木の基礎知識 マルトクショップ「もくもく通信」

ウォールナット材とは ウォールナット材の特徴とメリット・デメリットを解説

2025年10月31日

家具やインテリアに少しでも興味のある人であれば、ウォールナット材という名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。ウォールナット材はチーク、マホガニーと並んで世界三大銘木にも数えられる有名木材。近年では値上がりも著しい高級木材ではありますが、その値段の理由となるだけの希少性と魅力に溢れた木材でもあります。今回の更新では、ウォールナット材の魅力についてご紹介したいと思います。

 

目次

 

1ウォールナット材とは?どんな木から生産されているの?

 

2 ウォールナット材の特徴は?使用するメリットは?

 – ウォールナット材を使うメリット1 唯一無二の美しさ

 – ウォールナット材を使うメリット2 耐久性が高い

 – ウォールナット材を使うメリット3 なめらかな仕上がり

 

3 ウォールナット材に向かない用途、デメリットは?

 – ウォールナット 材を使うデメリット1 価格が高い

 – ウォールナット 材を使うデメリット2 経年変化が激しい

 – ウォールナット 材を使うデメリット3 頑丈な分、加工には電動工具が必要

 

4 ウォールナット 材の価格は?手頃に手に入れるには?

 

5 ウォールナット材の作品写真をご紹介

 – ウォールナット材の天板

 – ウォールナット材の収納

 – 壁に、建具に。ウォールナット材の内装


終わりに:唯一無二の美しいウォールナット材をぜひ知ってほしい

 

 

 

 

 

1ウォールナット材とは?どんな木から生産されているの?

出番を待つウォールナット の原板

他の木には無い色と質感で常に1、2の人気を争うウォールナット材一番の特徴はチョコレートのような深い赤褐色で、世界三大銘木にも数えられている高級木材です。特徴的な色かつ、頑丈さや仕上がりの良さなど家具や内装に適した特徴を持っていることから、家具などの木製インテリアのラインナップとして人気の高い木材です。

丁寧に研磨して仕上げた表面はつやが出て塗料のノリも良く、短く表現するならシックで美しい高級木材というところでしょうか。

 

実ったブラックウォールナット

ウォールナットは日本語で直訳と「クルミ」という意味ですが、木材の場合は一般的な食用クルミとは異なる「ブラックウォールナット」という種類の木から製造される木材です。胡桃の仲間なのでもちろん実を食べることもできますが、一般的に食用目的で栽培されている種類の胡桃よりは可食部は少ないそうです。

木材としてのブラックウォールナットは主にアメリカ北東部やカナダで栽培されており、アメリカ広葉樹を代表する世界的な人気樹種になります。日本では超高級木材であるブラックウォールナットは原産地であるアメリカ北東部では先駆種と呼ばれる種類の植物。先駆種とは山火事などのあとや、厳しい場所に最初に芽を出す植物の総称で、そのため現地では道端や畑の側などに当たり前に生えていたりする身近な植物だそうです。

 

 

ブラックでは無いウォールナット?「クルミ」


日本にはブラックウォールナットは生えていませんが、クルミ材は生産されています。国産のクルミ材の多くは「オニグルミ」という野生種のクルミで、ブラックウォールナットとは異なる赤味のあるブラウンが特徴の木材です。こちらも仕上がりが良く、塗料も良くのるので天板や家具におすすめの樹種です。

【国産材】クルミ無垢材フリーカット(節・白太あり)

 

 

 

 

 

2 ウォールナット材の特徴は?使用するメリットは?

 

ウォールナット材を使うメリット1 唯一無二の美しさ

濃い褐色は他に似た樹種がない

ウォールナット材の魅力はたくさんあります。でも、絶対に一番最初に挙げられるのは”色”でしょう。ウォールナットカラーとも表現される深い褐色は、塗料などの色としても調合されるくらい人気の色です。ウォールナットは紫色の色素を含んでおり、実際に製材直後のウォールナットは赤紫、黒紫を帯びた暗い褐色をしています。この紫色はその後乾燥や紫外線を浴びることで少しずつ薄くなって行き、最終的にはミルクチョコレートのような濃い褐色に経年変化します。ちなみに丸太の中でもまだ若い外側の部分(白太)はまだ色素が蓄積しておらず、濃色の芯材(丸太の中心部分)とはギャップのある白っぽい色をしています。

木目に関しても比較的真っ直ぐで整っており、板目でも柾目でも美しい表情を見せてくれます。大木の別れ目の部分から取れる板はクロッチウォールナット と呼ばれ、美しい木目と希少性から高価格で取引されます。

 

 

 

ウォールナット材を使うメリット2 耐久性が高い

しっかり固く、天板におすすめ

ウォールナット材は美しいだけでなく耐久性も高いことから、世界各地で家具づくりの材料として使用されています。およそタモやブラックチェリーと言った他の家具材と遜色ない密度を持ったしっかりした木材なので、椅子や天板などの耐荷重の必要な用途にも使用でき、傷もつきにくいです。ある程度粘りのある材質なので割れにも強く、小物や細工物にもよく使用されます。

木材の性質としては、比較的歪みにくい・くるいの少ない木材と評価されることもあるようです。これについては使用する環境と加工によるので、マルトクショップ としては一概には言えませんが、大切にお手入れすれば何十年、何百年と半永久的に使用できる木材であることは間違いありません

 

 

 

ウォールナット材を使うメリット3 なめらかな仕上がり

研磨して塗装すればツヤツヤに仕上がります

ウォールナット材はその仕上がりの良さでも有名な木材しっかりと目の細かい番手のペーパーで表面を仕上げ、オイルやワックスで仕上げれば比喩ではなく輝くようなツヤが出ます。木材自体の繊維が細かいので、磨くほどに表面はなめらかに。ザラザラと指がひっかることのないすべすべとした触り心地は、直接肌の触れるテーブル天板や椅子などにぴったりです。価格が高いので採用率としては高くありませんが、表面がなめらかで木材自体に粘りがある(よくしなって弾力がある)ウォールナット材は、フローリングにもおすすめしたい樹種になります。

 

 

 

 

3 ウォールナット材に向かない用途、デメリットは?

