木の基礎知識 マルトクショップ「もくもく通信」

どれがおすすめ?自然塗料7種を徹底比較!

2026年4月30日

DIYの強い味方、自然塗料。特別な機械は不要、塗るだけで無垢材・集成材の表面を守ってくれるので、自宅で作った作品の仕上げやお手入れには欠かせない存在です。今回はそんな自然塗料を実際に複数の樹種で塗り比べてみました。

 

 

どれがおすすめ?自然塗料7種を徹底比較!

 

目次

1 自然塗料って知ってる?体に優しい自然派塗料

 

2 自然塗料のメリット・デメリット

 – 自然塗料のメリット

 – 自然塗料のデメリット

 

3.メーカーごとの特徴は?大手&個性派メーカー7商品塗り比べ!

 – 比較1:臭いの有無

 – 比較2:乾く速度

 – 比較3:仕上がり

 

終わりに:人と自然に優しい、自然塗料の魅力をぜひ知って

 

 

 

 

自然塗料って知ってる?体に優しい自然派塗料

木材用塗料における「自然塗料」というジャンルには、実は法的な決まりはありません。素材として植物性油脂や蜜蝋など、天然成分を使用した木材用の浸透性塗料(完全なコーティングではなく、しみこませて使う塗料)を全般的に自然塗料と呼ぶそう。

有名なメーカーではオスモ&エーデルやリボス健康自然塗料などが聞いたことがあるかもしれません。マルトクショップの自然塗装も、大量注文のお客様からの指定など特別な理由が無い限りはオスモ&エーデルの塗料を使用しています。

 

 

 

2自然塗料のメリット・デメリット

木材の塗装には様々な種類があります。よく図工の授業で使用されるニスやペンキをはじめ、ワックス、オイルステイン、ウレタン、その種類もメーカーも多種多様です。マルトクショップではオーダー木材の塗装において、

「自然な風合いでメンテナンスが簡単」→ 自然塗料(オイルステイン)

「表面をコーティングして水や汚れに強い」→ ウレタン塗装

の2種類の塗装を採用しています。(クリアー・着色両方あります)特にDIYユーズのお客様におすすめしているのが自然塗料で、手軽さとメンテナンスのしやすさで人気のある塗料です。そんな自然塗料には以下のような特徴があります

自然塗料塗装とウレタン塗装の比較

 

 

自然塗料のメリット

メリット1 簡単に塗れる

DIYユーザーに自然塗料をおすすめしたい理由の1つとして挙げられるのは、取り扱いが簡単なことです。ふたを開けて、ウエス(肌着の端切れなど、柔らかい布)につけて塗るだけで簡単に塗装することができます。べたつく場合は表面をふき取り、数時間~1日乾燥させてから塗装は完了。専用の器具や塗料が飛び散るような工程もないので、養生もブルーシート1枚で済むことがほとんどです。

 

メリット2 メンテナンスも簡単

無塗装材への塗装が簡単な自然塗料は、すでに塗ってある木材への再塗装もとっても簡単。汚れがある場合にはワックスクリーナーなどの汚れ落とし+ワックスがけ効果のある製品が各メーカー販売されていますし、汚れがひどかったり手触りの悪さが気になる時には軽く研磨してから自然塗料を再度塗れば新品のように美しく仕上がります。

 

メリット3 木材の風合いを妨げない

ワックス塗装のアカシア天板

自然塗料は木材の表面をコーティングのではなく、木材の表面に「浸透して」保護するタイプの塗料。膜を張らないので、完全に乾燥した後の触り心地は木材そのものです。さらさらとした木材の手触りはそのままに、汚れや乾燥から木材を守ってくれます。また、木材の持つ自然の調湿作用(湿気を吸い込み、乾燥した時には放出する)を妨げないので、自然塗料で塗装した木を多く用いた室内は快適です。

 

メリット4 体に優しいこだわり製品も多数

みつろうは自然塗料によく採用される材料のひとつ

ウレタン樹脂などのコーティング系の塗料には有機溶剤が必須で含まれています。これらもずっと残るわけではなく、揮発してしまえばもちろん問題なく使えるのですが、塗装の最中にはかなりの臭いを発するため、当然塗装している人は少なからずその成分を吸い込むことに。マルトクの塗装場でも専用マスクの装着は必須です。

自然塗料はその名の通り植物油脂や天然樹脂などの自然由来の成分を主成分として作られており、「人体に有害な成分は使わない」と掲げているメーカーも。お子さんのいるご家庭など、体に優しい塗料を求めている方にも支持されています。

 

