塗料と変わらない

ウレタン塗装と変わらない
匂い ほぼ無臭

木の香りと、自然塗料の香りがする。

(経年変化する。)

使いやすさ

 

拭きとりが容易

汚れたらすぐに除去する
表面硬度

固い

木地のまま

 

マルトクショップでの「塗装」は、すべて両面塗装です。

両面塗装の記述がない場合でも、塗装はすべて表裏両面塗装を施します。「裏捨て塗り」を選択された場合も両面塗装とし、裏面のみ「捨て塗り」と称す工程の少ない塗装を行うもので、両面塗りよりも若干費用が安くなっております。

マルトクショップの塗装一覧

マルトクショップでは、下表の塗装を選択できます。

マルトクの塗装指定 内容
なし 一切塗装を施さない(料金は発生しない)
ウレタンクリアー両面(ツヤ全消し) ツヤ消しのウレタン塗料を表裏両面に塗装する

ウレタンクリアー裏捨て塗り

(ツヤ全消し)

ツヤ消しのウレタン塗料を表裏両面に塗装。裏面は省工程の塗装
--- ---
自然塗料クリアー両面 自然塗料の透明色を表裏両面に塗装する(木地色が少し濃くなる)
自然塗料クリアー裏捨て塗り 自然塗料の透明色を表裏両面に塗装する(裏面は省工程の塗装、木地色が濃くなる)

自然塗料カラー

(ダークブラウン)両面

自然塗料のダークブラウン色を表裏両面に塗装する。(半透明色)

自然塗料カラー

(ダークブラウン)裏捨て塗り

自然塗料のダークブラウン色を表裏両面に塗装する。(半透明色)

自然塗料カラー

(ミディアムブラウン)両面

自然塗料のミディアムブラウン色を表裏両面に塗装し、裏面は軽度の塗装をする(半透明色)

自然塗料カラー

(ミディアムブラウン)裏捨て塗り

自然塗料のミディアムブラウン色を表裏両面に塗装し、裏面は軽度の塗装をする(半透明色

塗装依頼時は、必ず面取が必須です。(最低でも面取加工の「糸面+磨き」を指定してください)

 

裏捨て塗り

「捨て塗り」は、材の湿度の均衡を保つ為に塗るもので、ソリの対策にもなっております。(反らない訳ではありません)表面の塗装を希望の場合は「両面」もしくは「裏捨て塗り」の何れかの選択となります。

塗装のご注文をいただきますと、自動的にコグチ、コバも塗装いたします。

 


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塗装は裏表両面、コグチ、コバも塗装することで材を守ります。

塗装の費用

マルトクショップでの塗装料金は、以下の通りです。(価格は変わる事があります)

・ウレタン塗装、自然塗料の塗装料は:塗装面積1㎡あたり5,000円です。

(裏捨て塗りの場合は、自然塗料、ウレタン塗装のいずれも若干安くなります。)

 

(例)無垢タモ材を例にテーブル天板を塗装すると以下のようになります。(2017年4月時点の参考価格)

     項目      内容 サイズ 料金
材料費 無垢タモ

厚さ30×幅800×長さ1,400㎜

37,380
加工料 面取加工

ABCD面 それぞれ「糸面+磨き」

1,330
塗装料 自然塗料クリアー両面

(表面と裏面 、コグチ、コバの総表面積)×1㎡あたり5,000円

12,710
      合計 51,420

樹種にふさわしい塗装を選ぶ

クリアータイプの塗装でも、材に塗料が染み込むことで樹表面は色が濃くなります。ちょうど水拭きしたようなイメージです。樹種によって塗装後の色の変化は様々です。特に色が付いた塗料を塗るとなおさらです。例えば、ウォールナットやブラックチェリーなどにダークブラウンの塗装を行うと、せっかくの材の雰囲気が封じ込められます。そういった変化を逆に使う方法もありますが、カラー塗装の場合は注意が必要です。

 

