木の基礎知識 マルトクショップ「もくもく通信」

6  木材の反りの修正

2017年12月7日

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木材の反りの修正

 

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反りは直せる?

無塗装材に水分を急激に(片面のみ)与えると「反る(そる)」事が明らかなので(前号)、逆に乾燥させれば戻るんじゃないかと考えがちですが、そこは天然木。一筋縄では行かないものです。木の持つ個性を理解して反りに対応しましょう。

 

反りの戻し方

 

1)凹面を下にして、しばらく放置する

少し反った天板なら、材の凹面を下にしてしばらく様子をみましょう。変化の兆しがなければ、凹面だけラップ等で覆い、しばらく様子を見ます。それでも戻らない場合は、凹面だけ軽く霧吹きで水分を与え数日様子を見てみましょう。(いずれも、気候や状況によって異なります。)

反りの具合にあわせて試してみましょう(室内もしくは日陰で行う)

 

(1)軽度な反りなら、裏向けてしばらく放置してみましょう。
(2)少し手ごわい反りなら、凹面にラップをかけて裏向けに置いてみましょう。
(3)反りがきつい場合は、凹面に水分を軽く与えてみます。

 

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※いずれも、さん木の上に反り材を置いて風通しよくして行って下さい。

 

2)過重を加えて、強制的に反りを戻す
水分を与えても反りが戻りにくければ、過重をかけてみましょう。同じ大きさのさん木(桟木:小角材のこと)を用意し、その上に「反った材」を載せ、上に重い材などを置いて加重をかけます。

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木材の保管

 

木材業の反り対策

木材を熟知しているプロは、実に丁寧に木材を扱っています。入荷した木材はもとより、出荷ぎりぎりまで木材をベストな状態に保てるようにしています。下の写真は、屋外、室内の木材置場の写真です。木材の間にさん木をはさみ、風通しをよくして含水率の変化を抑制しています。

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マルトクショップの材木置き場の風景

 

出荷まで材をベストな状態で管理

マルトクでは、加工の際、通常は各工程が終わる毎や梱包前の一時保管時もさん木の上に材を置いて保管しています。僅かな時間ですが、よりよい商品をお届けできるよう努めています。

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加工中の材も、工程が終わる毎にさん木を挟んで次の工程を待つ

 

 

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反り止め対策

反りの発生が気になるようであれば、木材購入の際に塗装、反り止め金具の取付け、または幕板を取付けるオーダー家具(下記で紹介)のサービスを利用する方法があります。用途や環境、デザインなどに応じて相応しいものを選択しましょう。

 

1)ウレタン塗装で材を安定させる

3ten_urethane_toso.jpg.jpgウレタン樹脂が木材の呼吸を抑え反りや汚れを予防

家具などを作る場合は、部材を組み合わせる事によって相互がソリ止めの働きをしていますが、天板を台の上に固定をせずに使用する場合は、使用状況によりますが、ウレタン塗装を施すと材の含水率が一定になりソリ対策となります。

ウレタン樹脂の塗装で、マルトクショップではツヤ全消しのみ承っています。塗装のテカりを抑えるので、塗装後の見た目はテカテカしたいかにも塗りました、という感じではなく自然な仕上がりです。(コーティングするので触るとつるつるしています。)

「両面塗装」「裏捨て塗り(反り予防の必要最小限)」等のオーダーができます。裏捨て塗りとは、目に触れない裏面への必要最小限の塗装内容です。ウレタン皮膜は、使用状況や経年により被膜強度が下がります。

塗装について詳しくはこちら

 

 

2)反り止め金具

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前号でも紹介しました「反り止め金具」は、天板のサイズに応じて一点ずつ製作し取付けています。完全埋め込みタイプは木材の厚さ30mm以上に、通常タイプは木材の厚さ25mm以上に取り付け可能です。天板の厚みによって、取り付け可能なタイプに制限があるので、ご注意ください。詳しくは、マルトクショップの注文フォームのオプションからオーダーすることができます。完全埋込みタイプも通常タイプも効果は同じです。見た目の仕上がりが違うだけです。

→反りどめ金具について詳しくはこちら

 

 

3)幕板

ダイニングテーブルや机等によく用いられている幕板は、ソリの軽減や脚の固定に対して機能しています。DIYで作られる際の木材ご注文の場合は図面(図面、手書きスケッチ・図面の写真画像、JWWのCADデータ等)があれば添付していただければ参考にさせていただきます。分からない場合はお問合せ下さい。

→お問い合わせページ

 

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幕板の加工はDIYの中ではかなり高度な技術です。(→ 幕板付き脚加工)手軽に幕板の加工をしたい場合は、姉妹サイト「マルトクオーダー家具」「m3PRODUCT」ページにて幕板付きのダイニングテーブルをオーダーすることも可能ですので、ぜひご活用ください。

マルトクショップ姉妹サイト

 

 

 

4)その他
天板の裏側に、木材の桟(裏桟)や、反りなどの伸縮に緩く対応する駒留め(こまどめ)といった反り止め技法があります。この他、ビスを使わずにホゾを掘って取付ける蟻桟(吸い付き蟻桟)など高度な技法もありますので、興味のある方は挑戦されてみてはいかがでしょうか。
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(図左)天板の裏側に桟を取付ける「裏桟」や、(図右)幕板等をゆとりを持って固定する「駒留」などの反り留め技法

 

 

 

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まとめ

変形や腐食を防ぐためにさん木に乗せて管理している木材

反りは、木製品につきものです。湿度や環境によって変化していきます。古来より、木材と職人の技が多くの技法を編み出しました。日本は、特に湿度も高く、そのため繊細な技法が育まれて来たようです。

マルトクでは、工期も短くコストも抑えた反りどめ金具をお勧めしています。天板を購入の際は、ぜひご検討下さい。

→反りどめ金具について詳しくはこちら

 

 

 

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無垢材 19 営業日
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中島弘樹

マルトクショップは、木材(無垢材・集成材・積層材)のフリーカット販売・床材(フローリング材)の通販専門店です。
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