2019年7月18日
目次
|
今回製作するのは縦1620×幅1520×奥行き300mmの棚をDIYします。
帆立板2枚と側板は簡単組み立て金物で、棚板3枚は金折でそれぞれ固定します。
側板と帆立板にはダボレールを取り付けて、最終的には好きな場所に棚板を入れることができるように予定しています。
ダボレールとは、ダボを棚受けとして利用して棚板を支える可動棚の仕組みです。逆涙型になった下の穴にダボを固定し、棚板を支えます。
ダボレール自体にも厚みがあるので、利用する際にはダボレールの厚みも計算して設計しましょう。
今回外枠と帆立板の組み立ては簡単組み立て金物で行うので、ダボレールの設置位置を決めて行きます。
さしがねで位置を決めてマスキングテープを貼ります。
位置が決まったら一度仮置きしてみます。写真のように貼り付ける必要まではないのですが、今回は数が多いので紛失防止に軽く留めました。
ダボレールは長い物を切って使用しています。カットすると穴の位置がずれる可能性があるので、ズレが無いか確認する意味でも仮置きしてみましょう。
ダボレールの切れ目の部分に、固定棚を設置します。
ダボレールにはネジを止めるための穴が空いているので、インパクトドライバーで下穴を開けて皿木ネジで固定して行きます。
仮留めのまま全ての下穴を開けるのではなく、まずは1箇所だけ固定して仮留めを外し、木材にきちんと平行になっているかを確かめながら他の穴も固定する方が調整できて失敗が少ないです。
意外に上下を間違えるので気をつけましょう。
今回、固定棚部分の固定には金折と言う金具を使用しました。棚受け専用金具に比べ単体での強度は多少落ちますが、きちんとサイズを選べば問題なし。
必要な耐荷重を店員さんに伝えて教えてもらいましょう。
金折は単価が数十円〜と安く、ホームセンター等でも手に入りやすいので使いやすい金物です。
ダボレールと同じく金折の固定位置の墨付けをしたら、下穴を開けて取り付けます。
向かい合う四つの金具の高さが同じでないと棚板が傾いてしまうので、位置の墨付けはきちんとさしがねで直角を取りながら行いましょう。
実はこの写真、撮影してから反省したのは金具の下辺に墨付けをすれば良かったということ。ちょうど金具の折り目の部分に印をつけたので、見にくくて苦労しました。
棚が大きめなので打ち込む場所も多く、この金具取り付けの作業に一番時間がかかりました。裏面の金折は組み立ててから取り付けます。
金具を取り付け終わったら、いよいよ棚を組み立てます。今回、外枠と帆立板には簡単組み立て金物をあらかじめ入れてあります。大きな家具を組み立てる際には非常に便利な加工なので、ご利用になりたい方はぜひお問い合わせください。(1箇所800円〜)
天板と底板にはメス金具を、側板と帆立板にはオス金具を仕込んであります。
まずは金具同士がぴったりはまるように合わせるのですが、この手の加工の大敵は、木材の反り。特に今時期のような湿度の高いシーズンは、あとで組み立てようと数日放置しただけでも木材は動いてしまいます。
ひどく反った場合は金具を合わせることすらままならないので、届いた木材は早めに使用しましょう。
きちんと金具が合わさっていたら、穴に付属の六角レンチを差し込んで回します。グリッと回る感触があればOK。
板を並べたままだと付けにくかった部分の金具も、このタイミングで付けてしまいます。
まだこのままだと横方向の力に弱いので、押すと少しぐらつきます。それを補強するために、固定棚を付けていきます。
棚受けの金折の上に、まず棚板を置いてしまいます。簡単組み立て金物のジョイントをしてあっても、意外と帆立板はたわむので、必ず三枚とも並べて位置を合わせてから取り付けます。
金折の穴に鉛筆を差し込んで、グリグリと位置を写し取ります。写したら一旦板を外し、インパクトドライバーで下穴を空けます。
下穴を開けたら板を元の位置に戻し、木ネジで固定して行きます。
固定棚設置の辛いところは、上に向かってのネジ締めが避けられないところ。この作業だけは上から抑えてもらって二人掛かりでした。下穴をしっかりと開けておくと、だいぶ作業は楽になります。
可動棚を固定したらインパクトドライバーを使用する作業は終了!あとは可動棚の位置を決めて行きます。
棚を入れたいところにダボを差し込めば、棚受けとなります。棚板が多いと、何気ない作業に見えても一仕事です。
可動棚の棚板は、ダボレールの厚みを考慮して固定棚の棚板よりも短く注文する必要があります。
今回の場合は10mm小さくなるようカットしてあります。
今回は同じ棚を2台製作。ちょっとした壁面収納になりました。元から壁にあるラインに高さを合わせたので、直線情報が少なくなってスッキリしました。
ダンボールを縦に収納していたのを横に入るようにしました。素材も薄くしてスッキリ。
一番問題だった椅子の後ろの空間も広くなりました!
ダボレールの位置合わせが甘く、若干棚板がガタつくおまけ付きではありましたが概ね問題なく完成させることができました。
300×1520×1620mmとボリュームのある棚でしたが、固定部分を増やし、堅いゴム材を使用したので、全体を20mmと薄めな材で統一することができました。やっぱり薄い方が見た目がスッキリします。
今回制作した棚の材料をまとめました。
項目 | 詳細 | 数 | 参考価格 |
---|---|---|---|
【木材】天板&底板 | 20×300×1520mm 糸面+磨き |
2枚 | 5,050円/枚 |
【木材】側板&帆立板 | 20×300×1580mm 糸面+磨き |
2枚 | 5,240円/枚 |
【加工】簡単組み立て金物 | 8箇所 | 800円/箇所 | |
【木材】固定棚用棚板 | 20×300×480mm | 3枚 | 1,250円/枚 |
【木材】可動棚用棚板 | 20×300×470mm 糸面+磨き |
9枚 | 1,700円/枚 |
【金物】ダボレール | 1820mmを購入してカット | 12本 | 1000円前後/本 |
【金物】金折 | 32×40mm | 12枚 | 約65円/枚 |
【金物】更木ネジ | 3.1×16mm 3.1×20mm |
約2~400円/箱 | |
【金物】ダボ | 8×18mm | 72個 | 約3~400円/10個 |
道具 | インパクトドライバー 六角レンチ マスキングテープ 鉛筆 さしがね |
ダボレールのカットはご家庭では難しいですが、カットしてくれる金物屋もネットで見つかります。また、丸ノコを置いてあるホームセンターやDIYスペースなどではカットできる場所もあるかもしれません。
棚は基本的に墨付け、穴空け、ネジ締めだけで作ることができるので高度な技術は必要ありません。樹種や塗装、加工に関してはご連絡いただければご相談にも乗らせていただきますので、ぜひ挑戦いただければと思います。
今回は前回のテーブル作りから多少ステップアップして、棚のDIYを記事にしてみました。
基本的にはほぼ素人の事務所スタッフが、試行錯誤しながら3.5時間ほどで組み立て完了。
多少のアラはありますが概ね問題なく使える棚が出来上がりました。
今後も不定期でDIYリポートを更新予定ですので、
●使い方を知りたい工具
●作り方を知りたい家具
●もっと良く知りたい樹種
…等々ございましたら
shop@woodworks-marutoku.comまでご意見お寄せくださいませ!