自然塗料のデメリット

デメリット1 定期的な塗りなおしが必要

自然塗料の一番のデメリットでありメリットでもある「メンテナンス問題」。ご存じの方も多いかもしれませんが、自然塗料は基本的に時々(年に一度程度)塗りなおしをしながら使うタイプの塗料です。気軽に汚れ落としやメンテナンスができるので、いつでも綺麗に使えるメリットはありつつ、「やっぱりそれは手間!」という方には自然塗料を使った塗装は向いていないかもしれません

メンテナンスのポイントは木材の「お手入れ」として気軽にメンテナンスしていただくこと。時間が無いときは毎回律儀にペーパーがけしなくても良いですし、汚れ落としもできるワックスクリーナーなどを併用することで塗装の間隔を伸ばすこともできます。床などの広い面積の場合は物を寄せながら一部屋の1/4ずつ塗装したり、なるべく気楽にやるのが長続きの秘訣です

 

デメリット2 水には注意が必要

自然塗料は表面を完全にコーティングするわけではなく、オイルを浸透させ3wssて保護する塗装なので塗装後の木材に完全な防水性はありません。濡れたらなるべく早めに拭くなど、少しだけ気を付ければ年1程度のメンテナンスで綺麗に使うことができますが、キッチンカウンターや洗面周りなど、常に濡れるような水回りでの使用であればウレタン塗装をおすすめしています

 

 

 

 

3.メーカーごとの特徴は?大手&個性派メーカー7商品塗り比べ!

DIYでも綺麗に塗れる自然塗料は現在国内外問わず沢山のメーカーから製品が販売されています。今回は、そのなかでも知名度の高い大手2社と自然派の国内メーカー5社、合計7社の自然塗料を実際に購入して塗り比べてみました。

 

オスモカラー #3101 ノーマルクリアー

環境先進国ドイツ生まれの自然塗料、オスモカラーは日本国内でも高いシェアを誇る著名なブランドです。植物由来のオイルとワックスをベースに、体に有害な物質は含まれていない木材用塗料で、内装用塗料についてはヨーロッパで玩具向けの安全規格に合格している安全市の高い塗料です。

 

リボス自然健康塗料 BIVOS(ビボス)  No.375

オスモカラーと同じくドイツ発信の自然塗料は、世界で初めて開発された自然塗料のブランド。「健康に害のある成分は、天然物でも使用しない」というコンセプトで製品開発をしており、高い安全性と性能を併せ持ったトップシェアブランドです。

 

国産オイル自然塗料 LOHAS OIL クリア

国産亜麻仁油をベースとした国産原料で作られた国内ブランドの自然塗料。速乾・無臭・安全性と、こだわりを持って開発されている製品です。カラー展開が豊富な上、天然鉱物系顔料を使用することで色落ちしにくいのもこだわりポイントです。

 

国産自然塗料 U-OIL for DIY

「木と触れ合える、木をもっと楽しめる」

をコンセプトとした、安心・安全な自然塗料。亜麻仁油、天然顔料等の自然素材を活用し、臭いを徹底的に抑えた、極めて安全性の高いDIY向け自然塗料を謳っています。今回はDIY向けに気軽に使える、for DIYを試してみました。

 

米ぬか自然塗料「キヌカ」

昔の日本では米糠を包んだ糠袋で床を磨いていた、という昔ながらの知恵から開発された自然塗料です。溶剤は一切使用せず、原材料は国産米糠とメドウフォーム種子から特殊抽出精製した油分のみ。なんと「舐めても大丈夫」という安全性の高い塗料なので、小さいお子様やペットのいるご家庭でも安心してお使いいただけます。

 

未晒し蜜ろうワックス 

国産未漂白の蜜蝋と国内生産のエゴマ油のみを使用して作られた木材用ワックス。木の中にエゴマ油が浸透し、蜜蝋が表面に膜を作って保護をすることで木材を長く綺麗にキープします。1Lで100m2もの広範囲をカバーすることのできる、伸びの良さも魅力です。

 

アールジェイ株式会社 いろはクリア

撥水性抜群の桐油・亜麻仁油・蜜蝋などをバランスよく配合した自然塗料。木材本来の手触りや調質作用を妨げずに水や汚れから木材を守ります。他メーカーなどのように化学成分不使用などは謳っていませんが、食品衛生法の基準もパスした安全性の高い塗料です。

 

 

比較1:臭いの有無

DIYで使う方にとっては気になるポイント、塗料の「臭い」。自然塗料の臭いはいずれは薄れて無くなることがほとんどですが、特に家の中で塗装するような場合には、DIYの後の部屋がひどく臭いようでは塗装が大きなハードルになってしまいますよね。

※臭いに関しては、嗅ぐ人の主観が入る部分なのであくまで参考程度にお読みください。

臭いの強さ順に並べてみました。開けた際の臭いを一番強く感じたのはオスモ(ノーマルクリアー)で、その次はいろはビボスと続きました。この3つに関しては石油由来の溶剤が使われているとのことでしたが、ビボスに関しては溶剤の臭いというよりはほぼ原料臭かな?と感じる臭いでした。

