2020年10月22日
DIYに少し慣れてくると、今度は少し高度な作品を作ってみたいと思う方もいるのでは無いでしょうか。ただの棚ではなく戸棚、折りたたみできるテーブル、そんな実用的な家具も金物の力を借りると案外簡単に作ることができます。またDIYでは使いにくい、木部の加工が必要な金物も、マルトクショップで加工のお手伝いをすることで簡単に取り付けることが出来るものもあります。
今回のもくもく通信では、引き出しや扉の取り付けに、とても便利な金物をご紹介します。
目次
最後に:金具を知って入れば、仕上がりのクオリティをアップできる
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複雑な家具も、金具を下調べしておくと意外と作りやすかったりします
木材を使ってDIYをする際に、扉や引き出し付きの家具といった作品はシンプルな棚やテーブルに比べ難易度が上がる場合がほとんどです。でもパッと見ただけでは作り方がわからないような家具も、金物を知っていれば案外挑戦へのハードルがぐっと下がったりします。
今回のもくもく通信では、主に扉や引き出し付き家具に使える便利な金物をご紹介します。
隣の扉に干渉しないので、連続扉におすすめ
一般的に棚に扉をつける際には、多くの場合丁番が使用されます。扉が一枚だけだったり、観音開きの場合にはシンプルな丁番でも充分に間に合うのですが、同じ方向に開く扉を複数取り付けたいときに力を発揮するのがスライド丁番です。
一般的な丁番に比べ知名度は低いのですが、建築業界では広く愛用されている便利な金物です。
スライド蝶番のメリットは、座金と本体が外れるので扉と棚で別々に取付ができること。取付中に扉を固定する必要も無ければ、取付後の扉の着脱も可能なので様々な場面で利便性が高いです。
加えて取付後に上下左右に位置調整ができるので、DIYでの利用にも取り入れやすい金物です。
隣り合った扉でも、軸がスライドするのですぐ横の扉に干渉せずに開けることができます
スライド蝶番のもう一つのメリットは、通常の丁番と違って開閉の際に軸が「スライド」すること。扉が回転するようなかたちで動くので、間隔を開けずに連続して扉をつけても隣の扉に干渉しません。
間隔を開けずに扉をつけられるかどうかは、その家具の見栄えにかなり関わってくる大切な要項。複数扉のキャビネットを検討されている方には特におすすめです。
パタンと閉まる「キャッチ付き」
扉を開け閉めする際に少し重く、手を離すとパタンと閉まるのが「キャッチ」という部品のついたスライド丁番です。少し押すだけでバネの力で閉まるので、扉が半開きになりません。
ゆっくり閉まる「ダンパー付き」
扉を締める際に手を離すと、スーッとゆっくり閉まるのが「ダンパー」のついたスライド丁番です。扉が半開きにならないのはもちろん、ゆっくり閉まるので音も小さく指を挟んだりすることもありません。小さなお子さんがいるご家庭などにもおすすめです。
抵抗なく開け閉めできる「キャッチ・ダンパーなし」
スライド丁番はキャッチやダンパーなどの仕組みが特にないものも販売されています。バネが入っていないので開け閉めの動作が軽いのがメリットです。後述するマグネットラッチなどを併用すれば、きちんと最後まで閉まる扉を作ることもできます。
とても便利なスライド丁番ですが、使用の際には扉の木材に埋め込むための穴あけ加工が必要です。
穴あけはビットとインパクトドライバーがあればDIYでも可能です。また、マルトクショップで金具の手配と取付用の木部加工を一括で行うことも可能ですので、ご自宅での加工が難しい場合はご相談ください。
意外と見たことある!?ポピュラーな金物です
マグネットラッチという名前こそ知らなくても、この金具を見たことある方がほとんどではないでしょうか?棚側に磁石を、扉に鉄のパーツを取り付けることで、キャッチやダンパーがなくても扉の開閉をしっかり保ってくれる金物です。
押すことで扉が開く、プッシュ機能を兼ねたものを選べば、締まっている扉を取手なしでワンタッチで開けることができます。
左/棚側に磁石パーツ 右/扉側に金属パーツ
マグネットラッチの仕組みは非常にシンプルで、扉を磁石の力でつけたり外したりするパーツです。スライド丁番でも触れましたが、キャッチやダンパーなどのないシンプルな丁番で取り付けた扉は、何かしらの留め具が無いと扉が半開きになりがち。マグネットラッチは木部の加工も必要なく、シンプルにビス留めをするだけでぐんと扉が開閉しやすくなります。
金具だけだと用途が分かりにくいですが丁番の一種です