 

ウォールナット 材を使うデメリット1 価格が高い

ウォールナットでデメリットを挙げるなら、やはり一番は価格が挙げられるでしょう。”黒いダイヤモンド”とも称されるウォールナット自体が元々高価格帯の木材であることに加え、2021年前後からのウッドショック(コロナ禍において特に米国産を中心として輸入木材が値上がりした)や近年の物価高の影響で輸入価格自体が大きく上昇し、数年前に比べるとその価格はますます上昇しています

例えばオークであれば国産のナラ材であったり、メープル材であればバーチの白太部分であったりと他の木材であれば表情が似ている木材や近縁種を探せたりしますが、ウォールナット材は木目や色が良く似ている木材はほぼありません。その希少性がウォールナット材を価値づけるひとつの理由でもありますし、その金額を払ってでも手に入れたい人がたくさんいるのが高価格の所以です。

 

 

ウォールナット 材を使うデメリット2 経年変化が激しい

日の入る部屋で一年以上使用したウォールナットの天板と、撮影日に製材した端材

その深い色が最大の魅力であるウォールナットですが、実は経年変化の激しい木材ということでも知られています。製材直後は赤紫とも表現される濃い色をしていますが、だんだんと黄色味が増して色が明るくなって行くのがウォールナットの経年変化です。

もちろん元の色が濃いので白木のような明るい色になる訳ではありませんが、製材直後のような青みのある濃いカラーを保つことはできないので購入前に確認しておくことが大切です。もちろん経年変化してもウォールナット材とは分かる色をしていますし、どのように経年変化するかは浴びた紫外線量とお手入れ次第。プラスの言葉で表現するならば、「育てることのできる」木材とも言えます。

 

 

ウォールナット 材を使うデメリット3 頑丈な分、加工には電動工具が必要

研磨するならオービタルサンダーが便利

ウォールナットはハードウッド 。固いです。比重で言えば0.62前後、国産杉と比較すればほぼ倍の密度で、釘や手工具でDIYできる木材ではありません。お子様と一緒にちょっとDIYを楽しみたい方、手彫りで何かを作りたい方などには他のもう少し軽い木材をおすすめします。

正直なところで言えばこれはハードウッド全般に言えることではあるのですが、加工には必ず電動工具を用意すること。天板など大きな素材を扱う場合には、動かす際には一人では無理な場合があること。この2点は知っておく必要があるでしょう。インパクトドライバーをお持ちでは無い場合には、マルトクショップ では鬼目ナットなどの加工も承っていますので、必要に応じてご利用いただくと作品づくりも楽々です。

家具作りの強い味方「鬼目ナット」

 

 

 

 

4 ウォールナット 材の価格は?手頃に手に入れるには?

価格を下げるなら集成材も選択肢のひとつ

ウォールナット材は基本的にトップクラスの高価格な木材ではありますが、需要の高い種類なので節あり材、集成材など様々な形状の木材が販売されています。

 

ウォールナット材価格一覧(25 ×800 ×1800mm)

樹種 マルトクショップ 価格
ウォールナット無垢材 68,320円
ウォールナット無垢材(節・白太あり) 65,590円
ウォールナット集成材 59,880円
ウォールナット集成材(節・白太あり) 38,560円

天板に使える25 ×800 ×1800mmのサイズでマルトクショップ の木材価格を比較したのがこちらの表です。種類によっても価格は変わってくるので、求めるビジュアルと予算のバランスを取って木材を選ぶのがおすすめです。

 

 

 

 

5 ウォールナット材の作品写真をご紹介

 

ウォールナット 材の天板

ウォールナットの美しさを最大に楽しむなら、やっぱりおすすめしたいのが天板。シックな美しさは落ち着いたお部屋づくりにぴったりで、インテリアの主役になるテーブルになります。

 

 

ウォールナット材の収納

見た目が美しいウォールナット材は、インテリアの一部として”見せる収納”の棚板などにチョイスされることが多いです。濃い色がアクセントとなって、部屋を引き締めてくれます。

 

 

壁に、建具に。ウォールナット材の内装

ウォールナット がお好きな人は、部屋全体をウォールナットで統一する方も。ダークカラーの壁紙でコーディネートすると、ムードと落ち着きのある空間になります。

 

ウォールナット材 の作品写真をもっと見る

 

 

 

 

 

 

終わりに:唯一無二の美しいウォールナット材をぜひ知ってほしい

世界トップクラスの人気樹種ウォールナット 。他に似た樹種の無い、美しい赤褐色と優れた材質は数ある木材の中でも特徴的で、そうした希少性からも世界中で愛されてきた木材です。高価格帯な木材ではありますが、他には替えの効かない魅力ある美しさを、ぜひ楽しんでみてくださいね。

 

 

 

もくもく通信「樹種の選び方」

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