天然材の寿命はメンテナンス次第

塗装面の劣化は、ご家庭でもメンテナンスの出来る自然塗料を選択するのも懸命です。

天然木も長く使用していると表面が経年劣化します。日焼けや汚れ、傷など免れません。ウレタン塗装は比較的寿命が長いと言われていますが、一旦ダメージを受けると専門家でしか修復できませんが、自然塗料ならご家庭で容易に塗装することができます。ホームセンターやDIY用具のお店で販売されている自然塗料と布地があれば塗装できます。
 

天然木は、サンドペーパーで磨けば新たな材が露出し真新しくなります。無垢材や集成材は手入れさえすれば長年使用できる優れた材なのです。次回のもくもく通信で、メンテナンス法を紹介いたします。

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※ご覧のブログに使用しています画像は、ご覧のモニターにより色味が変わる場合がございます。あしからずご了承の程よろしくお願いいたします。

***

次回は、引き続き「塗装」続編として、メンテナンス法を予定しています。

 

 

▼マルトク的「塗装学」その4 無垢・集成材の寿命はメンテナンス次第▼

https://shop.woodworks-marutoku.com/mokumoku/2017/06/5.html

マルトク的「塗装学」その2 自然塗料塗装とウレタン塗装の違い

2017年6月14日



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自然塗料塗装とウレタン塗装の特徴

 

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ナチュラルさなら自然塗料塗装、使い勝手ならウレタン塗装。

初めて無垢材、集成材を購入する時は、どのような塗装が相応しいのか迷いませんか?

「無垢材」のイメージを「無塗装」のように思われている方も少なくはありません。実際に使用されている無垢材の多くは、塗装がされていないように見えても、なんらかの塗装をされているケースが多いです。

無垢材、集成材を塗装せずに使用すると汚れとソリの問題がつきまといメンテナンスが大変です。

塗装をすることで、汚れやソリに対しての予防(ソリ発生の軽減)となります。塗装しても使用環境によりソリを無くすことで出来ませんが、無塗装よりもはるかに効果的な予防策となります。

無塗装の状態では、木材の水分量の増減が著しく、ソリの要因となります。塗装を施すことで、木材内部の水分量の保持に繋がるといわれています。

先にも述べましたが、マルトクショップで取り扱っている塗装は大きく分類して2種です。

 

・自然塗料塗装含浸型塗料オイル塗料OSMOの「自然塗料クリアー」「自然塗料カラー(ミディアムブラウン)」「自然塗料カラー(ダークブラウン)」

・ウレタン塗装造膜型塗料「ウレタンクリアー(ツヤ全消し=ツヤ消し)」

 

マルトクショップの塗装の種類(室内用)タモ無垢材、タモ集成材での塗装見本


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※写真説明で使用しています塗装見本は、材や状況、モニター等によって色や反射具合が異なります。あくまでも相対的な参考イメージとしてご覧下さい。

 

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無垢桧ウレタンクリアー(ツヤ全消し)。無塗装のような風合いが美しい。

 

自然塗料の仕上がり

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自然塗料塗装と無塗装比較:手前側は、自然塗料クリアー塗装分、奥は同材の無塗装分です。色が若干濃くなる。

【樹種】右手前より左後ろ順に:ホワイトオーク、ウォールナット、タモ、ホワイトパイン、ブラックチェリー、マホガニー、メープル、杉

 

自然塗料の塗装色:無垢材サンプルの塗装と無塗装の比較

無塗装と塗装の比較(自然塗料クリアー)



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左は自然塗料(OSMO:クリアー)の塗装を施したもの。右は無塗装です。

 

 ウレタン塗装について(クリアー、カラー)

  • ウレタンクリアー塗装:艶のない梨子地で塗装した感があまり感じられない。テカリは無い。
  •  ウレタンカラー:ウレタン塗装の半透明カラー仕上げです。ご注文の際、色見本になる参考資料(URLでも可)が必要ですが繊細な指定通りには仕上がりません。

 

マルトクショップのウレタン塗装と自然塗料の比較

  ウレタン塗装                              自然塗料塗装                                  
塗装法

樹脂膜で木全体を吹付塗装

(材の水分量をほぼ一定に保持する)

