木の基礎知識 マルトクショップ「もくもく通信」

住宅に使う木材|種類と選び方、用途別の徹底解説

2025年4月30日

 

 

 

 

 

木材選びは住宅づくりの要

古来より今に至るまで、日本の住宅は木材で作られた「木造建築」がほとんどです。特に昭和以前の一般市民の住宅はその多くが木造で作られており、用途によって樹種も使い分けられて来ました。時が過ぎ令和となった今、木材以外の建築材料もたくさん開発されても尚、やはり木材は多くの住宅の基礎や内装に使用されています。

木材をどこに使うか、何の樹種に使うか、その選択は家の快適性、デザイン性、耐久性に大きく関わって来ます。今回のもくもく通信では、住宅に使用される木材とその特徴についてご紹介していますので、理想の家づくりにお役立ていただければと思います。

 

目次

 

1. 木材選びは住宅づくりの要

2. 木造住宅に使われる木材の種類:用途別に徹底解説

 – 構造材:家の骨組みを支える重要な木材

 – 内装材:快適な居住空間を演出する木材

 – 外装材:家の顔となる木材

3. 木材を家に使うメリット・デメリットは?

まとめ:理想の家づくりは木材選びから

 

 

 

 

 

 

 

木造住宅に使われる木材の種類:用途別に徹底解説

構造材:家の骨組みを支える重要な木材

何百年と建っている寺社仏閣もほとんどが木造

構造材とは住宅の土台、柱、梁など、建物の骨格を形成する木材のこと。屋根や床、荷重など様々な重量、力を引き受ける部材なので、安全面においては何よりも大切な建材になります。日本においてはコンクリートや鋼材で作られた基礎の上に、木材の構造材で家の骨組みを組む「木造住宅」が一般的です。

 

構造材の選び方のポイント

構造用木材は木造住宅の要となる重要な素材です。木材の種類による強度の違いや耐久性と、コストの兼ね合いを考えながら使用することがとても大切です。建築における強度は単なる比重(木材の密度)だけでなく、曲げる力に対する耐久性も重要な要素。ホームメーカーによっては構造の見学会を開いていたり、基礎となる構造にとても力を入れている会社も多くあるので、自分の考えに合うメーカーに出会うためにはまず見学に行くことをおすすめします。

 

代表的な構造材の種類

杉(スギ): 代表的な国産針葉樹である杉(スギ)は日本の住宅によく用いられる樹種。同じ国産針葉樹である後述の桧と見た目は似ていますが、桧よりも軽く柔らかいため加工しやすく、価格も比較的安価なため建築の現場ではよく使用されている木材です。杉構造材としての特徴としては、柔らかい木材のため桧よりは強度に劣る部分があります。しかしその分太い木材を使用するなどの工法で十分カバーできる範囲です。杉は建築用木材としての需要が高い木材ですが、特に和風の建築においては床や天板、家具などの内装用木材としての人気も高い木材です。

用途:柱、梁、土台など 内装材としても人気

 

桧(ヒノキ):杉と並ぶ代表的国産材、桧(ヒノキ)。比較的安価と言われる針葉樹のなかでも、他とは一線を画す高級木材です。世界最古の木造建築として知られる法隆寺の柱には桧が使われているのは有名な話で、強度と耐久性に優れた針葉樹です。杉など他の針葉樹と比較するとゆっくり育つ桧は目が詰まっていて美しい光沢があります。そして有名な桧の香りにはリフレッシュや抗菌などの効能だけでなくシロアリを寄せ付けない効果もあると言われています。

用途:柱、梁、土台、内装材など

 

米松(ベイマツ):北米から大量に輸入されている針葉樹である米松(ベイマツ)。マツという和名が当てられていますが、トガサワラと言われる針葉樹の仲間です。日本には多くの米松が輸入されており、主には建築用材として使用されています。大木から長大な材が取れやすく、加工性や防虫性、耐久性にも優れていますが、比較的ヤニが多く内装に影響する部位での使用では塗装に影響がでることがあります。産地のアメリカでは合板の材料として多く使われます。

用途:梁、桁など

 

集成材:構造材に使用される集成材は内装用集成材とは異なり、構造材として使用される専用の集成材(構造用集成材)が製造されています。これらの構造物は建物を支える骨組みとして非常に大切なものなので、構造用集成材は国土交通省によって強度基準が定められています。強度や耐久性が高く、大規模な建築物にも使用されます。構造用集成材は主に針葉樹で製造され、接着の方法によってLVL、CLT、NLT、DLTなどに細分されます。

用途:柱、梁など

 

 

 

 

 