U-OILロハスオイルに関しては、見た目も臭いもよく似ていて、成分が割と近いのかな?という印象を受けました。ツンとした臭いはありません。

溶剤不使用と謳っている、未晒し蜜蝋ワックスキヌカに関しては、塗料と考えたら驚くくらい臭いはしませんでした。キヌカに関してはHPにも書かれている通りほぼ無臭!企業努力を感じました。例えば慣れない臭いで頭が痛くなる、など嗅覚が敏感な方にはキヌカがおすすめです。

 

比較2:乾く速度

塗料はワックス成分が多いと乾きが遅くなります。人によって生活環境は異なるため、早く乾くことがかならずしも木材塗装の正解ではありませんが、小さいお子様やペットがいたりするご家庭では、一刻も早く塗装を乾かしたい方も多少なりいらっしゃるはず。今回は

①数か月前に自然塗料を一度塗りしてあるブラックチェリー天板

②ホワイトオーク無塗装材

の2種類の木に塗っていこうと思います。

塗り終わったあと、5分後の状態を斜めから撮りました。全体的にしっかりと濡れ色がついて、正面からの見た目はほぼ変わりません。斜めから光の反射を見ると、浸透・乾燥の速さが良くわかります。

ロハスオイルU-OILに関しては塗った直後からほぼサラサラとしていて、浸透と乾燥の速さを感じました。その次に乾燥が早そうだったのはいろはビボスで、少しだけ油分のぬめり感を感じましたが概ねさらりとしていました。

乾きが遅そうだったのはオスモ(ノーマルクリアー)蜜ろうワックスで、この二つに関しては器に出した時点で塗料自体の粘りが強くワックス成分が多そうで、意味予想通りではありました。塗った直後はまだべたつきがありました。

キヌカに関しては塗った直後はテカテカとしていて、他の塗料と同じような塗り方ではなかなか乾かなそうでした。HPにも少しずつ布で擦り込む、とういう表現で書いてあるので、急いで塗装したい方には向かないかもしれません。

風通しの良い場所で2時間乾燥した状態がこちらです。蜜ろうワックス・キヌカに関してはまだ触った際に若干の油分を感じました。オスモ(ノーマルクリアー)に関しては、手に何かつくというような感覚はありませんでしたが、もう少し乾燥させたほうがよさそうな感触でした。

あとの4種類のオイルに関してはほぼサラサラに乾燥していて、いろは・U-OIL・ロハスオイルに関しては濡れ色も少し薄くなっていました。

 

 

比較3:仕上がり

24時間以上乾燥した状態がこちら。すべての塗料がしっかりと乾いて、指にはぬめりやべたつきは感じられません。

画像だと少し分かりにくいのですが、肉眼で見ると2時間後よりも見た目も濡れ色が飛びました。特にリボス・いろは・U-OIL・ロハスオイルに関しては、塗装済みブラックチェリー天板ではほぼ元の色まで戻りました。なるべく見た目を変化させたくない、少しでも色を明るくキープしたい場合にはおすすめです。

反対に濡れ色がしっかりと残ったのは蜜ろうワックスキヌカで、しっかりと乾燥しても濡れ色はほぼ変わらずでした。塗装後にしっかりと深みのある色を出したい方は、乾燥がゆっくりでもこちらのふたつをおすすめしたいと感じました。

濡れ色が少なくなったとしても、光の反射を見ると塗った場所と塗っていない場所では全然違います。ウレタンのような完全な被膜では無くても、各メーカー独自の製法でしっかりと木材の表面を保護しているのがよくわかります。普段このような形で塗装面・未塗装面を見比べることが無いので、個人的には自然塗装でもこんなにもしっかりと変化があるのだと感心しました。特にオスモ(ノーマルクリアー)キヌカに関してはツヤのある仕上がで、木材をツヤツヤに仕上げたい方におすすめです

 

終わりに:人と自然に優しい、自然塗料の魅力をぜひ知って

木材をコーティングせず、手触りや質感を活かしたまま保護する自然塗料。定期的なメンテナンスは必要ですが、その分いつでも綺麗を保てる魅力的な塗料です。「お手入れできるかな・・・」と不安な方は、テーブルなどシンプルな家具から挑戦するのがおすすめです。

お手入れを重ねる中でオイルが木材になじみ、つやを増し美しく経年変化するのも自然塗装の木材の魅力のひとつ。ぜひ、挑戦してみてくださいね!

 

 

自然塗料を木材に塗装する方法と注意点

 

 

もくもく通信 トップへ

マルトク的「塗装学」記事一覧へ

 

 

 

ページTOPへ