木に塗料を手塗りで浸透させる

(木が呼吸するので、湿度変化する)

撥水性

水を弾く(輪ジミ出来にくい)

水拭きだけで汚れがとれやすい。

染みが出来る可能性がある。

(汚れたらすぐに拭きとる事が必要)

耐久性

 

劣化がゆるやか

経年で色が褪せる
光沢

光沢ナシ(ツヤ全消し)

自然な風合い
 メンテナンス 

補修は専門家に委ねる

家庭でもできる

コスト

自然塗料と変わらない

ウレタン塗装と変わらない
匂い ほぼ無臭

木の香りと、自然塗料の香りがする。

(経年変化する。)

使いやすさ

 

拭きとりが容易

汚れたらすぐに除去する
表面硬度

固い

木地のまま

 

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次号は「塗装の発注時の注意」です。あわせてご覧下さい。

 

 

▼マルトク的「塗装学」その3 塗装の注文ポイント▼

https://shop.woodworks-marutoku.com/mokumoku/2017/06/3.html

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0180425一部改定

マルトク的「塗装学」その4 無垢・集成材の寿命はメンテナンス次第

2017年6月12日


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~無垢・集成材の寿命は手入れ次第~

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木材は、使い始めた日から味わいが滲にじみ出る

木材は、究極のエコ素材です。太古から普遍的に使われており、年月を経ても朽ちずに生き続けています。

神社仏閣などの木造建造物などその多くが世紀を超えて現存していることからその耐久性は推し量ることが出来ます。

無垢・集成材は、少々劣化しても、手入れをすれば蘇り多少の歪みや反りが発生しても使い続けることができます。

状態によっては、治す事も可能です。

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自然の木肌がそのまま活きる自然塗料塗装表面(ウォールナット)。硬く絞った布で拭いてきれいに保てます。

 

金属より木材の方が強い

木材は、扱い方によっては耐用年数が伸びる反面、処理をした金属に比べ湿度や日照(ヤケ)など自然環境の影響を受けやすいのも事実です。使用に伴う汚れ、擦れ、削れ、へこみなどが発生しやすい繊細な素材でもあります。しかし、メンテナンスをすれば、末長く気持ちよく無垢・集成材を使用していただけます。今回から3回に渡って、マルトク的塗装学の「メンテナンス」についてお伝えします。

木材は生きています

木材は、染みや汚れといった人為的な劣化だけでなく、腐朽菌や害虫、カビにも用心が必要です。その為には塗装がなによりの予防になります。おそらくマルトクのお客様の多くの方は、自然塗料もしくはウレタン塗装を施されている方が多いと思いますが、塗装せずにご使用なら、使用中でも材表面の処理(ペーパーによる研磨等)を施して塗装できるのでご安心下さい。

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無垢・集成材は、染み、ヤケ、変色、傷などで状態が悪くなれば、表面を磨くと新しい木肌が出てきます。(サンドペーパーで磨く)

 

メンテナンス次第で末永く使用できる天然木材

使用し始めたその日から劣化が始まるプリント合板や化粧合板と比べ、使い込めば使い込むほど味わいが深まるのが無垢・集成材の魅力です。
手間がかかる事は、裏返せば愛着がわくものです。程よく手入れされた材の味わいは暮らし質を高めてくれます。無垢。集成材など天然木材の魅力をメンテナンスで、末長くお楽しみ下さい。

木材は、経年変化(劣化)で色が変わる

樹種により多少の差はありますが、経年による色の変化が発生します。色が濃くなる樹種や、逆に色が薄くなる樹種もあります。
人も紫外線で日焼けするように、木材も日焼けしやすい樹種や、逆に経年変化で色が薄くなる樹種などあります。

こういった変化も、自然素材ならではの深みです。経年変化をぜひお楽しみ下さい。

経年変化しやすい樹種:メープル、クリ、オーク、チェリー、パイン、ウォールナット、アッシュ、チーク等

 

日常のお手入れ

 