内装材:快適な居住空間を演出する木材

内装材(内装建材)とは、床、壁、天井、建具など、住宅の室内の仕上げに使われる木材の総称です。構造用木材よりもダイレクトに人の目に触れる部分になるので、木材の種類をどう選び合わせて行くかがデザインにも大きく影響する部分でもあります。おそらく新築やリフォームで木材を使われる方は、この内装用木材については一度は検討する機会がある部位です。

 

フローリング

フローリングはお部屋の雰囲気を大きく左右する代表的内装材。使用する面積が広い分、インテリアの色調やお部屋のイメージに大きく影響します。木材100%の無垢の床材だけでなく、薄くスライスした無垢材を表面に貼り付けた複合フローリングは機能性の面でもメリットが大きいです。木材を使用しない床材も数多く流通していますが、本物の木を使用した床材は独特の肌触りや天然の調湿効果、経年変化の美しさなど木材にしかない魅力が詰まっています

マルトクショップ  – マルトクの床材

 

フローリングの人気樹種

アカシア:ウォールナットを思わせるような濃い赤褐色と、真っ白な白太のコントラストが個性的アカシア。特徴的な柄なので好みが分かれる所ではありますが人気のある樹種です。アカシアは色が特徴的なだけではなく、成長が早く植樹して利用することでCO2対策に貢献すると言われる樹種のひとつで、住宅建築の際に選択することでエコに貢献できる木材でもあります。

 

ナラ・オーク:住宅の内装用木材、家具用木材としてはトップクラスの人気を誇るオーク材。目が詰まっていてかなり丈夫な部類の樹種なので、何かと荷重のかかるフローリング材としては最適な樹種と言えます。木材と言えばこんな色、を体現するような温かみのあるナチュラルブラウンと力強い板目が美しい、定番の人気樹種です。

 

栗:は古くから日本では愛されてきた広葉樹。頑丈さと柔らかい色味が魅力で、住宅用の建材だけでなく鉄道の枕木など強度が必要な用途にも使用されてきました。栗も木目のはっきりとした樹種ですが柔らかくスモーキーな黄褐色は他の樹種とは少し異なる雰囲気で、明るい色のインテリアによく馴染みます

 

マルトクショップ  – マルトクの床材

 

 

 

羽目板(壁・天井)

羽目板とは、天井や壁に貼るための建築用材です。様々な種類や加工がありますが、一般的には木材のサイドに溝と突起が加工してあり、次々とはめ込んで固定することで壁や天井に木材を施工することができます。

羽目板を施工するメリットとしてはデザイン性で選択される方も多いですが、デザインだけではなく壁に無垢材を貼ることで断熱性を高めたり、木材の持つ調湿効果によって室内の湿度を安定させるなど、快適な住み心地にも影響すると言われています

羽目板によく使われる木材:杉、桧、パインなど。

 

 

 

建具(ドア・窓枠)

建具とは建物の開口部に設けられた、開閉できる扉や窓、ふすま、障子などの総称のことです。種類の多い建具ですが、木材が使用されるのはドアや窓枠がメインになります。

木製建具の大きなメリットはその美しさ(デザイン性)です。木は加工も容易なので、オリジナルの建具を制作して施工したり、内装と樹種を合わせるだけでも家全体で統一感が生まれます。また、木材はアルミサッシ等と比較して熱伝導率が低く、結露しにくいというメリットがあります。家事をする方であればきっと分かる窓周りの結露が軽減できるのは、大きなメリットですね。一方で木材は水に弱いというデメリットもありますので、メンテナンスの頻度が金属製の建具よりも多かったり、水や湿気がたまらないようにする設計の配慮が必要な場合があります。

木製建具の事例

 

 

 

 

 

 

 

外装材:家の顔となる木材

木製サイディング

サイディングとは、住宅の外壁に使用される板状の外装材のこと。外壁に木材を使用するとなると耐久性に不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、きちんと環境に合わせてこまめにメンテナンスすれば木材の外壁も他の素材と大きく耐用年数は変わりません。特に西日本においては焼杉の外壁が伝統的に施工されてきましたが、こちらも木製サイディングの一種。マルトクショップ の本拠地である香川県でも、多くの焼杉外壁の住宅があります。

木製サイディングはデザイン面において自然で温かみのある仕上がりと、木材の持つ自然の断熱性がメリット。デメリットとしてはメンテナンスの頻度が他の素材よりも多くなりがちということが挙げられます。

 

 

ウッドデッキ

住宅の屋内と屋外をつなぐ、第二のリビングとも言えるスペースであるウッドデッキは、その名の通り作るならば木材で作るのが第一選択ではないかと思います。木製サイディングと同じかそれ以上に雨風に晒され、厳しい条件の元で使用されるウッドデッキには、ウリンやバツといった熱帯原産の「超ハードウッド」がよく使用されます。DIYに明るく、メンテナンスも気軽に行えるような場合には、数年〜十数年に一度メンテナンスする前提で手頃な針葉樹を使用することもままあります

ウッドデッキによく使われる樹種:ウリン、セランガンバツ、杉、桧、パイン

 

外装用木材の塗装におすすめ♪

 

 

 

 

 

 

3 木材を家に使うメリット・デメリットは?