なかなかDIYでは取り入れにくいですが、無垢の建具など重量があり、かつ見た目を気にしたい用途におすすめしたいのがカクシ丁番です。一般的な丁番は取付面からは見えるものですが、カクシ丁番を使うと扉どちらの面から見ても丁番が見えません。重量のある部材にも対応しているので、大きな扉にも安心です。
カクシ丁番は木部に埋め込んで使う丁番です。そういった意味では手軽に様々なところに使う、といったタイプの金具では無いかもしれませんが、埋め込むことで丁番が全く見えなくなる、というのはインテリアにおいて大きなメリットと言えます。
もちろん埋め込みには扉と取付部分の加工が必要です。カクシ丁番の加工に関しても、マルトクショップで金具の手配から加工まで一括で行うことも可能です。(もちろん場所やサイズを指定して穴だけ開けることもできます。)ぜひ、検討される場合はご相談ください。
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上下に開くタイプの扉に欠かせません
「ステー」とは、丁番と同じく扉の開閉をコントロールするための金具のこと。扉の開閉部分に取り付けることで、ゆっくり開くようになったり、開いた状態をキープしたりと用途によって様々なタイプのステーがあります。ソフトダウンステーは、TVボードなどの上から下へ開く扉に適したステーです。
丁番と違ってアームが付いているので、扉が90度開いたら自動的に開閉が止まる構造になっています。特にTVボードなど、低い位置に取り付ける扉には重要です。
スライド丁番と同じくキャッチつき、キャッチ無しのバリエーションもあるので、用途によって使い分けましょう。
ソフトダウンステーは特殊な加工は必要なくビス留めだけで使えるので、お客様の作品でも使われているのをよく見かけます。上から下に開く扉を作る場合には、まず利用をおすすめしたい金物です。
引き出しを「スライド」させるための金具です
スライドレールはDIY界隈では比較的ポピュラーな金物かもしれません。おそらく引き出しを自作しようと思うと一度は使用を検討することになるのではないでしょうか。
箱のサイズと取り付け位置さえきちんと測れば、チェストや学習机の引き出し部分にビス留めするだけで、ひっかかりなくスムーズな出し入れのできる引き出しが出来上がります。
スライドレールを使えば簡単に引き出しを作ることができます。手軽なだけでなく、木材の動きを計算する必要もないので使用感が良く、DIYでもよく取り入れられる金物です。
取手は既製品を購入するとデザインも揃えられて手軽です
扉や引き出しをつける場合、取手や引手があると便利です。取手や引手は金具の工夫や自作など、様々な手法が考えられる「オプション」の部分ではありますが、一番早くて確実、物次第で安価にも済ませられるのは既製品で揃えてしまうのが簡単です。
「ピサツマミ」というのは商品名ですが、一番シンプルで使い勝手が良いのがツマミタイプの取手です。戸棚の引手としても使いやすく、応用の効くタイプの形です。裏からビスで留めるだけなので、取り付けも簡単です。
扉の断面である木端・木口に、ビス留めで取付けることで、大きくて掴みやすい取手となります。シンプルなアルミ素材なので、木材にもよくマッチするデザインです。基本的には引き出しの取手として使われることが多いです。
引手としてよく使われるのが半回転取手です。家中を探してみたらどこかに使われているのを見つけることができるかもしれません。普段はフラットな状態で、写真の丸い部分を押すとくるりと半回転して取手として使用することができます。
この半回転取手は木材と組み合わせて使う場合、取り付け用の彫り込み加工が必要です。使用を検討される場合は、マルトクショップで加工のご相談も承っておりますのでお気軽にご相談ください。
マルトクショップではお客様の作品写真を毎日ご紹介しています。たくさんの方にご覧いただいている人気コンテンツですが、中にはDIYと思えないハイクオリティな作品も数多く送られて来ます。
→木材を使った自慢の作品
ですがそんな数々のハイクオリティな作品も、便利な金物を取り入れればそんなに難しい仕組みをしていない場合もあったりします。金物を少し取り入れることで、DIYの楽しみが一気に広がりますよ。
今回ご紹介した金物については、取り付け前に必要な木部の加工は個別見積もりにて対応可能です。ご相談だけでも受け付けておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせくださいね。
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