塗装の種類に関係なく、水拭きが基本です

日常の手入れは、水で固く絞った布地で拭くだけです。

汚れが目立ったら、希釈した中性洗剤で固く絞った布地を用いて汚れを落とします。しつこい汚れに対しては、ぬるま湯を用いましょう。中性洗剤で払拭した場合は、必ず柔らかい布で洗剤成分を拭き取っとおきます。

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日常は、水で固く絞った雑巾で拭くだけできれいに保てます。(自然塗料塗装のウォルナット材

 

食品・調味料、飲料、画材などの汚れは、すぐに拭きとれば、汚れがきれいに除く事ができます。汚れたまま放置すると染みになりますので、汚れたら早めの処理が大切です。

木材は、湿度にとても影響を受けますので換気のよくない場所や、湿気のある場所でご使用なら換気しましょう。換気しにくい場合は、扇風機等で緩い風を当てて換気をしましょう。

 

汚れは早めに除去する

自然塗料塗装材は、塗装表面が汚れたらクリーナーを用いたメンテナンスが有益です。水拭きだけで落ちなかった汚れには専用クリーナーで払拭しておくと安心です。

メンテナンス用クリーナー剤は、塗料メーカーから販売されています。OSMOカラーの「オスモワックスアンドクリーナー」や、WATCOの「ワトコワックス」など市販されています。

一般的な「住まい洗剤」などは自然塗装の木材には不適切です。使用しないでください。

各塗料メーカーから販売されている専用のクリーナーで補修ができます。マルトクショップでは、OSMOカラーを使用していますので「osmo color ワックスクリーナー 」が最適です。

 

汚れが目立ってきたらワックスを使用して下さい。

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水拭きで、汚れが残るようでしたら、水性ワックスをご使用下さい。

カルナバワックスエマルジョン 0.5L

水性のメンテナンス用ワックスです。通常の木部のお手入れは水拭きで充分ですが、汚れが目立ってきた際、お試し下さい。塗装面の汚れを落とし、自然な艶を引き出します。1Lのぬるま湯にカルナバワックスエマルジョンを30~40ml注ぎ、堅く絞った布で拭いて下さい。 【用途】メンテナンス用【成分】水、カルナバワックス、脂肪酸、天然乳化剤

【マルトクショップ】

https://shop.woodworks-marutoku.com/products/coating/item/toryo037.php

 

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無塗装について

無塗装材は、一旦汚れや染みが出来るとかなりサンドペーパーをかけないと元には戻りません。僅かな染みがやがて目立つ染みになってきます。材の保護の意味でも末長く、木肌の味わいをほぼそのまま楽しめる自然塗料(クリアー)がお勧めです。

現在、無塗装でご使用の方はこの機会に自然塗料塗装をご検討されてみてはいかがでしょう。

 

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中性洗剤について

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木肌への影響を最低限に抑える為に、中性洗剤の利用を紹介しています。

中性洗剤には、洗濯用やシャンプーなどの種類がありますがキッチン用の中性洗剤をご使用下さい。

希釈割合は、洗剤の使用説明をご参考下さい。

 

アルカリ性の洗剤の使用は禁止!

住宅用洗剤や液体石鹸、キッチン洗剤の多くは弱アルカリ性のものが多く出回っていますので、必ず「中性」の洗剤をご使用下さい。

洗濯用石鹸の中には漂白剤などが含有しておりますので、必要最小限の成分のもがベストです。

 

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ご購入後、末長く満足していただくためのメンテナンス法を全3回で予定しています。
 
次回の「 塗装学」メンテナンスの続編として「無垢・集成材のメンテナンス」編です。
ぜひ、ご覧下さい。
 
 
▼マルトク的「塗装学」その5 自然塗料塗装材のメンテナンス▼
https://shop.woodworks-marutoku.com/mokumoku/2017/06/post-6.html
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マルトク店長からのご挨拶


中島弘樹

マルトクショップは、木材(無垢材・集成材・積層材)のフリーカット販売・床材(フローリング材)の通販専門店です。
無垢材・集成材をお好みの寸法にカット、木材のサンプルを送料無料でお届け、施主支給など、お客様のニーズにあわせたプランをご用意しています。