木材を住宅に使うメリット

 

自然素材ならではの温かみと美しさ

木材を住宅の建築に使用する方の多くが木材に求めるのは、工業製品には無い温かみのある質感や木材の種類ごとに異なる色などデザイン性の部分がとても大きいと思います。多少割高でも樹脂や金属ではなく本物の木がいい、その期待に応えるだけの価値が本物の木にはあります。

 

調湿効果による快適な居住空間

木材には室内の湿度が高い時には空気中の水分を吸収し、湿度の低い時には放出するという特性があります。そうした特性から、木材を住宅の壁面や床に使用することで室内の湿度を調整する自然の調湿効果があると言われています。

 

リラックス効果のある香り

樹種によっては、その木材の魅力のひとつに「香り」が挙げられる樹種もあります。香りのある木としてはお香や小物の材料に使われる白檀や、家屋や内装に使用される木材であれば桧が有名です。著名なもの以外でも、特に針葉樹にはすっきりと清涼感のあるような香りのある樹種が多く、そうした「森の香り」にはリフレッシュ効果があるとも言われています。

 

経年変化を楽しめる

クッションフロアやビニールクロスなど、多くの素材は施工してすぐが一番美しく、その後色褪せたり劣化したりして行くものがほとんどです。しかし木材は使用し始めてから、お手入れを重ねるごとに経年変化して「美しく育って行く」という特徴があります。屋内で正しくお手入れし続けた木材の色は深みを増し、何百年という単位で「美しいまま」使い続けることができます。購入した直後よりも使い込んで味が出るのは、革製品と木材くらいかもしれません。

 

▼木材の嬉しい効果についてはこちら

 

 

 

 

 

木材を住宅に使うデメリット

 

種類によっては価格が高い

木材の種類と使う場所にもよりますが、本物の木材は石油製品や金属よりもコストが掛かる場合があります。植樹してから何十年何百年とかけて育った木を伐採して加工する、という前提であれば妥当な値段であっても、価格だけで横に並べてしまうと競り負ける部分はあるかもしれません。ただ針葉樹やゴム集成材のように、樹種によっては石油製品と渡り合える高コストパフォーマンスの樹種もあるので、樹種と使いどころの検討は大切です。

 

湿気に弱い

木材にはいくつか苦手なシチュエーションがあり、特に水っぽい、湿気の多い所では反りや変形が出たり、カビの発生があったりとトラブルが多くなります。塗装を水に強いものにしたり、ある程度大きな木材には反り止め金具を使用したりするなど、快適に使えるように施工の場所や方法を試行錯誤することはとても大切です。

 

定期的なメンテナンスが必要な場合がある

特にオイルステインなど浸透性の塗料で木材を塗装している場合、数ヶ月〜一年に一度程度のお手入れを行った方が木材を美しく保つことができます。正しくお手入れを行った木材は、時間がたつほどに美しく「仕上がって」行くので、育てる楽しみがあるとも言えますが、手が掛かることは確かです。メンテナンスが難しい場合は、ウレタン塗料など木材の表面を完全に覆ってしまう塗料で塗装することをお勧めします。

 

シロアリなどの害虫被害のリスク

日本の家屋はそのほとんどが木造ですが、木製の基礎にはシロアリなどの被害がつきものです。もちろん鉄筋コンクリートで家を建築すればこの問題は根本から解決しますが、工期も価格も木造と比較して長く、高くなる傾向があります。シロアリ被害は湿気がたまらないよう構造を工夫したり、数年に一度防虫を行う、住んでからも雑草やダンボールを家の周りに放置しないなどの対策で防ぐことができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめ:理想の家づくりは木材選びから

昔から世界中で住宅の建材として選ばれてきた木材を家づくりに取り入れることで、まずデザイン性の面で大きなメリットがありますが、もちろん木材の魅力はそれだけではありません。木材には快適な触感や断熱性、調湿性、光の反射を和らげるなど機能面でもメリットがあり、そうした機能を活かせるように施工することで快適な生活環境を作ることができます。

木のある家を目指すなら、まずは木材を得意としているハウスメーカーに相談してみましょう。それぞれの樹種にも異なる特徴や利点があるので、こうした記事なども活用しながら後悔のない家づくりにお役立ていただければ幸いです。

参考リンク

もくもく通信「新築・リフォームを考える」

もくもく通信「お客様訪問」

 

 

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中島弘樹

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