2019年10月24日
木材が私たちの手に渡り、実際に使われるまでにはかならずなにかしらの加工が行われています。
木材を快適に、そして美しく、自分好みに、使いやすく・・・などなど、各目的に合わせたカスタマイズをするためにはなくてはならない様々な加工。しかし、どんな加工が実際に必要なのか、パッと頭で理解できる人は業者のお客さまくらいのものです。
今回からのもくもく通信では、木材のコーナー加工についてお伝えします。
→第一回「実は重要!面取り加工」
→第二回「穴開け加工とその活用」
目次
【最後に】用途は様々、コーナー加工でより「ピッタリサイズ」に
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木材を平面で例えたときに、「辺」に当たる部分を面取り加工と呼びますが、それに対して四つ角に対して行うカット加工をマルトクショップでは「コーナー加工」と呼んでいます。木材を特に天板として使用する場合、角が直角のままだと不便なことは多いもの。角を丸くしたり、斜めにカットするコーナー加工について解説します。
コーナー加工は簡単なもの(軽く磨いて角を丸める程度)であれば自分でも出来る加工です。もしも、塗装を自前でするような場合であれば、DIYするのも大いにアリ。角を半径5mm以上丸くしたい場合や、設計上の都合などでカット角度の精度が必要なときなどはプロにオーダーすると綺麗に仕上がるので、加工内容によって使い分けるのがおすすめです。マルトクショップでオーダーできるコーナ加工は以下の二種類です。
天板にコーナーRは相性の良い加工
Rとは円の半径(=radius)を指しており、角を丸くする加工です。家具の天板に行う加工としてはとても一般的で、一見真四角に見える板でも、角に数ミリ程度の丸みをつけている場合がほとんど。直角のまま角を落とさない木材は想像以上に危険なもので、柔らかい樹種であっても手肌を傷つける可能性もあります。
1~2ミリでも、角を丸めることで安心して使用することができるので、特に天板には必須の加工です。
また、半径を大きく指定することで半円や楕円形をオーダーすることもできます。
↓コーナーR加工が効果的な作品写真↓
テーブル天板 | 学習机の棚 | 踏み台の天板 |
斜めカットで角度をつけたカウンター
角を丸めるのではなく、直線的に落とすだけでも天板の印象は大きく変わります。角をすべて対称に落とすと規則的に整然とした印象になりますし、四角では無い天板を作りたいときにも斜めカットで指定することができます。
他にも斜めカットが重宝されるのはL字型のカウンター。両端のカット面を合わせることで、壁に沿ったカウンターを作ることが可能です。(写真のように、二つ以上の材を組み合わせて使用する場合にはボルトジョイント等の固定が必要です。)
↓斜めカットが効果的な作品写真↓
鏡の枠 | 店舗カウンターの装飾 | 部屋の角度に合わせたカウンター |
▼作品をもっと見たい方はこちら▼
木材を使った自慢の作品
マルトクショップでコーナー加工をオーダーする方法をご紹介します。
R加工と斜めカットで基準となる値が違うので、オーダーフォームの指示に沿って数値を入力してください。斜めカットの断面を合わせる場合など、精度が特に必要なカットに関しては、注文時に用途のわかる図面を添付していただくとミスマッチが起こりにくいのでオススメです。手書きの簡単なものでも構いません。
角につけたい曲線のr(=半径)で指定します。一つの角に対して、円の1/4の曲線をつけることになるので、イメージが付きにくい方はコンパス等でラインを描いて確認するのがおススメです。
各コーナーで違う値を指定できます。加工可能な最大値としては、材料の幅と同じ大きさまで指定することが可能です。
加工したい角を基準として、角からの距離(X/Y)でカット位置を指定します。カットする辺の長さ(X-Y間の長さ)で指定することはできません。カット面の長さを知る必要がある場合は、三平方の定理で計算してください。
あまり知られていませんが、コーナー加工を活用することで、四角以外の様々な形の板を注文することができます。個性的なインテリアを作りたい方はぜひ参考にしてください。
コーナーRの活用例
扇型
半径=幅=長さ |
片側の丸い天板
半径×2=幅 |
半円
半径×2=長さ |
斜めカットの活用例
八角形
3X=3Y=幅=長さ |
三角形
X=0、Y=幅=長さで両サイドから指定 |
直角三角形
X=Y=AB |
時にはコーナーの加工では指定しきれない、複雑な形の板を加工したい場面もあるかもしれません。そんな際には、NCルーターでの加工(大きな板から機械でくり抜くような加工)も可能です。(別途見積り)NCルーターでの加工には必ずCADのデータが必要になりますが、四角形にとらわれない複雑な加工も可能なので、必要な際にはお問い合わせください。
※もしもCADデータの用意が難しい場合は、作成することも可能ですのでご相談くださいませ。(有料)
コーナー加工は角の処理だけでなく、天板全体の形も作ることのできる応用力の高い加工です。板といえば四角、という概念を一度置いて、自由なデザインを楽しんでみませんか?
ご不明な点や希望の加工などがありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせくださいね。