2017年2月8日

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テーブル天板や椅子などをはじめ家具・調度品、棚板などがよく木材が使用されています。また、趣味のスピーカーや内装で使われる階段材や枠など比較的大きなものから、チーズやパンのカッティングボードまで無垢材や集成材が用いられているシーンは案外多いです。
無垢材、集成材は、私たちの暮らしに知らないうちに浸透しています。マルトクでは取扱っていませんが建築にも構造用集成材が用いられています。
集成材は、欧米で開発が始まり1930年代にアメリカで製造が始まりました。
日本では、1951年に東京四谷の森林記念館で建材用として用いられたのが最初と言われています。
その後、品質も向上し安定性も認められ扱い易さから木材の中で集成材の需要が伸びています。
端材も活用して製造していることからエコにも寄与しているのです。

無垢のチークテーブル(T様)
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無垢の意味は、丸太から切出したままの材の事です。
マルトクでは、これら無垢の板を必要に応じて接(は)いで作ったものも「無垢」もしくは「無垢材」と呼んでいます。

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マルトクの無垢材は、樹種によって異なりますが概ね幅100~200㎜程の無垢の板をハギ合わせてご希望の幅の板に仕上げています。
ちなみに一枚板もございますが現在は販売休止中です。
ハギ幅が集成材と比べて広い無垢板 写真:アメリカ広葉樹協会
集成材に比べ幅の広い材を接いで製造する為、樹種の持ち味を活かし集成材よりも高級感があります。ハギの無い1枚ものの無垢板よりローコストです。
希少な材種での無垢のハギ板を製造でき(一定範囲)希望のサイズが入手できます。厚みのある無垢材も多いです。
木肌の色や、樹種ごとに異なる豊かな表情は無垢材の醍醐味です。
既定の厚さが予め決められている集成材よりも、厚みの選択幅も広く重厚感を望まれる方や、野趣に富んだ味わい、ナチュラルな木肌面をお望みなら選択肢の多い無垢材がお勧めです。

無垢ブラックチェリーで製作されたスピーカー(K様)
無垢材は、荒木取りの工程があるので、ご注文を頂いてから生産します。その為通常は、集成材よりも納期が長くなります。
多くの場合ビスケットという接合材を用いた製造方法です。購入後ご自身で材をカットされることはお勧めできません。
ビスケットジョイント部をカットすると、ビスケットが露出するし強度が損なわれたり、見た目も悪いので必要なサイズで注文してただくのが無垢材です。
フィンガージョイントや高周波を用いた生産方式も取り入れていますが、サイズ指定でご注文頂くのが基本です。
ビスケット(ハギ面接合部材)長さ約5㎝程度
集成材(積層材)は、幅30mm程度×長さ250mm~350mmくらいのこまかな材をフィンガージョイントで縦継ぎで仕上げたものです。
無垢材より比較的ローコストでお求めいただけます。

集成材のフィンガージョイント部
集成材は、比較的細かな材や利用価値の低い端材も用いて製造するのでエコな材としても人気が高いです。
集成材は、ビスケットジョイントを使用せずに製造されているので、注意は必要ですが、購入後フィンガージョイント部の位置を気にせずカットすることができるのも集成材の特徴です。
マルトクでは幅600㎜以上の集成材のご注文には、ビスケットジョイント等で接いで幅広な集成材を生産しています。

メルクシパイン集成材の棚(K様)
集成材は、無垢材と異なりハギ幅が狭い事で逆に均質な雰囲気の表情が楽しめるともいえるでしょう。
木のぬくもりや木肌の風合いに塗装など組合わせると、幾通りもの表情豊かな材を作ることができます。
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無垢材と集成材の違い、無垢材は控えめ塗装で木地そのものを楽しむ場面に似合う、集成材は場面を選ばず活用できる。
次回は製造方法の違いを解説します。